これは…… ハリウッド大作としてはちょっと酷い。どこがミステリーで、どこがサスペンスなのか。謎なんて見当たらないし(なぜこんな作品になったのかは謎だが)、ハラハラドキドキもなし。むしろ退屈。見終わって心に残ったものは、BESTIA+ATMOSのおかげなのか、音質が良く、特に低音は迫力があって素晴らしいことだけかなあ。3D-CGの特殊効果というか、視覚効果、SFXも特に印象に残らない。むしろ地味。IMDbでは3.8点の驚くべき低評価。多くの劇場で、公開わずか1週間で小さなスクリーンに落ちたのも納得。 とにかくヒドイのは脚本。支離滅裂というか、まったく納得できない展開。妊娠した臨月の状態で、ペルーの未開のジャングルに行く? あとで理由が明らかにされるものの、まったく納得できない。普通なら人に頼む。主人公たちが乗った車を監視カメラでモニターしていて、走り出したら「病院に向かった」って、なぜそんなことわかるの? 悪党が毎晩見る悪夢に登場する女の顔を映像化する? 2003年の設定なのに? 今だってできないのでは? そんなことがあちこちに散りばめられている。破綻した脚本。 たぶん一番の問題はキャラクター。主人公も含め、性格的に問題ありの登場人物ばかり。かろうじてパラメディック(救急医療隊員)の男性同僚ベン・パーカーが普通か。まあこの人にしても、主人公の異常な行動をそのまま受け入れるなど、ヘンではあるのだが。だれも好きになれないし、酷い目に遭っても何も感じない。日本のアニメ・キャラのような眼鏡女子もとってつけたようで浮いているし……。 そして横長のシネスコなのにカメラ動かしすぎ。ユニークなカメラ・ワーク(アングル)にしたかったのか、ぐるぐる動く。目が回るって! やりたかったらビスタでやれ! シロートか? 同じシーンの繰り返しも不快なだけで無意味。せいぜい女性がエロく撮られているのが救い?か。 銃は、冒頭の裏切り男が1911オートを使用。現代で使うのはベレッタ92だったろうか。チラリと出るだけ。 公開8日目の初回、池袋の劇場は平日だからか朝早い上映で、13〜14分前に開場。平日とは言え毎月1回の映画の日だったからか、観客は346席に、若い大学生くらいの男性が4人、中高年の男性が3人、中年女性が3人、若い女性が1人という感じ。真ん中11席と後方8席のP席には誰も座らなかった。土日はどうなのだろう。早めに打ち切りになるかも……。 スクリーンはシネスコ・フルで開いていて、10分くらい前から案内が流れ、4分くらい前から予告。途中マナー、映画館にいるのに「映画に行こう」のCMがあって半暗になり、枠付きの映画泥棒、映倫をはさんで再び予告が続き、再びマナー、退場時の注意で暗くなり、映写機のマスクが左右に広がって、フル・サイズに。BESTIAのロゴ、ATMOSの日本語デモからSONYのロゴと、コロムビア100年のロゴから始まる本編へ。 入場者プレゼントでA4サイズのミニ・ポスターをもらったけど…… いらないかなあ。 |