うーん、暗澹たる気持ちになる映画。たくさんの悪党が出てきて、たくさんの人が死に、悪意に溢れていて、不快。殺す方も殺される方も悪人。そして悲しくて、切ない。かろうじての救いは、13歳のピュアで一途な少女、夏月(なつき)の存在かなあ。刑事すら信用できないような映画。うーん。 これだけ不快になるのだから、映画としては良くできていると思う。ただ、冒頭の崖からの突き落としシーンがあまり説得力なかったのと、使われているクラシックの曲がとってつけたような感じでなじんでいなかったのが気になった。夏月の家に戻って確認する場面もちょっと納得できず、ラストの手紙も、普通読むかなあ? そして画質。バラつきがあって、概して室内は高画質で色も良く、屋外になると低画質というか低解像度で、色も浅く被っているような感じなのが、日本映画っぽいというか、悲しいところ。 もちろん「さんかく窓の外側は夜」(2020・日)の岡田将生と、「リボルバー・リリー」(2023・日)の羽村仁成はいい。しかしより印象に残るのは女性で、ヒロイン的な少女、夏月を演じた星乃あんな、東一族の社長令嬢で昇(のぼる)の妻役の松井玲奈、主人公朝陽(あさひ)の父の再婚相手を演じた人(名前は不明)が良かった。 基本、凶器は刃物が使われるが、銃は、制服警察官がホルスターにリボルバー(ニューナンブM60か、S&WのM360Jサクラか?)を入れている。 公開9日目の初回、新宿の劇場は13〜14分前くらいに開場。観客層は中高年の高寄りがメイン。珍しく高齢女性もいたが、女性は2割いたかどうか。最終的には117席に6割くらいの入り。うーん。 10分くらい前からシネマ・チャンネルが流れ、終わると半暗になってCM。非常口案内でランプが消え予告。ラストにマナー、忘れ物注意で暗くなり、映写機のマスクが左右に広がって、フルのシネスコで足元注意、映画泥棒、映倫と続き、製作会社のロゴのあと海の音が重なる黒い画面から海面、ちょっとした草はらと続く本編へ。 ラストに「ゴールド・ボーイ2」って出た? |