重厚な映像とド迫力の音響に圧倒される。そして骨肉の争いと戦争を描いた物語に圧倒される。大予算で描くビッグ・スケールのスペース・オペラに感動する。これはIMAXで見るのが適しているのかもしれない。 ただ、楽しい映画ではなく、憎悪、復讐、陰謀・謀略といったものが凄くて、これにも圧倒される。しかも冷血。舞台となる砂漠には、砂虫がいるが、生命を育むような温かみはなく、生を拒否するような死の世界のイメージがある。そして全編が1つの葬儀であるかのような、荘厳だけれど不吉でダークで不安な雰囲気が溢れている。言葉を失う。しかも長い! それでも終わらず、たぶんパート3に続く(何も出なかったと思うが……)。 やはり強烈な印象を残すのは、無毛症のような外見の残忍な男、ハルコンネン家の次男(?)フェイド・ラウサを演じたオースティン・バトラー。「エルヴィス」(Elvis・2022・米/豪と)でエルヴィス・プレスリーを演じていた人だ。まったく同じ人には見えないが、役が憑依したような演技は凄かった。だいたい悪役が強烈で、父親のハルコンネン男爵のステラン・スカルスガルド、長男(?)ラッバーンのデイヴ・バウティスタも良かった。 兵器としては、オスプレイかブラックホークを宮崎アニメ化したような羽ばたき航空機が興味深かった。それに搭載されている武器がミニガンのブラスター版というようなもの。連射が凄くて怖いくらい。磁気で吸い寄せられるように空中を飛んで来て張り付く地雷も恐ろしかった。兵士はスコープ付きの角張った造形のブラスター小銃。 公開9日目の初回、日比谷の劇場は15分くらい前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かった。女性は最初1割くらいしかいなかったが、その後増えて2割くらいまでいったろうか。ハードSFという感じだから女性が少ないのはしようがない。プレミアム席(P席)がメインで10席×4列もあり、さらに高いラグジュアリー席(L席)も10席×1列あるプレミアム・シアターは、最終的に一般席が4.5割くらいの入り。P席が4割くらい、L席が半分くらい埋まった。話題作にしてはちょっと少ないか。 10分くらい前からシネマ・チャンネル。それが終わって半暗になり、CM、予告と続いて、マナー、忘れ物注意、ローレックスのCMを挟んで暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、足元注意のTCXデモ、映画泥棒、映倫で、黒い画面から始まる本編へ。 |