よくできた娯楽作品。もはやレニー・ハーリン監督はB級のレッテルを貼られてしまったのだろうか。IMDbでは5.1点の低評価。ボクは楽しめたし面白かった。ただ、新しさは特になく、ストーリーは良くあるB級アクションのパターン。仮に主演をジェラルド・バトラーとかジェイソン・ステイサムが演じても、同じ印象かなと。 結局のところ、アクション映画はいかに見せ方を工夫するか、新しい感覚で見せるか、ということなのではないかと。そして、レニー・ハーリン監督は、ところどころスローを挟むなど、それがうまい。娯楽作品としてキッチリまとめ、ラストはおとぎ話の終わりのように、メデタシ、メデタシで終わる。キー・アイテムはアナログ・レコードと良い曲、そしてなぜかタバコ。何回も出てくる。そこへレンガ積みの作業。主人公はものの配置がズレていると気になり、ちょっと強迫性障害ぎみなのかも。 とにかくアクション満載で、撮影は大変だったのではないだろうか。演技が良くても、アクションのタイミングが合わないとやり直し。同じシーンを何度も撮る。しかも、弾着などのセッティングに時間が掛かる。逆に壊れ物は何度も撮影できないから、何台ものカメラをセッテイングして、1発勝負的なところがある。お金も掛かる。そんなことを考えても本作は良くできている。 とかにかく主演のアーロン・エッカートはがんばっている。スーパー・ヒーロー的ではないが、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」(Battle: Los Angeles・2011・米)とか「ライブリポート」(Line of Duty・2019・英/米)並みに、アクションをしっかりこなし、がんばっているキャラクターをうまく演じている。華はないかもしれないが嫌みもない。 銃は、敵が持っているのが1911のカスタム。屋上で主人公を襲ってくるチームはスコープ付きクリス・ヴェクターを持ているものの撃たず、ハンドガンに持ち換える。ここでは主人公もジョン・ウイックばりのCAR風の構えで、撃つ時はたぶんほとんどダブル・タップ、マガジン・チェンジもよくやっている。ギリシャで友人らしい支援者から渡される銃はセリフではグロック45。G26のようなサブ・コンパクトもあるがCIAのケイトはそれを拒否し、P320らしいオートを取る。襲撃チームは他にAKやクリンコフ系のAKショーティ、MP5,ポンプショットガンなども使う。SFP9(VP9)もあったような気がするが、見間違いだったかも。XD-Mは?……うむむ。 公開3日目の初回、新宿の劇場は10分くらい前に開場。ロビーで待っていたら、なんだか昔の銀座シネパトスのようなオヤジ系のお客さんと、アニメ系のお客さんが多い気がした。そして本作はほぼオヤジ。最初12人ほどいて、女性(オバサン)は2人。最終的には226席に50人くらいの入り。女性は2割ほどいたろうか。ちょっとさみしい。もっと入っても良いと思うが。 7分くらい前から案内が流れ、CM、予告と続いて、非常口案内のあと半暗に。再びCM、予告になり、マナーのあと映写機のマスクが左右に広がり、フルのシネスコになって映画泥棒、映倫で暗くなり、本編へ。 |