うーん。これは変な家の話ではなくて、「犬鳴村」(2019・日)とか「樹海村」(2021・日)、「牛首村」(2021・日)と似たような印象。昔山奥の小さな村で悲惨な事件が起こり……というパターン。日本のホラーに良くあるヤツ。せっかくとっかかりは変な間取りの家、というユニークな視点から入っているのに……。もったいない。ボクには合わなかった。ヒットしているということは、合った人が多かったということだろうか。 ミステリーよりホラーに重点が置かれていて、あざとい演出、仕掛けが多すぎ。最初の脅す役である川栄李奈なんか、出てきた時は髪をたらしていて、顔もよく見えない感じで、怖がらせるためであるのがミエミエ。その母親がお面を被って脅しに来る? あり得ない。脅すためとしか思えないことだらけ。それなのにホラーとしてはあまり怖くない。 脚本も雑なのか、どうにも設定も展開も納得できず、つじつまが合わない感じがするところばかり気になる。手首だって、他人のものを取らずに、自分達一族のものを差し出せ、って思ってしまったし。ルールもよくわからないし納得できない。なぜこうなるの? 佐藤二朗演じる建築家もわざとらしく、都合の良い時突然現れて、どうやって来たんだと。説得力も存在感もなし。浴室の床に出入り口があったら水漏れして大変だし、すぐバレるのでは? とか、とか。 見所がない。やはり低予算なのだろうか。唯一良かったのはお面のデザイン。これは怖い。良くできている。デザイナーの名前はメモできなかったが。 それと、建築基準法的なところでいうと、窓のない居室というのは認められていないのでは? 納戸とかでないと…… となると物語としてわかりにくくなってしまうけど。 銃は、前髪がうっとうしい感じの怪しい親戚、森垣が上下二連ショットガンを使う。ガン・エフェクトはBIG SHOT。 公開3週と1日目の初回、日比谷の劇場は22〜23分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かった気がするが、さすがに3週を超えると少ない。最終的には465席に17〜18人というところ。男女比は半々くらいで、オバサンがやや多かったかなという印象。ネット原作(原案?)だと若い人が多いかと思ったので意外。9席×4列のP席には若めのカップルが1組だけ座った。 興収ランキングの連続1位が続いているようだが、どこがそんなに人気なのか。原作との違いが話題になっているようで、そこか? 映画は別物。それは当たり前だが、原作に対してリスペクトがあるかないか、その辺が大切なのかなとは思う。多くの場合、原作を読んでから見るとガッカリすることが多い。ボクとしては後から読むのがお薦め。本作も読まずに見たが、原作を読みたくはならなかった。 10分前くらいからシネマ・チャンネル。終わって半暗になりCM、非常口案内からランプが消えて、予告。ラストにマナー、忘れ物注意で暗くなり、壁の青いLEDも消え、映写機のマスクが左右に広がり、足元注意、迫力のフルの映画泥棒、映倫で、東宝のロゴから始まる本編へ。 |