2024年4月21日(日)「貴公子」

THE CHILDE・2023・韓・1時間58分

日本語字幕:丸ゴシック体下、関口智恵/シネスコ・サイズ(公式サイトでは2.39)/ドルビー・デジタル(公式サイトでは5.1ch)
(韓18指定、日PG12指定)

公式サイト
https://synca.jp/kikoushi/
(全国の劇場リストもあり)

82点

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 凄いアクション。大冒険談。さすが韓国映画、血まみれで、リアルな暴力満載で、恐ろしい。それでいて話はひねりがきいていて、ラストは大どんでん返し。スッキリ解決して、緊張が緩み、笑いさえ漏れるほど。爽やかな印象さえある。やっぱり「The Witch/魔女」(The Witch: Part 1. The Subversion・2018・韓)の監督・脚本を手がけたパク・フンジョン。すごい!

 この映画では、基本的に、本当に怖い悪い奴らが暴力を振るう時は、笑顔というか微笑。これが怖い。絶妙の演技。役者さんはみなさんうまい。普通は笑顔だと力が入りにくいし、怒りを表現しにくい。それが、ちゃんと怒りや力を感じさせつつ、笑顔なんだから、凄い。微笑みのターミネーターT-1000。美女たちも怖い!

 気になったのは「貴公子」という邦題。映画の公式サイトでは、物語を脇から動かしていく二枚目の殺し屋の男を貴公子としているが、原題のサブタイトルはザ・チャイルドで、これは父が韓国人、母がフィリピン人の青年マルコのことだろう。一方で貴公子は身分の高い家柄の子だとすると、不明だったマルコの父が実は韓国財閥の会長だったとなると、やはりマルコのことではないのか。ちなみに邦題は韓国語タイトルの直訳らしい。となると、わざと殺し屋を貴公子と思わせるミスリーディングか。あるいは貴公子になりたかったとか?

 銃は、殺し屋は最初サプレッサー付きのS&WのM&Pオートを使うが、後半はグロックのサプレッサー付き。ちゃんとマガジン・チェンジもやっている。マルコが強盗で渡される銃はS&Wのミリポリ系、エジェクター・シュラウドなしの4インチ。ちょっと小さく見えたがJフレームじゃないよなあ。怪しい女はサプレッサー付きS&WのM&Pオート。ヤクザっぽい方々は、リアリティを重視してだろう、上下二連や水平二連のショットガン。こちらもピストルと銃声が変えられていてよかった。男と女のM&Pとグロックが入れ替わったような気もしたが、つじつまは合っていただろうか。若い女はシルバーのパイソン4インチ。今どきカップ&ソーサーというのは素人という設定だからだろうか。

 殺し屋を演じたキム・ソンホは甘いマスクの二枚目だが、日本人的な感覚だと、別所哲也と尾上松也を足して二で割ったような感じがした。どうでもいいことだけど。サラウンドはかなり効果的に使われていた。

 公開10日目のお昼近くの初回、銀座の劇場は20分前に開場。観客層は最初ほとんど中高年で、13〜14人中、女性は5〜6人。上映時間が近づくと若い女性が増えて来て、男女比は4対6くらいに反転。最終的には2階の151席に40人くらい入り。

 スクリーンはフルのシネスコで開いていて、12分くらい前からアニメ「かぶきにゃんたろう」のマナーCM、劇場からのお願い、予告。一連のものが終わると、再びかぶきなゃんたろうマナー、お願い、SMTメンバーズから予告、そしてCM。半暗になって、枠付きの映画泥棒、映倫から予告。ラストに映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズのシネスコになって暗くなり、黒画面、SYNCAのロゴから始まる本編へ。

 入場者プレゼンでポスト・カードをもらった。


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