衝撃的な映画。どこまでかわからないが実話に基づいているそうで、実際にこういう血まみれの猟奇的な事件があったことも衝撃だし、それがロシアだったことも衝撃だし、拷問は当たり前のようで、冤罪と紙一重の当時のロシアの捜査手法もまた衝撃で、地位の上のものの意見が絶対というのも現在のロシア政権に通じるようで、衝撃というか説得力があって恐ろしい。 全体に暗く、陰鬱で、出口の見えない迷宮にはまってしまったような閉塞感が満ち満ちている。演出がうまく、どの役者の演技も素晴らしいため、見終わるとすっかり落ち込んでしまうほどで、映画としては良くできているのかなと。ただ、手法はよくある時間軸をバラバラに切り刻み、再構築してミステリー感を高めたもので、わかりにくくしているとしか思えない。そこはいかがなものかと。 役者さんは皆さん素晴らしい。エキセントリックな人物が多いにもかかわらず、演技が自然という感じがする。基本、どのキャラも暗く、軽口、ジョークを叩くような人物は出てこない。タバコをよく吸っていて、VHSビデオとカセット・テープの時代。役者さんはタバコも吸わなければならず、大変だなあと 凶器はナイフ。銃は、警察がAKMとマカロフ、メインの刑事がトカレフを持っている。オバサンが持ち出すのは水平二連ショットガン。スナイパーが使っていたのは、シモノフ(SKS)っぽく見えたが、よくはわからない。 ラストのエンド・ロールで、キャストの1人だけが四角の枠で囲まれていたが、何だったんだろう。それとエンド・ロールが英語表記だったのは、インターナションナル・セールスを意識してなのだろうか、これも気になった。 公開2日目の初回、新宿の劇場は15分前くらいに開場。観客層は中高年メインの、それも高寄り。若い人は少しだけいた。女性は1/3ほどで、若い女子も2人くらいいた。最終的には137席に4.5割くらいの入り。今後増えるかなあ……。 スクリーンはビスタのフルで開いていて、10分前くらいから案内、予告が流れ、途中アニメ「すとぷり」のマナーをはさんで、再び予告。そして非常口案内から非常口ランプが消え、半暗になって本気(?)の予告。ラストに再びマナー、上下マスクの映画泥棒、映倫から暗くなり、上下マスクで本編へ。 |