歌とダンスは抑えめながら、やっぱり堂々たるインド映画という感じ。実際の世界情勢を反映しつつも、なかなかの荒唐無稽ぶり。超人、スーパー・スターが大活躍する痛快アクション。世界を股に掛けた大予算スパイ・アクションで、インド版007というかMIのトム・クルーズという感じだろう。ボンド・ガール的な美女も体を張ってアクションに挑んでいる。画質も素晴らしいし、色もきれいで、音響もクリアーでよく回る。 とにかくアクションものは撮影が大変なわけで、それを世界各地で、しかもこの規模で、ほぼ全編アクションという構成は、すごい。それだけで見る価値がある。ただ、コテコテのスーパー・ヒーローもので、これ見よがしの見得を切るような仕草や、決めカット、スローモーション、あり得ないアクションなどが気にならなければ、存分に楽しめる。見終わって落ち込むようなことはない。楽しい気分で劇場を後にすることができる。 内容的には、というか印象的には、「タイガー」シリーズや、「PATHAAN/パターン」(Pathaan・2023・印)などと同じ。どれも似たようなもの。祖国インドのために命を賭けて戦うと。まあいろんなものを壊しまくり、たくさんの敵を殺しまくる。それでいて悲惨さはなく、漫画的勧善懲悪ヒーロー・エンターテインメント。主人公がピンチになったところで、もう一方のシリーズの主人公が絶妙のタイミングで現れて、一緒に戦うというのもパターン。 美女のサービス・カットもたくさんあり、ピークは浴場でのバスタオル・アクション。見えそうで見えない。中国特殊部隊の女性隊長の首の後ろに「虎」と読めるタトゥーがあり、主人公の妻は「牛」だと指摘するシーンがあったけど、まあ、しようがないか。見えないと言えば、主人公の顔も最初見えない。バッタバッタと敵を投げ飛ばし、ここぞと言うところで顔を見せて、ニヤリと決めスマイル! うーん、インド映画!! 銃は、インド映画の場合、ビデオならともかく、劇場では一瞬なので見極めが難しい。実銃ベースのプロップ・ガンの他に、インド・オリジナルの電着らしいそれっぽいプロップ・ガンも混じっている。今回は、M4カービン(ゴム製のアクション用もバッチリ写っている)、AK、M60(セミ・オートで立射しているシーンもある! 後半に登場したものはベルト・リンクが飛んでいない模様 カートとマズル・フラッシュはCGか?)、ドーシカ重機関銃、M134ミニガン、TMPというかMP9っぽいサブマシンガン(それともロシアのSMGか、エンド・クレジットにロシア武器担当のスタッフ名があった)、CZ75フレーム・シルバー、MP5とMP5もどき、グロック、タボールTAR-21、M97風ストックなしポンプ・ショットガン、FALの折りたたみストックを付けたようなウージー風プロップ、ベレッタ92と92もどき、デザート・イーグル風プロップ、H&K P30かSFP9っぽいオートなどなど。ほかにRPGや、ジャベリン的な携行式ミサイルも登場。 公開3日目の初回、といってもお昼近く、新宿の劇場は12分くらい前に開場。入るとすでに予告が流れていた。観客層は中高年、それも高寄り。男女比は6対4で男性の方が多かった。アクションなのに、思ったより女性もいた。インド映画だからか。最終的には232席に2.5割くらいの入り。うむむ。 スクリーンはシネスコで開いていて、予告からアニメ「ブルーロック」のマナー、CM(相変わらず低コントラストで色の悪いQP)の途中で半暗になり、枠付きの映画泥棒、映倫で音が大きくなって再び予告。ラストに暗くなって、かぶきにゃんたろうのマナーで、TWINのロゴから始まる本編へ。 入場者プレゼントでポスト・カードをもらった。途中、インターミッションと出るがそのまま上映。トイレは直前に行っておくのがベスト。 |