2024年5月25日(土)「帰ってきた あぶない刑事」

2024・東映、日本テレビ放送網、舘プロ、東映ビデオ、セントラル・アーツ、讀賣テレビ放送、中京テレビ放送、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、広島テレビ放送、福岡放送・2時間00分

シネスコ・サイズ(公式サイトにもなし、IMDbにもなし)/音響方式表記なし(公式サイトにもなし、IMDbにもなし)
(一部、日本語字幕付き上映もあり)

公式サイト
https://abu-deka.com
(全国の劇場リストもあり)

76点

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 面白かった。正直、ボクはドハマリしたファンではなくライトなファンだが、それでも彼らが帰ってきた!という嬉しさがあったし、懐かしさもあり、楽しめた。物語としてはリアルな設定で、ありそうな展開。ギャグというか笑いもほどよく散りばめられていて、ストーリーの邪魔をせず、それでいて、ちゃんと笑わせてくれる。場内は度々小さな笑い声で沸いていた。演出も良いが、やはり脚本が素晴らしい!

 登場人物それぞれに見せ場があり、みんな光っていてカッコいい。とくにカオル役の浅野温子のヨゴレ役というか、越えちゃった?キレちゃった?演技はスゴイ。圧倒された。ここまでやるか。車のフロントガラスにひっつく感じはリドリー・スコットの「悪の法則」(The Counselor・2013・英/米)のキャメロン・ディアスみたい。そして「ヒトミちゃんお茶」の長谷部香苗のとぼけた味がまた良かった。全体としては女性の方が光っていたかな。また悪党のボス、海堂を演じた早乙女太一もなかなかの怖さで、これも重要なポイントだったと思う。

 ハーレー、レパード、カーチェイス、爆発、銃撃戦、アクション、謎解き、決めセリフ(「関係ないね」まで!)、決めポーズなど、ファンが望んでいることをすべて盛り込んで、ちゃんとまとまっているのだからすごい。全体としては大冒険的まとまりかた。CGなのか、若い頃の姿まで甦り、まるで「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(Indiana Jones and the Dial of Destiny・2023・米)みたい。

 今回は警察官ではない普通の探偵という身分だから、銃を持っていない。それをどうやって銃撃戦をやらせるのか。スピルバーグの「JAWS/ジョーズ」(Jaws・1975・)のように、焦らせて焦らせて、観客の誰もが彼らに銃をやれ、彼らに撃たせろ、という気持ちが募ってきたところで、掟破り的手法で銃が! でも観客誰もが待っていたから、まったくOK。こうでなきゃ「あぶデカ」じゃない。疾走するバイクからポンプ・ショットガンを手離し運転で連射しなきゃ。場内は拍手が巻き起こらんばかりの盛り上がり。すごいなあ。

 銃は、お約束の1911オート、ピストル・グリップのポンプ・ショットガン(M31?)、S&WのM10 2インチ・リボルバーに加えて、横浜港署の刑事たちはグロック、殺し屋たちはマイクロ・ウージーにP226らしいオート、ボスはベレッタ92のシルバー。ほかにPPK、上下二連ショットガン、回想シーンで大ボスがP08、も登場。もちろんガン・エフェクトはBIG SHOT。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は25分前に劇場全体がオープン。16〜17分前に開場。観客層はもちろん中高年。多くの人はTVシリーズからのファンだろう。最初30人くらいいて、女性は5〜6人。そんな比率で、最終的には184席に6.5割くらいの入り。早朝で、他のスクリーンでもやっていて(近くの別の劇場でもやっていて)、次の回には舞台挨拶の中継がある(完売!)にもかかわらず、この入りはさすがというところだろう。今後も伸びそうな気がする。

 10分くらい前からシネマ・チャンネルが流れ、それが終わって半暗になり、非常口ランプが消え、予告へ。ラストに『僕のヒーローアカデミア』のマナー、忘れ物注意、で映写機のマスクが左右に広がり、フルのシネスコになり、足元注意、映画泥棒、映倫のあと、東宝の劇場で波が砕ける東映のロゴが出て、本編へ。


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