2024年6月16日(日)「ブルー きみは大丈夫」

IF・2024・米/加・1時間44分

日本語字幕:丸ゴシック体下、牧野琴子/ビスタ・サイズ(ARRI。IMDbでは1.85、Arri Alexa 65)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1、ドルビー・デジタル、D-Cinema 96kHz 7.1、Auro 11.1、12-Trackデジタル・サウンドも)
(米PG指定、加G指定)(日本語吹替版もあり)

公式サイト
https://blue-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

84点

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 子供向けのおとぎ話かと思ったら、大人向けのファンタジーだった。特に酷い悪党もおらず、楽しくて、優しくて、ほっこりして、心温まる寓話だった。面白かった。そして感動して、ちょっと涙が……。ただ、アメリカでの評価はそこまでではなく、IMDbでは6.7点という評価。ボクには響いて、グッときた。面白かった。おばあちゃんのバレエ、最高!

 本作が成功作だとしたら、その大きな要因の1つは、主演を務めた少女、ケイリー・フレミングのかわいらしさと理知的な感じを合わせ持つ、そのキャラクターの良さだろう。そして脚本の見事さ、演出の見事さがそれを際立たせている。雰囲気としては「トイ・ストーリー」(Toy Story・1995・米)や「モンスターズ・インク」(Monsters, Inc.・2001・米)とよく似ている感じ。それらを実写化したような。

 監督、脚本、製作、出演と4役を兼ねたのはジョン・クラシンスキー。エミリー・ブラントの旦那さんで、結構いろんな作品に出ている俳優さん。アニメの声優もやっている。その1つが「モンスターズ・ユニバーシティ」(Monsters University・2013・米/日)。監督としては「クワイエット・プレイス」(A Quiet Place・2018・米)が有名。サスペンス・ホラーなので本作とはだいぶ趣が異なるが、どちらも脚本も兼ねている。やっぱり才能のある人なのだろう。

 興味深いのは声のキャストで、クマのぬいぐるみのようなボス、ルイスがルイス・ゴセット・Jr(2024年3月29日に亡くなっていて、本作はラストにルイス・ゴセット・Jrに捧ぐと出る)、もふもふの「モンスターズ・インク」のサリーみたいなブルーがスティーヴ・カレル、タコがライアン・レイノルズの妻のブレイク・ライブリー、アイ・マスクの柄の悪い犬(?)がサム・ロックウェル、コップの中の氷がブラッドリー・クーパー、ユニコーンがエミリー・ブラント、宇宙飛行士がジョージ・クルーニー、ひまわりみたいな花がマット・デイモン、そしてセリフはなかった気がするが、見えなくて皆がつまずくキースがブラッド・ピット……などなど、ほかにもまだたくさんIFの声をやっているまさに夢の、想像のキャラクターたち。

 ちなみに、製作(プロデューサー)の1人がライアン・レイノルズ。

 公開3日目の初回、日比谷の劇場は15〜16分前に開場。観客層はほぼ中高年で、女性の方がやや若め。だいたい映画を良く見る層と重なる。最初女性が少なく、10ほどいて女性は3人。マスクをしている人も3人。ラストには女性が増えて、4.5対5.5くらいの比率に逆転。最終的には8席×2列のP席を含む249席に40〜50人くらいの入り。P席には1人か2人が座った。小さな子供を2人連れたファミリーが1組いたが、案の定、字幕が読めなかったためか子供がぐずりだして、途中で出たり入ったり。予想が付くと思うんだけどなあ。もちろんもっと入ってもいい作品だと思う。日本語吹替版もあるが、特に大人に楽しんでほしい気がする。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になり、CM、非常口案内でランプが消え、ちびゴジラの予告。ラストにアニメ「ヒロアカ」のマナー、忘れ物注意で暗くなり、足元注意、枠付きの映画泥棒、映倫と続き、映写機の左右マスクのまま、TOWAのロゴから始まる本編へ。パラマウントの山に星のロゴが子供の手描きのようになっているところが素敵。冒頭のタイトルは、一家のホーム・ビデオというような構成。担当したのはピクチャー・ミルらしい。


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