アクション満載で、お金も掛かっているが、とにかく手間が掛かったであろう映画。スタント愛も満載。優秀なスタント・ピープルがいてくれるおかげで、面白いアクション映画が作れると。その辺はよく伝わってくる。ただ、個々の場面やシーンはとても良いのだが、全体のリズムというか、テンポというか、バランスが良くない感じ。話もわかりにくいし、なかなかノレない。スタント・ガイと彼女のどうでもいいような話がだらだら続いたり、想像の世界が混じってきたりして、あまり笑えないギャグも満載で、どこまでが現実なのか良くわからない。途中、薬でハイになったりもするし……。 本作は、TVドラマ「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」(The Fall Guy・1981〜1986・米)のリメイクというか、映画化だそう。そんなところから、ラストにTV版で主役のコルト・シーバースを演じたリー・メジャースと、ジョディ・バンクス役のヘザー・トーマスが警察官らしい役で登場している。 銃は、ベナム戦争らしい映画の撮影現場でM16、ボディガードというか民間軍事会社らしい男たちの1人がケルテックKSGショットガン、M4カービン、ラストの方で女性P(プロデューサー)がS&WのM686、6インチくらいのPPCカスタムのようなリボルバーを使う。 銃声などはサラウンドでよく回っていたものの、ATMOS上映がどれほどの効果があったかは良くわからない。通常上映で充分という気はした。IMAXなら楽しめるのかもしれない。 物語の展開の中で、特にフィーチャーされていたのが、コミコンの大ホールと、「特捜刑事マイアミ・バイス」(1984〜1989)のスタント・スタッフ・ジャンパー、スタント・ピープルのあるあるなのかサムズ・アップなど。繰り返し出てくる。大きな意味があるのだろうか。すぐ股間にかみつくジャン・クロードというフランス語しか通じない犬と、ラストのジェイソン・モモアには笑ったが。 監督はデヴッド・リーチ。多くのアクション映画の製作や監督を手がけている人。製作では「ジョン・ウィック」(John Wick・2014・米)シリーズ、「Mr.ノーバディ」(Nobody・2021・米/日/中)、「バイオレント・ナイト」(Violent Night・2022・米/加/日)などがあり、監督作品では「アトミック・ブロンド」(Atomic Blonde・2017・米/スウェーデン/ハンガリー)、「デッドプール2」(Deadpool 2・2018・米/加)、「ブレット・トレイン」(Bullet Train・2022・米/日)などがある。もともとはTVのスタント・ピープルだったそうで、IMDbには1995年から記録がある。そして2014年の「ジョン・ウィック」からプロデューサーとしても注目されるようになったらしい。ほぼ、どれも好きな作品ばかり。 監督のデヴッド・リーチと主演のライアン・ゴスリングがプロデューサーも務めていて、脚本家が製作総指揮を務めている。 ドカン、ドカンと爆発があって、締めくくりは、もちろんキス。ラスト、珍しく「the END」と出て、すぐにロールへ。そのとき「スタントマンの歌」とともに流れる小さな画面のメイキングもまたスゴイ。 オープニング・クレジットは、たくさんの文字が出てそこから人名が残るオシャレな見せ方。タイトルのプロデューサーは、よく名を聞くフィルモグラフの人で、担当したのはたぶんアンテナ・クリエイトというところ。 公開3日目のTCX、ATMOS上映初回、日本橋の劇場は16〜17分前に開場。観客層は若い人から高齢者まで幅広かったものの、メインは中年層という感じ。女性は3.5割くらい。最終的には290席に3割強くらいの入り。まあこんなものか。11席×2列のP席には10人くらいが座った。こちらは意外。 シネマ・チャンネルのあと、半暗というかほぼ暗くなりCM。非常口ランプが消えるとちびゴジラの予告。ラストにマナー、忘れ物注意で暗くなり、TCXデモ、ドルビーATMOSの音そのままで絵が葉っぱになったバージョン、足元注意、映画泥棒、映倫で、ユニバーサル作品と出て、TOWAロゴのあと曲が流れ、地球のユニバーサル・ロゴから始まる本編へ。 |