これは…… サバイバルでもないし、スリラーとかホラーでもない。まして人類への警鐘などという高尚なものでもなく、ボクには単なる脅し映画にしか思えなかった。いま何もしないでいると、近いうちにこうなるぞ、こういう悲劇が起こるぞ、と。お金を払って、脅されるというのもどうかと。すでにわかっていることでもあり、今さらという感じでもあり、不快で、退屈。99分が長い。眠かった。IMDbでは5.1点の低評価。 いよいよコロナ禍で公開する作品が少なくなって、こんな作品まで劇場公開するようになったかという印象。普段だったら、ビデオ・ストレートと言われるような作品が劇場公開されるとは。 強く印象に残るのは、とにかくまともな人間がいないということ。登場人物はすべてイヤなヤツばかり。1人として感情移入できない。フランス人だからなのか、ヨーロッパ人だからなのか、自己主張ばかりが強くて、身勝手。助け合おうとかいう気はなくて、自分と家族さえ生き残れれば良いと。しかも暴力的。自分の主張が通らないと、手を出す。男も女も関係ない。そんな人間関係を99分の間ずっと見せられる。終わったら、すぐに出ていく人の多かったこと。 本作は、監督・脚本のジュスト・フィリッポという人の2018年の18分という同名短編の劇場長編化作品なんだとか。短編は見ていないが、それで完結していたものを無理に長編にリメイクするとこうなるという良い実例かもしれない。 銃は、ベルギー軍らしい部隊がFNのFNCのような銃(あるいはFN SCAR?)を携帯していた。チラッとだったのでボルト・ハンドルが印象に残って……。 公開2日目の初回、池袋の劇場は14、15分に開場。観客層は中高年の高寄り。女性も高寄りで3割ほど。最終的には119席に30人くらいの入り。これ以上増えることもないだろうし、早めに終了かなあ。 初日から上映はどこも小さなスクリーンばかり。そこからある程度予想はできたので、ポイント鑑賞にしておいて良かった。お金を払っていたら余計にガッカリしたろうなあ。 10分前くらいからシネマ・チャンネル。終わって半暗になり、CM。非常口案内からランプが消えて、轟音シアターとプレミアム・シアターの案内に続いて予告。ラストにマナー、忘れ物注意で暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズで足元注意。迫力の映画泥棒、映倫で、各社のロゴの後、黒い画面にデモらしい音声が被さってくる本編へ。 |