ちょっと笑ったが、どこか心から笑えない感じ。たぶん1つには、登場する男キャラのほとんどが問題ありで、どうにも好きになれない。気に障る。だから初めから終わりまで、どこかイライラさせられる。全体の雰囲気としては、やっぱり舞台劇のような印象。1つの場所に入れ替わり立ち替わり人が入ってくる。それを1カットのように動き回るカメラで捉えているものの、舞台劇かなあと。 おおむねオチは予想できるので、メインのお楽しみは会話劇という部分になるのだろう。とにかく個性的なキャラクターばかり。ただ男たちはいけ好かない。素晴らしいのは、2人しか出てこない女子たち。もちろんタイトル・ロールを演じる長澤まさみは瞬時に5つのキャラクターを演じ分けて見せて、素晴らしい。まるで多重人格のよう。最もおかしかったのは、ほとんどそのままの容姿で堂々と中学生として出てきたところ。それだけで笑ってしまった。 しかし、予想外というと申し訳ないが、宮澤エマもまた五変化に近い演じ分けで、これがうまい。気を遣ったのか、監督の指示なのか、長澤まさみより目立たない範囲で押さえてうまい。こんなにうまい人だったんだ。 男のキャラクターでは、我が儘な詩人の寒川の世話をする出版社の男、乙骨を演じた戸塚純貴が強く印象に残る。特にギャグとかやっていないのにコミカルで、笑える。 曲では、ラストの「ヘルシンキ」が耳に残る。見終わった後もしばらく頭の中で流れていた。「ヘルシンキ、ヘルシンキ……」 銃は、サバゲ・シーンで東京マルイの(たぶん)電動M4が登場。ただ、勢いとは言え、空に向けて撃ちまくるなんて! 公開10日目の初回、日本橋の劇場はちょっと前に着いたらロビーが若い女性で大混乱。入場の列と、飲食物を買う列がごっちゃになってカオス状態。どうもアニメ版「るろうに剣心」のイベント上映があったらしい。びっくり。開場すると、ウソのように人がいなくなった。こちらは19分くらい前に開場。観客層のメインはオバさん。若い人から中年層が多く、高齢者は少なめ。男女比は、やはり女性が多く、3対7くらい。下は母に連れられた10歳くらいの女の子。最終的には213席に8割くらいの入り。まあ、こんなものか。 10分前くらいから始まったシネマ・チャンネルのあと、案内から予告。途中で半暗になり、CM、予告。ラストに公開中の「侍タイムスリッパー」の予告があって、新しいマナー、忘れ物注意、エルメスのCMで暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズで足元注意、映画泥棒、映倫ときて、TOHOロゴとフジテレビ・ロゴから始まる本編へ。 ここの劇場では座面にエアウィーブが追加されていた。座り心地が柔らかくなった感じ。ただ、気持ち座高は高くなる。 本作も、なぜか冒頭のタイトル後のお屋敷に入るまでの画質が酷かった。わざと8mmフィルムで撮ったのかと思ったら、室内になったら今らしい高画質に。特に意味はなかったと思うのだが、それにしてもなぜ? デジタル合成などもなかったと思うのだが。 |