面白かった。気持ちの良いどんでん返しムービー。ラストには、しっかり「そうだったのね」と納得。しかも「やってやった」という達成感というかカタルシスも味わえる。スッキリ、爽快! ただ、惜しいことに、この面白い作品はオリジナルではなく、韓国のTVドラマ「元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜」(SQUAD 38・2016・韓)のリメイクなんだと。雰囲気としては「オーシャンズ11」(Ocean's Eleven・2001・米)とかの詐欺系映画と一緒。「スティング」(Sting・1973・米)だと言い過ぎか。 とにかく良かったのは、倒すべき敵である悪が、徹底的に悪いこと。観客までもが自身のことのように憎らしいと感じてしまうほど、イヤなヤツ。キャラクーの設計も素晴らしいし、なにより演じた小澤征悦が素晴らしい。概して出演者は皆素晴らしいが、意外なところでは、司法書士役の神野三鈴が良かった。特にラスト、まったく雰囲気が変わる。役者だなあ。あえて言うと、主人公の内野聖陽はちょっとトゥー・マッチだったかもしれない。 ちょっと気になったのは絵作り。なんだか古い映画のよう。画質というか解像度は決して低くないのだが、色調がビデオ的なのか、フィルム調なのか、とにかくちょっと黄ばんだ感じ。ノスタルジックである必要もないと思うが、演出であえてこうしているのか。エンド・クレジットにカラリストがあったので、色調整しているわけで、コミカルな感じを出そうとしたのか、よくわからない。 また、最近の傾向か、タイトルが出るのまでのアバンが長い。詐欺を仕掛ける動機となる一連の出来事が終わって、ようやくタイトル。30分くらいが過ぎたような印象。タイトルは出ないものと思っていたころドーンと出る。ここから本題ということだろうか。 公開3日目の初回、新宿の劇場は早朝スタートだったからか、15分前に劇場が開いて、10分前くらいには開場。すぐトイレに行ったのだが、出てきたらすでに開場していた。しかも舞台挨拶でもあるのか、ロビーは多くの人で大混乱。どうにか入場し、場内に入るとすでに案内とかCMが始まっていた。その時点ではまだ10人くらい。もう少し早めに開けて、入場もせめて15分くらい前にして欲しいなあ。新作のチラシを見ることもできず、ましてドリンクやスナックを買う時間なんてない。しかも新システムで、機械でオーダーしてから、カウンターに並ぶようで、ちょっとわかりにくい。パパッと買うなんて無理。 観客層はやっぱり中高年で、男女比は6対4でちょっと男性が多い感じ。最終的には232席に4.5割くらいの入り。早朝としては良い方では。 スクリーンはフルのシネスコで開いていて、案内、CM、予告のあと、映写機のマスクが左右に広がってフルサイズへ。暗くなって、各社のロゴが出て、黒い画面に足音が響くオープニングへ。 |