大変な手間と高額な予算を掛けて丁寧に作り上げられたアクション・エンターテインメント巨編にして、コテコテのインド映画。171分、タップリ楽しめる。 超人的なスーパー・ヒーローが人々を救うために悪と戦う。とことん悪い悪党と、たくさんの美女、そして歌と華麗で豪華なダンス=群舞。お約束ごとは全部入れ、さらには珍しく強いメッセージ「選挙でよく考えて投票しないと、政府がとんでもないことになる」というようなことまで盛り込んだ。メッセージは今さらちょっと気恥ずかしいくらいのものだが、今のインドでは大事なことなんだろうし、そのまま日本でも当てはまる感じはする。素直でまっすぐなので、ちゃんと伝わってくるのだろう。 インド映画なので、ここぞというところではスロー・モーションになり、なぜか風が吹いて、髪がたなびく。特に女性は長い髪が艶めかしい。主人公は筋肉ムキムキ。決めるときには濃いサングラス! 期待は裏切らない。悪徳政治家がみなポッチャリなのは狙いだろうか。 いろんな映画へのオマージュも盛り込まれているようで、主人公が顔に着けるマスクは「オペラ座の怪人」みたいだし、ロシアの怪しげなボスはバットマン映画「ダークナイトライジング」のトム・ハーディが演じた敵役ベインみたいだし、バイクで出動するところは「ワイルド7」みたい。そして「ライオンキングのムファサだ」というようなセリフもある。アバン・タイトルでは「七人の侍」的な野武士(軍人になっているが)の村襲撃が描かれているし。そういえば劇中「ブーフバリ」とか言ってなかったかなあ。 銃は、電着系のプロップメガンも多数混じっていたようで、メインでよく出てくるのはUZIをカービン風にしたもの。たしか薬莢は飛んでいなかったと思う。ほかにもAKらしいもの、M16らしいもの、P08風ピストル、グロック風ピストル、L96系スナイパー・ライフル、M4系カービン、モスバーグらしいショットガン、PK/PKMあてりのマシンガン、ベレッタ92系のシルバー、ミニガン、バレットM82/M107系のスナイパー・ライフルなどなど。セリフ(字幕)では欠陥で不発になる銃を「MI436式小銃」と呼んでいた。ほかに、エキストラ用のあきらかにゴム銃(樹脂製)とわかるプロップも。 公開2日目の初回、新宿の劇場は10分前くらいに開場。すぐに入場したが、すでに案内は始まっていた。もうちょっと早く開けて欲しいなあ。観客層は中高年がメインで、男女比は半々ほど。最終的には232席に3〜3.5割くらいの入り。まあ、こんなものか。 スクリーンはシネスコで開いており、案内・CM・予告の後、映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズで忍たまのマナー、TWINのロゴから始まる本編へ。インド映画のパターンで、最初に文字で「DISCRAMER(免責事項)」の英語とタミル語(?)が画面が出る。なんか言い訳みたいで、どうにも…… 来場者プレゼントで、ポスト・カードをもらった。 |