面白かった。笑った。ただ、印象としては同じ福田雄一監督・脚本の「銀魂」(2017・日)シリーズとそっくり。ギャグ(お笑い)とシリアスなファンタジーの組み合わせ。融合というところまで行っているのかどうかは、見る人によって違うだろう。割合としてはギャグ=6、シリアス=4というところだろうか。人によってはギャグが多すぎるというかもしれない。そういう人にはこの映画の評価は低めになると思う。ある意味、漫才的というかコント的。ボケに対して、ツッコミを入れていくというパターン。ボク的にはちゃんと笑えたしセーフ。楽しめた。 お気軽作品的には不釣り合いなくらい豪華でリアルな3D-CG。ハリウッド並みで、何ら遜色ない感じ。ひょっとしたらアカデミー賞を受賞した「ゴジラ-1.0」(2023・日)の3D-CGよりレベルが高いくらいの感じ。 実際に戦う前に頭の中でシミュレーションしてみるという演出は、ハリウッド映画で良く見た気がする。デンゼル・ワシントンの「イコライザー」(The Equalizer・2014・米)でもあった気がするし、ガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」(Sherlock Holmes・2009・米/独)もそうだったのではなかったか。まあ演出手法としてたくさんの映画で使われている。それらアクション映画へのオマージュということだろう。 たくさん盛り込まれたギャグはちゃんと笑える。アドリブもおおかったに違いない。役者さんたちがマジ笑いしているようなカットもいくつかあった。この辺も「銀魂」などと同じ。こっちもつられて笑ってしまう。山阜ォ人と、隣人大野を演じたムロツヨシとの「えっ?」の応酬には笑った。 予告の時点では気になった、主役の山阜ォ人が高校生に見えない問題は、冒頭に上司に当たる中忍の加藤(間宮祥太朗)から高校への潜入を命じられるシーンで「オレ25ですよ」「大丈夫、問題ない」で解決されてしまう。実に不思議だが、これで以後、気にしなくなってしまう。まあ、山阜ォ人は1994年生まれというから30歳なのに若く見えるし。 無表情に徹した山阜ォ人はもちろん良いが、あまり頭の出来の良くない高校生役の浜辺美波がピッタリハマっている気がして良かった。「六人の嘘つきな大学生」(2024・日)もハマっている気がしたが、本作はもっとピッタリ。印象に残ったのは、いじめられっ子の瑛太を演じた坂口涼太郎。シンガー・ソング・ライターで、ダンサーで俳優でもあるらしいが、本作ではまるで芸人さんのよう。存在感が凄い。そして同じアパートの住人、川戸愛を演じた木南晴夏も良かったが、ロゴを消した一眼レフを持つカメラ女子も良かった。ただ役名を忘れ、役者さんの名もわからない。公式サイトにも載ってないし……。 冒頭に登場する特殊部隊の銃はM4系のカービン。そして外国人らしい忍者が使っていたのが折りたたみ式のデリンジャーのような銃。実銃を模したとすると、LifeCardという.22口径の変装銃というか変形銃が近いかも。銃器特殊効果はどこが担当したのかわからなかったが、凄く良くできていて、超本気のプロップなんだろうなと。そういえばチャンバラも、ちゃんと血が飛んでいたなあ。 まだ公開10日目なのに、すでに小さいスクリーンでの上映が多くなっていた。東宝の映画にも関わらず松竹系の劇場の方がスクリーンが大きく、そちらをチョイス。新宿の劇場の早朝初回は、劇場が開いて7〜8分で開場。トイレに行って、チケットを発券するのでやっと。ドリンクなど買っている間もない。入るとすでに案内と予告が始まっていた。もっと余裕を持って開けて欲しいなあ。 観客層は若い人が多いかと思いきや、やっぱり中高年がメイン。小学生くらいの男の子を連れたお父さんもいたが、その1組のみ。男女比は最初半々くらいだったが、少し女性が増えて4.5対5.5くらいに。そして場内が暗くなった時点で、287席に20人くらいの入り。早朝だからなあ。でも、もっと入っていい映画だと思う。 スクリーンはシネスコのフル・サイズで開いていて、左右マスクの案内と予告の途中で半暗になり、CMと案内から、枠付きの映画泥棒、映倫から再び予告。ラストに暗くなって、映写機のマスクが少し左右に広がり(1.66から1.85?)、アニメつむぱぱのマナーに続いて、東宝のロゴから始まる本編へ。 |