スケールの大きな、映画らしいディザスター・ムービー。しかもそこに軍の極秘動物兵器プロジェクト「プロジェクト・サイレンス」が巻き込まれ、政治家による政治的判断というものが関わってくると言う韓国らしい仕掛け。主要キャストの人間ドラマと、群像劇的な味付けで映画に深みを与えている。 デジタルのSFXもふんだんに使われているが、橋のセットもかなり作り込まれているようで、お金も掛かっている。たぶん日本では作らない、作れない作品ではないかと。「ゴジラ-1.0」(2023・日)は撮れるんだけどなあ。 ただ、ほぼすべての登場人物のキャラクターが、どうにもよろしくない感じ。いけ好かない。しかも一貫性もない感じ。主人公は最初の方と後の方で人が変わっていない? 若いキャラクターでもないし、この事件によって成長したというのとは違うと思う。こういう映画は、観客が自分も登場人物たちと一緒に脱出している気分になるとか、誰かに感情移入して応援するように見てくれないと失敗だろう。キャラクターのおかげで、どちらも難しいかな……。 主役の青瓦台こと、国家安全室の役人チャ・ジョンウン(?)を演じたイ・ソンギュンは「パラサイト 半地下の家族」(Parasite・2019・韓)で立派な家の主人を演じていた人。惜しくも2023年12月に亡くなったそうで、エンド・クレジットの最後に「イ・ソンギュンに捧ぐ」と出る。良いキャラそうで、二枚目で、まだ若いのに……。 1人娘も酷いキャラだが、もっとも酷いキャラは、レッカーこと、レッカー・ドライバーのチャラ男、チョバク。演じたのはチュ・ジフン。ホントはもっと二枚目で、「神と共に 第一章:罪と罰」(Along With the Gods: The Two Worlds・2017・韓)シリーズの使者役とかカッコよかったのに、こんなになるとは。 銃は、軍の兵士がMP5を使用。 公開3日目の字幕版初回は14時近くのスタート。吹替版の方がメインなのか、朝からやっているのは吹替版のみ。しかたなく午後を選択。12,13分前に開場。観客層は若い人から中高年まで割りと幅広く、男女比は4.5対5.5くらいで女性の方がやや多め。そして女性の方がちょっと若め。下は小学生くらいの男の子を連れたファミリーが1組。最終的には226席に5.5〜6割くらいの入り。 7,8分前から案内が流れ、続いて予告。途中で非常口案内があって、ほぼ暗になりCM。再び予告になって、最後にマナーから映写機のマスクが左右に広がってフルのシネスコで映画泥棒、映倫で完全に暗くなってハピネットのロゴから始まる本編へ。 |