うむむ…… 怖くない。悪魔の話なので、アメリカというかキリスト教圏などでは怖いのだろうが、日本人的にはいまひとつピンとこない。不気味ではあるけれど、むしろ気持ち悪い。血しぶきが飛び、流れる血はどす黒くドロリとしていて、超リアルだが、怖くはない。そして、例によって時間軸をバラバラにしてわかりにくしていることと、思わせぶりなエピソードばかりで構成されているので、物語が進んでも一向に訳がわからない。最後の最後で種明かしされて話がつながると。それも、そうだったのか、というより、できすぎというか作りすぎじゃないのという感じ。 スゴいと思ったのは、特殊メイクで誰だかわからなかったニコラス・ケイジ。最初出てきたときは老婆だと思ったくらい。異常な感じが実によく出ていた。しかもリアル。鬼気迫るモノがあった。ホンモノのような迫力と怖さ。怖いといえばここか。これを見る限りはB級の帝王的な感じはしない。超一流という感じ。 同じくらい良かったのは、主演のマイカ・モンロー。あまり表情のない天才的変人、FBI捜査官のリー・ハーカーを実に見事に演じた。ミドル・エイジの等身大に見えたが、考えてみたら、「神は銃弾」(God Is a Bullet・2023・米)でヒロインを演じていた人。あれではハイティーンか20歳くらいに見えた。さすが俳優だなあと。実年齢は、1993年生まれというから32歳だ。 銃は、主人公がたぶんP226を使用。家に備えられているのは銃身の長い水平二連ショットガン。ラスト、主人公が使うリボルバーは3インチくらいに見えたので、M13 FBIスペシャルだったかもしれない。 公開10日目の初回、新宿の劇場は10分前に開場。すぐにエスカレーターで上がったが、すでに案内と予告を上映中。最初に着いても間に合わないって、誰のために上映しているんだろう。観客層は若い人から中高年まで割りと幅広く、意外に若い人が多め。最初20人くらいいて、女性は6〜7人。女性は男性より若め。最終的には232席にたぶん40人くらいの入り。日曜でこの入りは…… この感じだとしようがないかな。 スクリーンはシネスコ・フルで開いていて、左右マスクの案内と予告の途中で半暗というかほぼ暗くなり、CM。そのあと枠付きの映画泥棒、映倫から音が大きくなって本予告。ラストに暗くなって、映写機のマスクが左右に広がり、つむぱぱのマナー、SHOCHIKUのオーロラ風のロゴから始まる本編へ。 |