ファンタジーでありながら、割とシリアスで、そこにちょいちょいギャグが入って、オールディーズな感じの曲が流れる過激なバイオレンスのハード・アクション。つまりは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(Guardians of the Galaxy・2014・米/英)テイストなスーパーマン。これまでの映画のスーパーマンとはちょいと違うので、そこがノレないという人もいるかもしれない。ボクは面白かったし、楽しめた。ただ、ちょっとだが、お子様向きというか、マンガというか、幼稚?に感じるような部分もあって、そこはいかがなものかと。 良かったのは、主人公のキャラクター。とてもナイスガイ。それまでヒーローと持ち上げていたくせに、ちょっと侵略者だという噂が流れただけで空き缶を投げつけたり、罵倒したりする一般大衆に怒ったりやり返したりすることなく、すべての人(ときにはリスさえも)を守るため戦い続ける。それがウソくさく見えないところがスゴイ。この人ならそうだろうと。演じたのはデイビッド・コレンスウェットという人。ひねりの利いた竜巻映画「ツイスターズ」(Twisters・2024・米)に出ていたらしいが、まったく記憶にない。今後注目かもしれないが、スーパーマンのイメージが強すぎると、それがかえって足かせになるかも。 面白かったのはグリーン・ランタンを演じたネイサン・フィリオン。TVドラマの「キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き」(Castle・2009〜2016・米)で主役のキャッスルを演じていた人。ほかにも、スーパーマンのお世話をするロボットたちが、たぶん3D-CGなのだと思うが、声がわりと有名な人たちがやっていてビックリ。たとえば、「ヘンリー」(Henry: Portrait of a Serial Killer・1986・米)で殺人鬼を演じたマイケル・ルーカーとか、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」(Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One・2023・米)と「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」(Mission: Impossible - The Final Reckoning・2025・英/米)の冷徹な女殺し屋を演じたポム・クレメンティエフとか。もちろんというか、2人とも「カーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に出ている(ポムは2と3)。さらには、スーパーマンの実の父親がブラッドリー・クーパーだったり。えっ、私設の軍隊のスーツ姿の男はウルトラマン? 銃は、軍がM4カービン。ロシアン・ルーレットに使うのはシルバーのSAAの5-1/2。 公開11日目のドルビーシネマ上映初回、銀座の劇場は30分前にエレベーターが動き出し、20分前くらいに開場。観客層は、高価なこともあるし、やっぱり中高年がメイン。男女比は、女性が3割ほどという感じ。最終的には255席に50〜60人くらいの入り。若い男性は2人ほどいたか。特殊な上映とはいえ、ちょっと少ないような気も。 スクリーンはフルのシネスコで開いていて、劇場名とドルビーシネマのロゴ。時間になってCM。終わって半暗になり予告。途中、枠付きの映画泥棒と映倫をはさんんで、ラストにアニメ「不思議の国でアリスと」のマナー。暗くなって(ほとんど真っ暗)、左右マスクのドルビーシネマの日本語によるデモ。終わって本編へ。 ドルビーシネマはイスの前幅が広く、人が通りやすく足も伸ばしやすい。しかも左右隣の席との間も広めでそれぞれの肘掛けがあるので快適。音は確かにイイ。クリアでキレが良くて、パンチがある感じ。特に重低音は素晴らしい。ただ映像となると、ボクらのレベルではわかりにくい。デモで「これは黒ではありません。これが黒です」とやられた時は、まさに衝撃的だったが、違いは、比べて指摘されればわかるというレベル。しかも昭和な劇場ならまだしも、新しく作られたシネコン系の劇場はスクリーンも明るく、上映機器も新しいので、そこまでの違いがわかりにくい。+700円の価値があるかといわれると‥‥ ちょっと難しいかな。 |