予告から、興味は「たった1つのシチュエーションで、どうやって映画をもたせるのか」と、「ゲームをどう物語にするのか」の2点にあった。ボクは原作ゲームを知らないが、見終わって、そういうふうに展開させるかと驚かされ、自分も一緒にループを抜け出そうとしているような気分になり、焦りとか不安を感じ、まさか夢落ちとか想像世界の話じゃないよなと疑いながらも、結末はボク的には納得できた。こういうパターンの物語の結末は細かく説明せず、これくらいの大ざっぱな描き方が良いのではないだろうか。とはいえ、納得できない人もいるかもしれない。この辺で評価は分かれそう。 最初はニノのひとり芝居かと思ったが、別パートの別主人公もいて、登場人物を増やしている。中でも、河内大和演じるオジサン=歩く男の怖さがスゴイ。無表情パワーのとんでもない破壊力。しかも各パートがちゃんとつながっている。 細かいネタもいっぱい仕込まれていて、最初にニノがケータイで見ていた映像(異変?)が、のちにループ迷路で出てきたり(だから夢落ちかと思ってしまう)。ビデオ・パッケージ化されたら、それらを探すのも楽しいかもしれない。そもそも8は無限のマークと似ていて、案内板に八本木交差点とかあって、タイトルバックの曲はループが有名な「ボレロ」で‥‥ 泥水のシーンは「シャイニング」(The Shining・1980・英/米)みたいな‥‥ 気になるところもあって、冒頭の主観、POVシーンでぜんそくの薬とかイヤーポッドを両手で持ったりして、スマホはどこにやったのか(ポケット?)とか、かんしゃくを起こしてバックパックを床に投げつけるなんてバカなことをしながら拾いもせず、ぜんそくの薬はどうしたのかとか、スマホも捨てたのかと思ったら持ってて‥‥ 終わりの頃には咳もしていないけど。 とにかく驚かされるのは、どうやって撮影したのだろうということ。この迷路はセット? まるで本物の地下鉄の地下通路そのものにしか見えない。特に壁の床近くの汚れがリアル。しかもそれをほとんどつなぎ目なく、ワン・カットのように見せている。一体どうやって撮った何だろう。編集も絶妙。 それと、電車の迷惑男を注意するとか止めるというのは、なかなかできないなあと。今どきは殺傷事件にまで発展することもあるし、目が合っただけで怒りの対象になりかねないことも。それを言われても‥‥。よほどのことがないと行動は起こせない。もう少し別の例にして欲しかった。 公開2日目の初回、日比谷の劇場は30分前にオープン。25分くらい前に着いたら、すでに開場していた。座席の状況は白表示で、余裕あり。観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比は5.5対4.5くらいで、ちょっと男性が多いかなというくらい。P席がメインのプレミアム・スクリーンは、中央の10席×4列のP席とその前の10席×1列のDX席があり、P席は1〜2席空いていた気がするがほぼ埋まり、DX席は3〜4席が埋まったと思う。一般席は8.5割くらい埋まった感じ。 10分くらい前からシネマ・チャンネル。終わって半暗になり、CM、非常口案内から予告。マナーで暗くなり、足元注意、映写機の左右マスクにもう少し左右マスクが付き、枠付きの映画泥棒、映倫、忘れ物注意で、東宝のロゴから始まる本編へ。 エンド・クレジットには、脚本協力で二宮和也とあり、確か東京メトロの名もあった。 |