沖縄の戦後を描いた物語。まったくボクは沖縄のことを知らなかったことに気付かされた。せいぜい戦中、本土を守るための捨て石とされ、一般市民も巻き込み、学徒動員まで行った地上戦が展開され、市民は投降することさえ許されず、自決を強要されたというくらい。それも上辺をさらりとだけ。その後の沖縄がどうなっていたか、1952年から沖縄返還の前年となる1971年のコザ暴動までを描く。強烈なドラマ。こんなことがあったとは。エンド・クレジットでは実際の写真も出て、時代背景としては本当にあったことなんだと。衝撃。何も知らなかったことも衝撃。 同じようなことは、北海道にも言えるのかも。アイヌ民族のこともほとんど知らない。かろうじて「ゴールデンカムイ」(2024・日)でちょっと興味が湧いたくらい。結局は自分が住んでいるところ以外(住んでいるところさえも)、よくは知らないのだと。 劇中「いつか平和になる時が来る。20年後30年後を信じて生きよう」というようなことが語られるが、現在もアメリカ軍の航空機が学校に墜落したり、アメリカ兵による交通事故、婦女暴行事件は起きている。沖縄返還からだって50年以上経っているというのに‥‥。沖縄では若者の荒っぽい事件も結構起きているなあと思っていたら、こういうことが背景にあったのかもしれない。 全体はセピア調で、ちょっと「ALWAYS 三丁目の夕日」的な部分もあったが、基本リアルで暴力満載。全編にわたりだいたいみんな怒鳴っている。しかも沖縄の方言、イントネーションだから、セリフの半分くらい?が聞き取れず、あまりよくわからなかった。 ただ、いかんせん、長い。感情的な部分を描くにはこうせざるを得なかったのだろうが、長い。集中が切れるようなことはないものの、トイレ対策は必須。そしてケツが痛くなる。3時間超えで休憩なしだもんなあ。「七人の侍」(1954・日)は3時間27分で、リバイバル上映でもちゃんと15分くらいのインターミッションがあったけど。 印象に残ったのは、昔のグループのリーダー、永山瑛太演じるオンの爽やかな笑顔。そしてその弟レイを演じた窪田正孝のヤクザっぽい雰囲気とねじれた感じが絶妙だったこと。リアルすぎて怖いくらい。 時代感はよく出ていて、街や車、ファッション、そしてタバコもよく出てきていた。軍のトラックやジープも当時のものらしく見えた。壊した車はダミーというか、それように作ったものだろうか。タバコは、吸わない俳優さんは大変だろうなと。 銃は、アメリカ軍がM3グリスガン、M1カービン、1911オート、そして後半になってM16(たぶんフォワード・アシストはなかったと思う)などを使用。銃器特殊効果はビッグショット。 公開2日目の初回、新宿の劇場は30分前にオープン。そして25分くらい前に早くも開場。観客層は若い人もいたものの、中高年メインのそれも高寄り。ハゲや白髪が多い。女性は2〜3割くらい。最終的には117席(ちっちゃ!)に5.5割くらいの入り。まだ2日目だというのに‥‥ こういう作品だと、長いこともあるし、難しいのかも。 10分前くらいに始まったシネマ・チャンネルの後、半暗になり、CM。非常口案内から予告。ラストにズートピアのマナー、忘れ物注意で暗くなり、映写機のマスクが左右に広がってフルのシネスコ・サイズに。足元注意、映画路傍、映倫と続いて、東宝の劇場で東映のロゴがバーンと出て本編へ。 |