なかなか怖い映画。誰が裏切り者なのか。1人なのか、複数なのか。一歩間違えば生死に関わるようなデリケートな状態。それを快刀乱麻を断つがごとく、スッキリ爽快、解いてみせる。 が、いかんせん、説明不足というか、英語がわからないからか、わからない部分が多すぎる。物語の謎ではなく、設定からわからない。どこの組織のどういう人たちの話なのか。なんとなく、イギリスのMI6のような政府の諜報機関ではないかと想像できるのだが、はっきり言われないので、特に最初は一般企業の産業スパイ的な話なのかとも思ってしまう。徐々にわからせるのかと思ったらそうでもなかった。外国人の観客が1人いて、結構笑っていたので、笑いの要素も入っていたのだろう。 印象としては、ほとんど会話劇のようになっていて、お高くとまっている人たちの下世話なというか、お下劣なプライベートが露わになってくる展開。この辺がイギリスっぽい? 巧妙な罠が仕掛けられていて、実にスリリング‥‥とはいえ、そもそも夕食会に二重スパイの容疑者を呼んで、食後に、あからさまにそれとわかるゲームをやって化けの皮はがしゴッコなんかやるか? 舞台劇のようでもあって、物語のための物語というか、いかにも作ったような話に感じてしまう。日曜に始まって、日曜に終わる物語。うむむ‥‥この辺は好みの問題か。 ブラックバッグとは、結局「マクガフィン」を入れる袋なのではないかなあ。マクガフィンはセヴェルスで、つまりはなんでもないものなのだと。サスペンスを盛り上げるための、棚の上に置きっぱなしにされた紙袋。 銃は、ナオミ・ハリス演じるシュリンク=精神科医が護身用にシルバーっぽいスナブノーズを、スパイ夫婦はグロックを持っている。 公開3日目の初回、新宿の劇場は朝早めで、劇場が25分前にオープンし、入るとすでに開場済み。観客層は、若い人もいたがメインは老というか高。男女比は、最初15人くらいいて、女性は3人ほど。最終的には117席に6.5割くらいの入り。こんなものだろうか。 映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズになって、足元注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫と続いて、日本語のタイトル画面があって、ユニバーサルの地球ロゴから始まる本編へ。 この新宿の劇場のトイレ、ウォシュレットが壊れている個室が多くてビックリとしいうかガッカリ。2カ所連続で出なくて、3カ所目で出て‥‥。どうやってやるのかわからないけど、掃除の時にチェックして欲しいなあ。 |