2025年9月29日(月)「プロセキューター」

THE PROSECUTOR・2024・中/香・1時間57分

日本語字幕:丸ゴシック体下、小木曽三希子/シネスコ・サイズ(IMDbでは2.39、Arri Alexa Mini LF、DJI Osmo Action 4、DJI Ronin 4D)/ドルビーATMOS(公式サイトでは5.1ch。IMDbではドルビー・デジタルも)
(香IIB指定、日PG12指定)

公式サイト
https://prosecutor-movie.com
(全国の上映劇場リストもあり)

74点

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 アクション映画らしい映画というか、香港アクションらしい香港アクション。いかにも香港映画にありそうな設定と、展開。そして超絶アクションで見せて、人情話で感動させて、キッチリまとめて、スッキリ終わる。まあパターンとも言えるかも。ラストには劇終、THE ENDと出る。最近ないなあ。

 実際には2016年に起きた実話に基づいているそうで、おそらくはアクションの部分や人情話の部分などが映画的に作られたものなのだろう。なので、その部分がないと、これは法廷劇。アクションとの対比でやや退屈な感じはしたが、それはそれで良くできていたと思う。

 ちょっと気になったのは、中国語の言い回しのせいなのか、どうにも大げさというか芝居臭い部分があること。古い香港映画というか‥‥。そして、こういう展開はいまの中国でアリなんだろうかと。2016年に起きた事件であれば香港返還後だし、差し戻し裁判なんて‥‥。でも実話に基づいているのだから、あったことはあったんだろう。

 悪党はかなり怖い。特に大ボスは獣のような奴らで、人を殺すことなど何とも思っていないような感じがよく出ていた。だから奴らをやっつけるとスカッとすると。

 やはり素晴らしいのはアクション・シーンで、監督はアクションを知り尽くした達人ドニー・イェン。ただアクション監督は、日本人の大内貴仁という人だそうで、TVドラマの劇場版「SP野望篇」(2010・日)と「SP革命篇」(2010・日)でアクション監督を務め、「るろうに剣心 京都大火編」(2014・日)でスタント・コーディネーター、「亜人」(2017・日)でアクション監督、ボクは見ていないが「HiGH&LOW」シリーズでアクション監督を務めているそう。パンチや蹴りが当たっているように見えるし、俳優が床に叩きつけられているように見えるし、一体どうやって撮ったのかわからないようなシーンがてんこ盛り。とても危険なシーンのオンパレード。しかも1カットで撮っているように見えるシーンもあって、ただただ、すごい。恐っ! その関係からか、日本人キャストも結構出ていたよう。

 今の話ながら、タバコを吸っているシーンもあり、中国(香港)ではまだ吸う人が多いということか。

 銃は、警察の特殊部隊時代、SMGはMP5で、見事なトランジッションでハンドガンに持ち替え、そのハンドガンはP320?。敵はポンプ・ショットガンも。後半、ヤクザが使うのはベレッタ92。ドニー・イェンが奪って使い、スライド・ストップしたなと思ったら、次のカットでは銃を捨てていた。ちゃんと計算されたカットだったんだと感心。

 公式サイトによると、ドニー・イェンの実父が出ていたそうで、ひょっとすると認知症らしい車椅子の父親役だろうか。
 公開4日目の平日、昼に近い初回、新宿の劇場は14〜15分前に開場。すぐにエレベーターで上がって入場したが、すでに予告が始まっていた。観客層は平日だからかほとんど高齢者。最初、男性7〜8人にたいして女性3人ほど。最終的には119席に3.5割くらいの入り。平日なのにこれはビックリ。

 スクリーンはビスタ・フルで開いていて、予告、案内、CM、途中映画泥棒と映倫を挟んで、本予告。劇場からのお願いのあと暗くなって、マナー、上下マスクでTWINのロゴとhuluのロゴから始まる本編へ。

 入場者プレゼントで、名刺サイズのドニー・イェンの「異議あり!」ステッカーをもらった。


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