2025年11月8日(土)「プレデター:バッドランド」

PREDATOR: BADLANDS・2025・米・1時間47分

日本語字幕:手書き風書体下、黄色、野口尊子/シネスコ・サイズ(IMAX。IMDbでは2.39、Arri Alexa Mini LF)/ドルビー(IMDbではドルビーATMOS、dts:X、IMAX 6-Track、12-Trackデジタル・サウンドも)
(日PG12指定)(日本語吹替版、IMAX版、4D上映、ATMOS上映などもあり)

公式サイト
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/predator-badlands
(全国の上映劇場リストもあり)

74点

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 面白かった。映画史上、最もアグリーなクリーチャーの部類に入ると思われる主人公で果たして感情移入できるのか不安があったのだけれど、ちゃんと感情移入できて、応援しながら最後まで楽しめた。

 おそらく冒頭のシーン(アバンタイトル)が慎重に設計されていて、ここで観客の心の琴線に触れ、主人公の気持ちで見ることができるようになっているのだろう。設定が巧妙で、まず興味が惹かれ、そして物語に入り込んでしまう。登場する様々なクリーチャーもユニークで、ちょっと気持ち悪く不気味で、怖く、恐ろしい。ボクの場合はずっと最後までどこか怖い雰囲気を感じっぱなしだった。

 ただ、設定はユニークなのだが、ストーリーというか物語の柱、構成はよくあるパターン。全体としては西部劇のような感じも。なにしろ主人公に試練が与えられて冒険をするというのは、定番すぎるパターン。最近でも「28年後...」(28 Years Later・2024・英/米/加)があったし、「猿の惑星/キングダム」(Kingdom of the Planet of the Apes・2024・米)とか‥‥ それで、だいたい仲間が加わってロード・ムービーになる。ただ、そういうパターンでも、見せ方が上手いと面白くなるということ。監督の手腕ということになるのだろう。

 CGをはじめとする特殊効果はすばらしく、それだけで見る価値があると思う。クリーチャーはもちろんのこと、景観も実際のものとCGをうまく融合させているようで、これまた見事。1つだけ引っかかったのは、アンドロドの下半身が単独で行動すること。やりすぎじゃないかなあ。視覚もないし、動力源もないだろうし‥‥ 一気にリアリティがなくなる。笑えるけど、笑いを取るところじゃないだろうと。

 監督はダン・トラクテンバーグという人。アメリカの人だそうで、まだ若い感じ。TV作品の方が多い感じだが、長編劇場作品の監督デビューは拉致監禁映画の「10クローバーフィールド・レーン」(10 Cloverfield Lane・2016・米)。本作の前にネット配信の「プレデター:ザ・プレイ」(Prey・2022・米)という作品を撮っていて、そこから本作につながったらしい。公式サイトのメイキング映像を見ると、ダン・トラクテンバーグ監督はウェイランド・ユタニのロゴ入りキャップを被っていて、そのロゴの下に漢字で「生物武器」と書かれているので、「エイリアン」も好きなのだろうが、日本も好きなのかもしれない。

 メインのキャストは2人で、アンドロイドを演じたエル・ファニングと、プレデターのデクを演じたディミトリアス・シュスター=コローマタンギという人。2人とも素晴らしい演技。いうことなし。特にニュージーランド出身というディミトリアス・シュスター=コローマタンギは、マスクで素顔が見えないのに熱演という感じ。ほぼTVが多いようで、メイキング映像には素顔が出てくるが、日本の公式サイトでは名前の表記さえない。

 銃はSF架空銃だが、光線が飛ぶタイプではなく、銃弾が飛ぶタイプのようで、派手なマズル・フラッシュ(CGで増量?)が出ていた。薬莢は確認できなかったものの、タイミング合わせに撃った方が良いだろうから、実銃ベースのプロップガンが使われているのかも。銃のイメージとしてはオートマチック・ハンドガンをカービン化した、ピストル・カービンという感じ。たぶんマガジンはグリップ内。そしてフルオートができる機種が使われているのではないだろうか。グリップの雰囲気はM93Rっぽかったけど‥‥

 公開2日目のATMOS上映初回、日比谷の劇場は25分前にビルが開くと同時にオープン。すぐチケットを取ってトイレに行ってくると17、18分前には開場。観客層はやはり中高年。最初15人ほどいて、女性は4人くらい。女性の方がやや若めなのも、いつもどおり。最終的には386席の3割くらいが埋まった。早朝だし、こんなものか。ただ9席×3列のP席は意外にも8割くらいが埋まった。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になり、CM、非常口案内などがあって、ちびゴジラの予告。最後にズートピアのマナー、忘れ物注意から暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズになってTCXのデモ、幾何学模様のドルビーATMOSデモと続いて、足元注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫で、20世紀FOXのロゴから始まる本編へ。

 プレデターの言葉、ヤウージャ(Yutja)語?には黄色の英語字幕付き。ここから日本語字幕も黄色になったのだろう。ちなみに不毛地帯とかのバッドランドは、英語ではBADLANDSとSを付けるのだそう。勉強になった。


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