2025年11月15日(土)「KILL 超覚醒」

KILL・2023・印・1時間45分

日本語字幕:丸ゴシック体下、福永詩乃/シネスコ・サイズ(IMDbでは2.39、Arri Alexa Mini LF)/ドルビーATMOS
(印A指定、日R15+指定、米R指定)

公式サイト
https://movies.shochiku.co.jp/kill/
(全国の上映劇場リストもあり)

73点

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 ハラハラ、ドキドキのアクション映画。リアルなバイオレンス満載で、ほぼ全編アクション。なのに、なぜか1時間45分が2時間15分くらいに感じた。退屈なわけではないのに。

 「ムトゥ 踊るマハラジャ」(Muthu・1995・印)の大ヒット以降、日本で公開されるインド映画は、だいたい歌と踊りのあるマサラ・ムービーが多いので、それをイメージすると違和感があるかもしれない。雰囲気としてはインド版「ジョン・ウィック」(John Wick・2014・米)という感じで、狭い場所で戦う感じは「オールド・ボーイ」(Oldboy・2003・韓)とか、最近だとブラッド・ピットの「ブレット・トレイン」(Bullet Train・2022・米/日)的かもしれない。そしてちょっとウェスタン調(マカロニ?)。

 アクション作品は撮るのが大変で、本作はカットも細かく割られていて、しかも刃物が刺さるところをじっくり見せたり、頭を潰したり、喉を切り裂いたりと過激で強烈。大変だったろうなと。普通のドラマを撮る3倍?くらいは大変かも。メイキング映像を見ると、撮り直しとなった場合は90分は掛かるのだそう。血まみれだし。よく全編アクションで撮ったなあと感心されられる。すご過ぎ。

 ただ日本人的には、キャストが皆同じ顔に見えて、区別が付けにくい。みな似たようなひげ面。ボクは最初、主人公と強盗団の現場のリーダーの区別が付かなかった。誰? どっちの人? そんなこともあって、悪党はとても凶悪で良いのだけれど、大ボスとか、現場のリーダーとか、特に初めの方はなかなか伝わってこなかった。

 武器のほとんどはナイフ。特に刃の部分がカーブしているグルカ・ナイフが多かった。そしてハンマー。消火器も武器として使っていた。どれもより残虐性が高まっていた感じ。怖いし、血まみれになる。銃は、主人公が所属する軍の対テロ特殊部隊(NSG)がMP5を使用。ジープにはFNミニミのようなマシンガンが。婚約式では水平二連をぶっ放していて、強盗団のリーダーはオートマチック・ハンドガンを持っていたが1発撃ってすぐ故障してしまった。列車に同乗していた警備兵は銃剣付きのリー・エンフィールド・ライフルを装備。ラストに出てくる警察の特殊部隊はM4系のカービンを装備。警察はよく調べもせず乗客を解放していたけれど、実際には犯人が紛れているかもしれないので、まず、全員身柄を拘束ではないかなあとは思った。もちろん、それだと終わった、解放されたという感じは出ないが‥‥。

 映画の中盤くらいになって、主人公の目つきが変わり、みな殺しにしてやるというような気がほとばしったところでようやくタイトル。これが超覚醒? ここまでがアバン?

 エンド・クレジット、ロールはすべて英語。海外への販売や、ハリウッド作品を強く意識して作った作品なのかなと。音質も画質もとても良かった。

 公開2日目の初回、早朝、新宿の劇場は15分前にオープンし、10分くらい前に開場。チケットを発券し、トイレに行ってくることしかできなかった。チラシを見たり、ドリンクをオーダーするなんてとても無理。スケジュールがタイトすぎ。もっと余裕を持って欲しいなあ。すぐに入場するとむすでに予告を上映中。観客層は中高年というよりほぼ高寄り。女性は20人くらいいて1〜2人。遅く来る人が多く、よくわからなかったが、最終的には232席に40人くらいの入り、50人いったかなあというところ。早朝ということもあって、こんなものだろうか。大きなスクリーンでやっているところが少なく、あまり期待されていないのかも。

 スクリーンはシネスコで開いていて、すでに予告を上映。途中で前方が暗くなり、案内からCM。ようやくQPは劇場に最適化されたらしい良い画質のCMになった。その後、枠付きの映画泥棒、映倫があって本予告。ラストに劇場からのお願いがあって、映写機のマスクが左右に広がり、暗くなってオーロラのようなものが山の形になる松竹のロゴから始まる本編へ。


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