2025年11月24日(月)「果てしなきスカーレット」

SCARLET・2025・日本テレビ放送網/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/KADOKAWA/東宝/スタジオ地図・1時間51分

シネスコ・サイズ(IMDbでは2.39)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル)
(米PG-13指定)(IMAX版、ドルビーATMOS上映もあり)(『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

公式サイト
https://scarlet-movie.jp
(全国の上映劇場リストもあり)

74点

前へ一覧へ次へ
 面白かった。物語の世界を堪能した。そして感動。あやうく涙が出そうに。いわゆるロード・ムービーで、復讐のために見果てぬ国を目指すが、途中でいろんな人々と出会い、主人公は変わっていく。その思いがピュアできれい。

 基本的には絵がきれい。カメラワークもダイナミックで、とても良かった。一部写真を取り込んだようなリアルな風景があったり、モーション・キャプチャーらしいスムーズな動きもあって、惹き付けられた。音もとてもクリアで立体的。

 ただ、絵に一貫性がないような気はした。主人公の顔が、感情や状況の違い、時間の違いというようなことではなく、別人のように違って見えた。分業で担当した会社によって変わってしまったとか‥‥ 同様に、一部のエキストラ的なキャラクター、砂漠の民ベドウィンのような人たちのタッチが他とは違って違和感があった。他は細田タッチという感じなのに、突然別人が描いたような絵に。あるシーンではジブリ系のキャラという感じだったし。どこかちぐはぐな感じ。これも製作の都合なのか。

 リアルでスムーズな動きのシーンがある一方で、普通のアニメのちょっとカクカクした動きのシーンもあって、この辺も一貫性がないというか、ちょっと気になった。特にダンスを踊るシーンは、重要なところだと思うのに、キャプチャーの滑らかな動きではなくカクカクした感じで、とても残念な気がした。こここそキャプチャーでいくべきだったのでは、と。

 声優陣はとても豪華。まるで実写映画のキャストのよう。特に良かったのは芦田愛菜で、確かにそこにスカーレットがいたという感じ。もちろん岡田将生も良かった。いい俳優は声優もいけるということなんだろう。ただ岡田将生の場合は、そこに岡田将生がいた。そしてキャラ的に良い人すぎるキャラなので、ちょっと損をしていた気はする。

 お城は、ちょっとペトラ遺跡的な雰囲気があったり、別の城はロード・オブ・ザ・リングだったかの黒いお城のイメージがあったり。そして、天国への階段もハリウッド映画で見たような‥‥ 記憶ではモノクロだったような気もするが、「天国は待ってくれる」(Heaven Can Wait・1943・米)はカラー作品だし‥‥ で、雲の隙間から太陽光が帯のように漏れるシーンもあって、まさに天使のはしごかなあと。抜けたところはビーチで、天国に一番近い島? 他にもアメリカ先住民のような歌とか、中南米インディオのような人々か、ハワイのようなダンスとか、「スター・ウォーズ」(Star Wars・1977・米)のような風景とか‥‥死者のいる場所だからいろんな時代やいろんな国が混じっているということなのか。

 銃は、16世紀末のデンマーク王国という設定から、ホイール・ロック銃っぽいものの長銃と短銃が登場。くすんだ緑色っぽい大砲も出てきたが、青銅のイメージだったのか。緑青? 惜しいことに撃った時の反動がなかったような。

 公開4日目の初回、新宿の劇場は20分前くらいに着いたらすでに開場済み。トイレに行ったりして15分前くらいに入ったら、10人くらいの人がいた。観客層としては若い人から中高年まで幅広い感じで、メインはやや高寄り。若い人はほとんど大学生くらいから。1人だけ母に連れられた小学校低学年くらいの女の子もいた。女性は最初少なかったが、徐々に増えて最終的には半々くらいに。意外と夫婦で来ている人が多い印象。後方にDX席があったが、そこは何人座ったか不明。9席×1列のP席は、たぶん2人ほどが座った。499席は2割ほど埋まっただろうか。それほど早朝というわけでもなかったので、ちょっと厳しいかなと。

 10分くらい前からシネマ・チャンネルで、終わって半暗になり、音が大きくなって案内からCM。非常口案内の後、予告。ラストにズートピア2のマナー、忘れ物注意、ケルヒャーのCMで暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、天井のスピーカーのランプも消え、TCXデモ、ドルビーATMOSの大自然デモ。一旦暗くなって、足元注意、古い映画泥棒、映倫と続いて、東宝のロゴから始まる本編へ。

 それにしても、シネマ・チャンネルの時点から、おそらく下の階の4Dスクリーンの振動が伝わってきて、本編の間中もずっと断続的に振動が続いて、不快だった。

 入場者プレゼントでA24のポスト・カードと、「果てしなきスカーレット」のスポティファイのステッカーをもらった。


前へ一覧へ次へ