2025年12月21日(日)「ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行」

A BIG BOLD BEAUTIFUL JOURNEY・2025・米/アイルランド・1時間49分

日本語字幕:丸ゴシック体下、杉山 緑/ビスタ・サイズ(内側に少し枠ありで上映、Panavision。IMDbでは2.00、Arri Alexa 35)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、12-Trackデジタル・サウンドも)
(米R指定)

公式サイト
https://beautiful-journey.movie
(情報少)

74点

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 堂々たる大人のおとぎ話。ちょっと感動した。後味も爽やかでホっとする。年末はこういう話の方が良いかも。男女のラブ・ストーリーなんだけれど、親子の愛情の物語でもあるかな。そして、愛を見つける旅で、土砂降りの雨で始まって、スッキリ晴れて終わる。つまり雨降って、地固まる? そう言ってしまうと陳腐になるが、もっとこの旅を見ていたい気になった。

 「大人の」なので、ワン・ナイト・ラブとか、不倫とか、孤独死とかもある。きれい事だけではない、リアルなそれぞれの人生。皆、後悔とか、心の傷を抱えて生きている。それに対して映画で解決策を提示したり、アドバイスを与えるという作りにはなっていない。それでもこういう道もあると、割とハッピーな結末を見せてくれる。

 ドアはやっぱり「どこでもドア」のイメージで、宮崎アニメの「ハウルの動く城」(Howl's Moving Castle・2004・日)も入っているのかもしれない。日本人的にはそうとしか見えない。そしてそのドアからは人生のある時点に行けるだけで、やり直せるというよりは、単にもう一度追体験できるというような感じ。キャッチ・コピーにあったような「人生をやり直せる不思議なドア」というのは、ちょっと言いすぎかなあと。まあキャッチだから‥‥。

 カーナビ(映画ではGPSと言っていた)がしゃべるというのも日本的発想かなと。関西弁とかの方言バージョンや、ツンデレとか女子高生とかのキャラが案内してくれるバージョンとか、日本はバラエティ豊か。

 で、車のレンタカー店のスタッフはちょっと意地悪な部分も込みで天使的な存在に思えた。おじいちゃんの方は、あの「ワンダとダイヤと優しい奴ら」(A Fish Called Wanda・1988・英/米)のケヴィン・クライン。1947年生まれというから78歳かあ。女性の方は、「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(Indiana Jones and the Dial of Destiny・2023・米)のヒロインをやっていた人。

 素敵な曲は、日本の偉大な作曲家、久石譲。公式サイトによると宮崎アニメの大ファン(!)のコゴナダ監督の熱烈なオファーだったそう。本当に素晴らしい楽曲の数々で、心に染みる。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は15〜16分前に開場。観客層は中高年の高寄り。ラブ・ストーリーなのに、ひねってるからか。公式サイトを見ればソニーがあまり力を入れていないことは明らかで、だいたいソニーは近ごろ映画のプロモーションには力を入れていない印象だが、スクリーンも小さいところが多く、期待作ではないのだろう。で、広告や予告の少なさもあってか、117席に20人ほどの入り。男女は半々くらい。これはさみしい。決して悪くない作品なのに。

 10分前からシネマ・チャンネル。終わって半暗になり、CM、非常口案内でランプが消え、ちびゴジラの本予告、ラストにズートピアのマナー(それでも堂々とケータイをいじっているヤツが‥‥)。忘れ物注意で暗くなり、映写機の左右マスクのまま、足元注意、ズートピアの映画泥棒で黒画面になって、SONYのロゴと、コロンビアの女神のロゴから始まる本編へ。

 ちなみに、コロンビアの女神の顔がアネット・ベニングに似ていて、そんな噂も流れたことがあったが、MOVIE WALKERのサンクレイオ翼さんのコラムによると、ニューオリンズの新聞社で働く一般人女性なんだそう。デザイナーがお昼休みに撮影したものを素材として使っているんだとか。


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