2026年1月10日(土)「コート・スティーリング」

CAUGHT STEALING・2025・米・1時間47分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤恵子/ビスタ・サイズ(ドルビーVISION。IMDbでは1.85、DJI Inspire 4、DJI Ronin 4D-8K、Sony CineAlta Venice 2)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、dts:X、SDDSも)
(米R指定、日PG12指定)

公式サイト
https://caught-stealing.jp
(上映劇場情報なし)

74点

前へ一覧へ次へ
 クライム・アクション・コメディ? 怖くて、笑えない。でも映画としては良くできていて、楽しめた。暴力はリアルで、悪党は徹底的に恐ろしく、躊躇無く人を殺す。とてもたくさんの人が死に、バッド・エンディングではないけれど、誰もが満足できるハッピーじゃない。むしろ悲惨でかわいそう。確かに笑える要素はあるけれど、この状況では‥‥(笑っている人も数人はいた)。

 猫がかなりフィーチャーされていて、狂言回し的でもある。劇中では3D-CGかと思えるほど芸達者で驚かされる。ちゃんと名前(トニック・ザ・キャット)がクレジットされていたので、本物らしい。アニマル・トレーナーがスゴいのか。エンド・クレジットではアニメ化もされていて、なかなかカワイイ。日本でアニメ化したらもっとカワイかったのではないかと思う。

 キャストはかなり豪華。主演は「エルヴィス」(Elvis・2022・米/豪)のオースティン・バトラー、その彼女がレニー・クラヴィッツの娘のゾーイ・クラヴィッツ、怖い刑事が「デンジャラス・ビューティ2」(Miss Congeniality 2: Armed and Fabulous・2005・米)とかのレジーナ・キング。ユダヤ人の殺し屋兄弟がアンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」(Salt・2010・米)の悪役のリーヴ・シュレイバーと、「メン・イン・ブラック」(Men in Black・1997・米)のバグ役のヴィンセント・ドノフリオ(2人ともヒゲでわからなかった)。隣の部屋のパンク野郎が「モービウス」(Morbius・2022・米)などの怖い系のマット・スミスで、主人公がバーテンをやっているポールのバーのオーナーが「アフター・アワーズ」(After Hours・1985・米)とか「狼男アメリカン」(An American Werewolf in London・1981・英/米)などのグリフィン・ダン(正直気付かなかったけど)‥‥‥という感じ。

 監督は巨匠ダーレン・アロノフスキー。「ブラック・スワン」(Black Swan・2010・米)や「ザ・ホエール」(The Whale・2022・米)が有名だが、どちらも見ていなかったりする。長編デビュー作がモノクロの「π」(Pi・1997・米)で、ボク的には「レクイエム・フォー・ドリーム」(Requiem for a Dream・2000・米)がとても衝撃的で、大きなショックを受けた。

 1つ面白かったのは、初めの方で、彼女が主人公の勤めるバーに閉店してから尋ねてきて、入れてもらうのにシャツの胸をはだけて透け透けのブラを見せるシーン。ちょうど字幕が胸のところに被さって、肝心の胸が見えなくなってしまった。なんかH映画のボカシのような感じになって、嫌らしいような、笑わすためのギャグのような、微妙な空気になった。ちなみにゾーイ・クラヴィッツの乳首ピアスは本物だろうか。ちょっと気になった。

 なぜか舞台設定は1998年のNY、ロワー・イースト・サイド。多くの人がタバコを吸っている。タバコのために1998年にしたのだろうか。1998年ってこんなに吸ってた? 80年代くらいまでじゃない? 現在の話で十分通用すると思うのだが、ひょっとしたら携帯電話がまだあまりない時代の方が良かったのかも。主人公はお金も無いので、よく公衆電話を使っている。

 銃は、ロシアン・マフィアを使っている中ボスのプエルトリコ人がシルバーの彫刻入り1911オート、刑事がシルバーのチーフっぽいスナブノーズとグロック、バーのオーナーはソウド・オフ・ショットガン、隣人のパンク・モヒカンが黒いチーフらしいスナブノーズ、ロシアン・マフィアがVz61スコーピオン、ユダヤ人の殺し屋たちがミニ・ウージーとサウンド・サプレッサー付きのシルバーのCzかと思ったら、imfdbによるとジェリコ941だったらしい。アーモラーは「ジョン・ウィック:パラベラム」(John Wick: Chapter 3 - Parabellum・2019・米/モロッコほか)を手がけたジョエル・タランティーノという人。

 もちろん、出てくるラジオやTVはSONY製。そして、ボクは野球に詳しくないが、野球の話題はたびたび登場し、マイク・ピアッツァやバリー・ボンズの名前がよく出てきていた。ママと主人公の合い言葉は「ゴー、ジャイアンツ!」。刑事はメッツ・ファン。野球に詳しい人なら楽しいかも。

 オープニングも、エンディングも、タイトル&クレジットはとても凝っていた。タイトルが地下鉄の駅の壁のタイルを使っていて、そこに文字が現れるというもの。カメラが地下鉄を出ても、文字がタイルになっていたりした。エンド・クレジットは、猫の線画アニメと一緒に流れ、ロールになってからカラフルな色も使い、音楽に合わせて縦に流れたり、逆転したり、斜めや横に流れる。飽きさせない。タイトル・デザイナーはテディ・ブランクスという人。最近だと「エディントンへようこそ」(Eddington・2025・米/英ほか)や「WEAPONS/ウェポンズ」(Weapons・2025・米)、「ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行」(A Big Bold Beautiful Journey・2025・米/アイルランド)などを手がけている。といっても、最近は凝ったタイトルが少ないけど。

 ラスト、いつも電話している相手のママが登場する。それがなんと、あの人! クレジットは無し。

 ちなみに、コート・スティーリングとは「窃盗で逮捕」というような意味らしい。なるほど‥‥

 公開2日目の初回、池袋の劇場は10分くらい前に開場。エスカレーターで上がるとすぐに案内の上映が始まった。観客層は中高年がメインで、男女比は、最初16〜17人いて、女性が5〜6人という感じ。上映間近になって若い女性も来たが、最終的には152席に35人ほどいただろうか。ちょっと宣伝が足りなかったのではないだろうか。もっと入っても良い映画だと思うけど。

 スクリーンはビスタ・フルで開いていて、劇場案内のようなものから、マナー。そんなの関係なく、夢中でスマホを触っている人たくさん。予告が始まって、途中で半暗になって、ズートピア2の映画泥棒。さらに予告が続いて、ラストにもう一度マナー、退場案内があって、暗くなり、ビスタ・フルでSONYのロゴと、そこからのコロンビア・ロゴから始まる本編へ。

 音がきれいで、立体感も良いなあと思ったら、solaという音響チューニングされた特別なスクリーンだった。重低音は体に振動が伝わってくるような大迫力。しかも別料金無し。なんか得した感じ。ATMOSいる?


前へ一覧へ次へ