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チンパンジー、でか! むしろゴリラ・サイズ。中に人が入っているから? そこからちょっとノレなかったが、そこそこ怖い映画。とはいえ、怖さにこだわるより、頭を潰したり、顔を剥ぎ取ったり、顎を引きちぎったりする、残酷シーンにこだわったスプラッター映画。血まみれ。たぶん予算のほとんどはそこに注ぎ込まれているのだろう。その表現は確かに凄い。おぞましい上にとてもリアル。見る価値があるとすればここか(人によるが‥‥)。それ以外は低予算映画の雰囲気そのまま。 なによりネタがたったの1つ。狂犬病にかかったチンパンジーが人を殺しまくるというもの。ほかにはなし。どんでん返しも、意外な結末もなし。登場人物の掘り下げもなければ、キャラクター同士の関係や絆なども描かれていないし、ペットである「おさるのベン」とのつながりもほぼ描かれていない。脚本というか、ストーリーもないようなものなのかもしれない。せっかく物語のキーになりそうなアイテム、ブロークン・ハートのペンダントとか、おさるのベンが好きらしい熊のぬいぐるみとかを出しながら、ちっとも生かされていない。そのため薄っぺらいただのスプラッターになってしまったのではないか。 もちろん音でも脅かすし、おバカな男も女も出てくる。控えめにはなっているものの、やるなと言われたことや不用心なことをやって危機に陥る。B級映画のパターン。これは‥‥ と思って調べてみると、ヨハネス・ロバーツ監督・脚本はアホ・マッチョ・ムービー「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」(Resident Evil: Welcome to Raccoon City・2021・加/独)を撮った人(監督・脚本)ではないか。この人に撮らせたプロデューサーの責任かと思ったら、製作総指揮もヨハネス・ロバーツではないの。ホラー界のウーヴェ・ボルか!? 冒頭「狂水症(狂犬病)は治療法がなく‥‥48時間以内に処置しないと‥‥」というような文字が出るが、治療法がないというのは本当のようだが、48時間以内というのは本当? まっ、いずれにしても、これらの言葉はちっとも内容に生きていない。描かれているのは単なる殺戮だ。そのえげつなさと、リアルな感じが見所ではあるのだろうが。 ボク的には最初から犠牲者になるんだろうなとわかる美女、友人の友人というハンナを演じたジェシカ・アレクサンダーが良かったかな。どこかで見たような気がすると思ったら、「リトル・マーメイド」(The Little Mermaid・2023・米)に出ていたらしい。TVが多いようで、映画でも活躍して欲しい。 原題のPRIMATEは英語で霊長類の動物、いわゆる霊長類ことらしい。そのまんま。特にひねりも何もなし。それに対して邦題のうまいこと。お猿のベンねえ‥‥。名前が付いていることでペットのようなものだとすぐわかるし、猿の「お」が大切なものを示しているようでもあって、ギャグ的な意味合いも持たせられているような‥‥。内容からしたら「狂水症(狂犬病)」だろうけど。 公開2日目の初回、六本木の劇場は15分くらい前に入り口が開き、10分ほど前に開場。チケットを発券しトイレに行ってくるくらいの時間しかなかった。ドリンクなどを買うのは難しいかなあ。昔からここはそんな感じ。すぐに入場したが、すでにシネマ・チャンネルが始まっていた。ただ、場内が明るすぎて、スクリーンはよく見えなかったが。 観客層はほぼ中高年の高寄り。5分ほどで男性10人、女性2人という感じ。その後、若いカップルなども来たが、521席に20人はいったかどうか。それでも11席×3列のP席には少なくとも2人は座った。10席×1列のDX席にはさすがに誰も座らなかったと思う。 シネマ・チャンネルのあとCMになってから半暗になり、ようやく見えるように。ちびゴジラの本予告の最後にマナー、忘れ物注意と続いて暗くなり、映写機のマスクが左右に広がってシネスコ・サイズのフルになり、TCXデモ。足元注意、映画泥棒、映倫と続いて、TOWA PICTURESのロゴ、そして星が飛んでくるパラマウントのロゴから始まる本編へ。 |