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こういう話だったとは。物語の中心となるのは、多くの人から感謝されるチャックなのだが、そのチャックを語るために多くの人物が登場して群像劇的な作りになっている。そしてミステリーの定番である時間軸をバラバラにして再構築しているので、わかりにくいはわかりにくい。3章立てで、第3章から始まり、第2章、第1章と遡ってチャックの人生を見ることになる。原題はTHE LIFE OF CHUCK。しかも、もっとも不思議なことが起きる第3章の現象に関しては、説明なし。ある程度は推測がつき、説明もできそうだが、超常現象的な部分は理解不能。解釈は人それぞれということだろうか。その点では、観客の興味を引くため、インパクト重視でコラージュ的に入れただけのようにも思える。この辺がどうか。 見方によっては、この映画はダンス映画で、数学の映画かも。そこに終末世界とホラー的ミステリーが関わってくる。人生を逆順に描いたことで、悲惨な印象はなく、不思議さや恐怖がありつつも、むしろ鑑賞後感は感動的で爽やか。スティーヴン・キング作品は映像化すると良くないとかいう話もあるが、本作は良い方かも。そして製作総指揮の1人がスティーヴン・キング。 ただ、数奇な人生ではなく、むしろありふれた人生のように感じた。世界の終末はやってくるけれど、特に大きな事件は起きない。地味な話。ただ群像的なので、多彩な登場人物を有名俳優たちが演じていて、そこが見方によっては豪華。一番お金がかかっているのかも。 チャックは「マイティ・ソー」(Thor・2011・米/仏)から以降、ずっとロキを演じているトム・ヒドルストン。こんなにダンスがうまかったとは。最初に登場する学校の教師が「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」(Bridget Jones: Mad About the Boy・2025・英/仏/米)でも教師をやっていたキウェテル・イジョフォー。その元妻が「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」(Guardians of the Galaxy Vol. 3・2023・米ほか)のネビュラを演じていた美女カレン・ギラン。PTAの面接でやってくる父親が「悪魔と夜ふかし」(Late Night with the Devil・2023・豪ほか)のデヴィッド・ダストマルチャン。教師の隣人は、昔はホラーのイメージが強かった「スクリーム」(Scream・1996・米)や、最近だと「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」(Five Nights at Freddy's 2・2025・米/加)に出ていたマシュー・リラード。さらに、チャックのじいじが、言わずと知れた「スター・ウォーズ」(Star Wars・1977・米)のマーク・ハミル。ばあばがトム・クルーズの「レジェンド/光と闇の伝説」(Legend・1985・英/米)でヒロインを演じた美女ミア・サラ‥‥ といった具合で、単純に凄いなあと。大道芸人、ストリート・ミュージシャンでドラムを叩いていた黒人女性はザ・ポケット・クィーンという人。本物のドラマーで、映画は初出演。どこかで見た気がするのだが、わからなかった。 劇中、何回か出てくるモノクロの映画は、劇中でも言っているが、ジーン・ケリーとリタ・ヘイワースの「カバーガール」(Cover Girl・1944・米)。日本では1977年になって、ようやく劇場公開されたらしい。ばあばと幼いチャックがVHSテープでたくさんのダンス映画を見るシーンが素敵。 監督・脚本はマイク・フラナガン。ホラー系の作品が多い人で、ボクが見た作品だと、スタンリー・キューブリックの傑作「シャイニング」(The Shining・1980・英/米)の続編らしいスティーヴン・キング原作「ドクター・スリープ」(Doctor Sleep・2019・加/米)の脚本と監督をしている。 公開3日目の初回、新宿の劇場は10分前に開場。すぐにエスカレーターで上がるが、すでに予告が流れていた。誰のために流しているのか、開くのが遅いのか、いろいろ気になる。観客層は中高年がほとんどで、若い人は少し。男女比は半々というところ。着いた時点で残席少の表示。最終的には232席の8割くらいが埋まった。ただ、あまり期待されていないのか、ちょっと小さいスクリーンが多い印象。アニメ作品に奪われたか。 スクリーンはシネスコで開いていて、すでに始まっていた予告のあと前方が暗くなり、劇場案内からCM。枠付きの映画泥棒、映倫があって、本(?)予告。ラストに暗くなって、アニメ「正反対な君と僕」のマナーから、GAGA 40周年のロゴから始まる本編へ。 |