★キング・サーモンって?★


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 サーモン(鮭)にはいろいろな種類があります。日本でも有名なのが紅鮭で「レッド・サーモン」。銀鮭は「シルバー・サーモン(コーホー・サーモンとも)」。このほかにもピンク・サーモン(樺太マス)、チャム・サーモン(ドッグ・サーモン、日本の荒巻ジャケ)……なかでも数が少なく最大サイズを誇るのがその名もキング・サーモン。1mを超えるものもいるそうで、「地球の歩き方」(ダイヤモンド社)によれば61kgなんていう大物も釣り上げられたことがあるとか。

 遡上してくるのはだいたい6月〜8月にかけてですが、誰でも釣っていいというわけではありません。ハンティングもそうなのですが、アラスカでは自然保護のためのルールが実に細かく決められていて、釣りも「フィッシング・ライセンス」というのを購入しなければやることができません。


license
これがフィッシング・ライセンス。
マウンテン・ビュー・スポーツ・センターで購入。

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 スポーツ用品店、スーパーのサービス・カウンターなどで購入できます。もちろん日本人でも売ってくれますが、パスポートを用意していった方が手続きが早いようです。というのも、身分証明書が必要だからです。日本の免許証でもOKなのですが、係りの人が日本語が読めないので(当然!)手間が掛かります。

 私が購入したのは「3日間有効の1ポジション1匹(NR CLASS 6B 3-DAY)」というもので$20。要するに1カ所で1匹まで釣っても良いというものです。違う川へ移動すれば、またもう1匹釣ることができます。しかし同じ川では、移動しても1ポジションと見なされます。いったん家に帰って出直せばOKらしいですけど。


rainbow
川によってはレインボー・トラウトは
リリースしなければならない。

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 川によっても細かなルールが定められており、キング・サーモンはいいけれどレインボー・トラウト(ニジマス)はリリースしなければいけないとか、体長何cm以下のものはリリースしなければならないとか、3本針のルアーを使ってはいけないとか、これを知らないと大変なことになります。しっかりしたガイドさんに教えてもらうのが一番。

 他にも、釣りの一般的な暗黙のルールというのがあって、釣れたら「フィッシュ・オン(釣れた)」と叫ぶこと。その叫びを聞いたら、周りの人は竿を引っ込めて、上げるのを手伝ってあげる、もしくはじゃましないことと決まっているらしいです。


airport
アンカレッジの繁華街のすぐ裏手で
キング・サーモンが釣れる。

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 今回、私は残念ながら釣り上げることができませんでしたけれど、初めてのキング・サーモン・フィッシングで大物を釣ると「寿命を縮める」(キングの呪い?)なんていう噂もあるらしいので、良かったやら悔しいやら。あの開高健さんが亡くなったのも、アラスカでキングを釣り上げた後だったとか、なかったとか。

 ちなみに最高のキング・サーモンというのはユーコン川で獲れるらしいんですが、それらはほとんど日本へ輸出されているそうです。


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