★エスキモーは貧しいの?★


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 つい最近放送されたNHKの番組でも、狩猟に出たエスキモーが獲物を捕れなくて、まるで明日の生活もできないほど重大なことのようにガッカリしている姿が描かれていました。

 スティーブン・セガール監督・主演の映画「沈黙の要塞(On Deadly Ground・1994・米)」でも、北海油田を巡る争いで主人公をかくまうエスキモー(あるいはインディアン?)たちは、革で作った粗末なテントに住んでいました。

 しかし、こういったイメージはマスコミが作ったものです。実際はエスキモーなどアラスカ・ネイティブの人々は、かなり裕福です。

 「地球の歩き方」のアラスカ編で、アンカレッジの唯一の危険な場所として、四番街のはずれ(真ん中?)の公園付近があげられています。そこにギャング系の危ない人がいるのではなくて、エスキモーの酔っ払いがいるからなんです。彼らは少数民族であるために、合衆国政府の生活保護を受けており、働く必要がないのです。住む家だって、TVで報道されるような粗末なものではなく、冷暖房完備のりっぱな家です。だから、彼らの一部は朝から酒をカッ食らって、公園のあたりで管を巻いているのです。もちろん、皆さんは近寄らないでください。もし通りかかって何か言われても、返事をしないで無視しましょう。そうしたからといって何かやられることはないそうです。

 アラスカは軍事的にも重要なポイントであり、北海油田(なんと全米の年間原油消費量の半分近くを産出している)など優良企業がたくさんあります。それらはほとんど、エスキモーの土地を借りて営業しています。ですから、特に優良企業に土地を貸しているエスキモーには、毎年かなり高額の配当があるそうです。

 エスキモーは、もともと非常に平和的な人々です。そして財産などを私有するという概念がなく、みんなに分け与えます。ですから配当もその土地の人々全員に等しく分配されるそうです。実際にエスキモーの友人がいるウッディさんにお聞きした話です。マスコミの報道は間違っており酷いものだとおっしゃっていました。

 アメリカは合州国ともいわれるほど、州に大きな自治権が認められていて、州によって法律もかなり違います。銃砲の所持等に関しても、ニューヨークなど犯罪率の高いところでは携帯が認められていませんし、アラスカなど治安の比較的良いところでは、ライセンスさえ取得すれば公共施設以外で拳銃を携帯することができます。

 税制なども違っていて、以前ワシントンに行ったときは、かなりの額の消費税を取られて驚きました。しかし、アンカレッジ市には消費税がありません。アンカレッジ市で買い物をするときは値札の金額を払えばいいので、とてもわかりやすいのです。ただ、レストランなどの10〜15%というチップはめんどうですけどね(ボク個人は気分良く食事ができるので、とてもいいシステムだと思います)。

 以前ここでアラスカには消費税がないと書きましたところ、東京の中山さんという方から「アラスカには消費税がありませんとありましたが、それは間違いです。アンカレッジはありませんが、他のほとんどの町(村)には消費税があります。それもその町々で消費税の割合も違います」というご指摘をいただきました。コメンナサイ、まちがっていました。お詫びして訂正します。

 アラスカは最果ての地のようなイメージがありますが、結構、暮らしやすいところなのです。なにしろ2,000万円ほどでアンカレッジに広い庭付きの2階建て一軒家が買えるのです。どうです、あなたも移住しますか?


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