2008-11-25 |
▼ このキットのご購入は……
「株式会社エスコアール」 http://www.escor.co.jp (サイト外リンク)
▼ 「製造販売」その他のご相談は,開発者の石川まで。
石川 雅章 <> ↑なるべくフルネームを付加してください。ない場合は,
迷惑メール扱いとなって削除される可能性があります。 |
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「どな〜る」は,ボイスレコーダ IC「APR9600」を利用して筆者が自作した装置で,最長 40〜50 秒ほどの音声を録音/再生します。福祉分野で「VOCA(ヴォーカ)」と呼ばれている機器と同等の機能に加え,以下のような特徴があります。(※ は,追加部品が必要な「応用製作」)
おお元は「車椅子に乗っている時に,人を呼べるものが欲しい」といったご要望が発端なので,「大きな音量と,いつでも押せば音が出る(電源操作不要)」仕様にしました。その後「『終わりの会』など,セリフの決まっている会などで,声が出せない人にも役割を与えたい」といったご希望と合わせ,複数の音声を決められた順番で出す機能を盛り込みました。
〈開発のご報告〉
のページをご紹介したところ,少なからず反響がありました。「詳細を知りたい」といった声のほか,中には「キット化できればいくつか欲しい」といったものもありました。
このたび,福祉機器業者の「株式会社エスコアール」さんのご厚意により,キット化をお手伝いしていただき,実現することができました。ここではその「キット」の詳細についてご紹介いたします。
「キット」の設計にあたり,「説明どおりに組み立てれば,とりあえず使える機能」として盛り込んだ標準的なものは以下の通り。ただし,配線を変更したり,部品を追加したりすることで,若干機能が変更できます。詳しくは後述。なお,記載したアルファベットの略号は,キットの説明上便宜的なもので,IC 発売元発行のマニュアルなどにあるものとは一致しない場合がありますので,ご留意ください。
部品を追加することなく,作り方を少し変更することで実現できる機能は以下の通り。ただし ※ 印のついた機能は最低2つのスイッチが必要なため,追加部品なしで実現するには,付属のタクトスイッチとジャックに接続した外部スイッチで使い分ける必要あり。もちろん,別途購入したスイッチでも可能。
別途部品を購入して追加することで実現できる機能は以下の通り。
考えられる応用については,〈開発のご報告〉のページの「展望」の章をご覧ください。
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元の画像は 450×450 ドットあります。図を右クリック→[……保存]でディスクに ダウンロードし,その後に適当な大きさで印刷して組み立ての際の参考にしてください。 | ||
表(部品面) |
裏(パターン〔ハンダ〕面) |
部品 | 仕様 | 数量 | 部品 | 仕様 | 数量 | |
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□ 基板 | 75×72mm | 1 | □ ケース | 155×100×45mm | 1 | |
□ IC: APR9600 | 28 ピン DIP | 1 | □ 28 ピン DIP 用ソケット | 1 | ||
□ IC: 386 | 8 ピン DIP | 1 | □ 8 ピン DIP 用ソケット | 1 | ||
□ FET: J377 | 3 ピン PW-Mold | 1 | □ 切替えスイッチ | 1回路2接点 | 1 | |
□ ダイオード: 2076A | スイッチング用 | 1 | □ タクトスイッチ | 押しボタン | 1 | |
□ 抵抗: 1MΩ | 茶 黒 緑 金,1/4W | 1 | □ ジャック | 3.5 ミニプラグ用 | 1 | |
□ 抵抗: 100KΩ | 茶 黒 黄 金,1/4W | 2 | □ スピーカ | 71×41mm | 1 | |
□ 抵抗: 47KΩ | 黄 紫 橙 金,1/4W | 2 | □ 電池ボックス | 単3×4本 | 1 | |
□ 抵抗: 10KΩ | 茶 黒 橙 金,1/4W | 1 | □ 電池スナップ | ハードタイプ | 1 | |
□ 抵抗: 4.7KΩ | 黄 紫 赤 金,1/4W | 3 | □ ネジ(スピーカ用) | M3×10 トラス | 4 | |
□ コンデンサ: 220μF | 16V 電解 | 1 | □ ネジ(基板用) | M3×15 トラス | 4 | |
□ コンデンサ: 22μF | 16V 電解 | 4 | □ スペーサ(基板用) | 3φ×5mm | 4 | |
□ コンデンサ: 0.1μF | セラミック | 6 | □ ナット | M3 | 8 | |
□ コンデンサマイク | 9.5φ×6.5mm | 1 | □ ビニルコード | 約 30cm | 1 |
【ハンダ付け時の注意点】
「半導体」の部品は熱に弱いものが多いので,ハンダ付け時は注意が必要。
IC は,熱による破壊を防ぐため,直接設置せずに「ソケット」をハンダ付けして,完成後に IC を挿し込むことで,危険性を回避できます。
その他,トランジスタやダイオードも,ハンダ付けは素早く行うことが重要。やむを得ず「やり直し」をする時は,少し間をおき,部品の熱が冷めてから行うようにします。
IC "APR9600" 形状:28 ピン DIP |
この装置のメインの部品。ラベルを正視した状態で,手前の左端が「1番ピン」。そのピンがタクトスイッチ(SW1)に近い側にくるように設置します。ソケットもそれに合わせて,「切り欠き」が左側にくるように設置します。【ハンダ付け時の注意点】を参照。 |
IC "386" 形状:8 ピン DIP |
音を大きくする「アンプ」の部品。これも,ラベルを正視した状態で,手前の左端が「1番ピン」。ラベルを正視した状態から,時計回りに 90°回し,マイクに近い側に1番ピンがくるように設置します。ソケットもそれに合わせて,「切り欠き」がマイク側にくるように設置します。【ハンダ付け時の注意点】を参照。 |
FET "J377" 形状:PW-Mold |
音が出ていない時,「アンプ」回路への電源供給を抑制する部品。ラベル面を上,IC 386 側に向けて設置します。電界効果トランジスタ(=フィールド・エフェクト・トランジスタ,Field Effect Transistor)と言い,正式な型番は「2SJ377」ですが,トランジスタは必ず「2S-」で始まるので,よく省略されます。ラベルを正視した状態で,左から G(Gate=ゲート),D(Drain=ドレン),S(Source=ソース)の3つの端子があります。【ハンダ付け時の注意点】を参照。 |
ダイオード |
極性があるので設置時は注意。線が入っている「カソード」側を上(切り替えスイッチに近い方向)に向けて設置します。「整流器」とも呼ばれ,アノードからカソード方向にしか電流を通さない。型番は,2076A など,「スイッチング用」と呼ばれるものを使用。「録音」の操作を持続させるための部品なので,「中断可能(AE)モード」で製作する場合は省略可能。【ハンダ付け時の注意点】を参照。 |
全て極性はありません。単位は Ω(オーム)。抵抗値は色で示されます。対応は下表のとおり。
黒 | 茶 | 赤 | 橙 | 黄 | 緑 | 青 | 紫 | 灰 | 白 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
1MΩ 茶 黒 緑 金 上部中央 | 隣の 22μF コンデンサと共に,IC APR9600 の AGC(Automatic Gain Controll)機構制御用。IC のマニュアルと値が異なるのは,音質を重視したため。 |
100KΩ 茶 黒 黄 金 上部左 | IC APR9600 の CE 端子(23)プルダウン用。 |
100KΩ 茶 黒 黄 金 下部右 | IC APR9600 の M8 端子(9)プルアップ用。この抵抗によって「シナリオ・リーダー(SR)」になります。「ランダムアクセス(RA)」で使用する場合は,省略します。また,「オートリワインド(AW)」で使用する場合は,この抵抗を省略し,すぐ上にある穴と,この抵抗の下側の穴を,ジャンパ(導線)で短絡します。[→詳細] |
47KΩ 黄 紫 橙 金 下部内側 (IC に近い側) | 録音の音質と長さを決める抵抗。つまり,サンプリングの周波数を決めているようです。抵抗値を下げると音質は上がりますが,全体の録音可能時間が短くなります。逆に抵抗値を上げると,録音時間は長くなりますが,音質は落ちます。抵抗の代わりに 100KΩ くらいの可変抵抗を設置すると,録音した音声の高低を変化させる「ピッチベンド」のようなことができます。 |
47KΩ 黄 紫 橙 金 下部外側 (IC から遠い側) | 次項(10KΩ)参照。 |
10KΩ 茶 黒 橙 金 下部外側から 2番目 | 隣の 47KΩ(基板端)と共に省略して,その 47KΩ の下の穴同士を短絡すると,「中断可能(AE)」になります。このモードでは,ダイオードも省略可能です。[→詳細] |
4.7KΩ 黄 紫 赤 金 上部3箇所 | コンデンサ・マイク駆動用。 |
電気を溜める性質のある部品であるため,コンデンサの値は「容量」と呼ばれます。単位は F(ファラッド)。ただし,このままでは大き過ぎるので,一般的には,以下の2つの単位が使われます。
1μF(マイクロ・ファラッド) | =10-6 | =0.000 001F |
1pF(ピコ・ファラッド) | =10-12 | =0.000 000 000 001F |
円筒形をしたものは「電解コンデンサ」で,極性があります。リード線の長いほうが陽極(プラス),リード線が短く,本体に線が入っているほうが陰極(マイナス)です。
基板上の記号では,マイナス極のリード線を挿し込む側に,四角い枠が描かれていますので,間違いのないように取りつけてください(右写真参照)。また,電解コンデンサは背が高いので,タクトスイッチを部品面に設置してケースに取り付ける場合は,横に寝かせて設置します。(このページの先頭の部品配置写真参照)
220μF 下部右端 | スピーカへの過電流防止用。極性があるので注意。下が陰極。 聞くところによると,カーステレオなどにも同じ機能を持つコンデンサが搭載されていて,その機能が低下することによってスピーカに過電流が流れ,発火する事故が起きることがあるとか。気をつけましょう。
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22μF 上部左 (切替えスイッチ近く)
| 隣の 1MΩ 抵抗と共に,IC APR9600 の AGC(Automatic Gain Controll)機構制御用。IC のマニュアルと値が異なるのは,音質を重視したため。極性があるので注意。外側(上)が陰極。 |
22μF 上部中央 | コンデンサマイク動作安定化用。極性があるので注意。左側(切り換えスイッチ側)が陰極。 |
22μF 上部右側 (マイク近く)
| 電源バイパス用。雑音が多い時は,このコンデンサの容量を大きくすると緩和されることがあります。極性があるので注意。外側(右側)が陰極。 |
22μF 中央右 (IC 386 近く) | 386 電源供給のための FET バイパス用。雑音が多い時は,このコンデンサの容量を大きくすると緩和される可能性がありますが,あまり大きくしないほうがよさそうです。極性があるので注意。上側が陰極。 |
小さい「つぶ状」のほうには極性はありません。ここで使用するのは「セラミック・コンデンサ」と呼ばれるものです。容量は全て 0.1μF で,“104”と書かれています。これは,10×104=100000pF(ピコ・ファラッド)という意味です。
なお,このコンデンサ設置用には穴が3つあり,そのうち2つを使用します。これは,部品のリード線の幅が2種類(5.08mm,2.54mm)あり,そのどちらでも使えるようにするためです。3つのうち,線でつながっている2ヶ所は導通しているので,そのうちの片側と,残りの1ヶ所を使い,必ず描かれた「2本線」をまたぐように設置します。右の写真のどちらかのように設置することになります。
0.1μF〔104〕 上部3箇所 IC 横下 |
極性はありません。3つの穴のうち2つを使用(→解説参照)。 |
0.1μF〔104〕 IC 横上 |
極性はありません。4つの穴のうち,右端の1つを除く3つのうちの2つを使用(→解説参照)。ただし,「音量調節(VR)」をする場合は,このコンデンサを省略して,4つの穴のうちの右の2つを,リード線などで短絡して使用します。[→詳細] |
0.1μF〔104〕 (AS 用部品) IC 下 |
極性はありません。4つの穴のうち,左端の1つは「ジャンパ」で使用し,残りの3つのうちの2つを使用(→解説参照)。ただし,「オートリスタート(AS)」を使用しない(「手動リスタート(MS)」または「ランダムアクセス(RA)」の)場合は,このコンデンサは長いジャンパ線と共に省略します。[→詳細] |
コンデンサマイク |
3つの穴のうち2つを使用します。これは,2種類の部品のリード線の幅(5.08mm,2.54mm)に対応するためです。3つのうち上側2ヶ所は導通していて,陽極(プラス極)に相当します。マイクの陽極はそのどちらか片方に差込みます。残りの1つは陰極(マイナス極)を差込みます。陰極側は内側の四角で囲んであります。 部品の極性は,リード線の根元をよく見ると,片方が周囲の金属筒とつながっています。そちらが陰極で,下(IC 386 に近い側)にして設置します。 標準仕様では,マイクはケース内部に来るので,録音はフタを外して行います。 ケース外側から録音できるようにしたい場合は,直接基板に設置せず,コードを接続して別の場所に設置できるようにします。 |
ただ単に導通(短絡)させるだけの箇所のことで,導線や,部品から切り取った「リード線」の針金などを使います。
導通させたい箇所のうち,「基板パターン」では対応できない部分を補助するため,導線で離れた箇所を接続したり,あるいは,機能や設定を変更できるように,あえて「パターン」を導通させずに作り,組み立てる側がジャンパの接続の仕方によって機能を選択できるようにしたい場合などに使われます。
「ジャンパ」と呼ばれる部品も売られています。「ピンヘッダ」と呼ばれる部品と組み合わせ,組立後に,上記「機能変更」を容易にできるようにするために利用します。
長い線 (AS 用部品) |
ビニルコードを適当な長さに切って,基板左上の |
切替スイッチ近く |
このジャンパ線は,機能を決定するためのものです。特に「部品」として含まれませんので,切り取った他の部品のリード線の切れ端を,適当に折り曲げるなどして使用してください。 標準機能(TM,SR)では,J1(上段)と J2(下段),それぞれ左と中央(内側の四角で囲んだ2箇所)の穴を短絡します。 それ以外は,RA になります。[→詳細] いずれの場合も,中央の穴と,左右どちらかの穴とを短絡します。RA では,タクトスイッチ近くの 0.1μF コンデンサと,長いジャンパ線,下の 100KΩ 抵抗が不要になります。 この部分に,部品として市販されている「ピンヘッダ」と「ジャンパ」を設置すると,TM,RA(2/4/8)を切り換えて使えるようになります。 |
スイッチ類,特に「タクトスイッチ(押しボタン)」は,部品面に設置せず,ハンダ面に設置して,基板をケースに裏返しにネジ止めすることで,ケース外側から操作できるようにすることができます。
また,ランダムアクセス(RA)の4音声や8音声で使う場合は,押しボタンやジャックを追加する必要があります。
切替えスイッチ | このスイッチは,録音モードと再生モードを切替えます。左が「再生」,右が「録音」です。通常は「左(再生)」にしておきます。 標準仕様では,このスイッチはケース内部に来るので,通常は「再生」にしておき,録音時はフタを外して操作します。 ケース外側から録音できるようにしたい場合は,基板の裏面(パターン面=ハンダ面)に設置します。または,コードを接続して別の場所に設置できるようにします。当然のことながら,裏面に設置した場合は,「再生/録音」の左右の関係が逆になります。 |
タクトスイッチ (押しボタンスイッチ)
| このスイッチで,録音/再生します。他の部品と異なる,基板裏側のハンダ面(パターン面)に設置することで,ケース外部から操作できるようになります。 基板上に8つまで搭載できるように設計してありますが,端子穴から線を引出して,次項の「ジャック」を設置したり,独自に他のスイッチを使用することも可能です。線を引出す場合は,基板の印刷で細長い四角で囲まれた2つの穴から引出します。 また,オートリワインド(AW)や手動リスタート(MS),ランダムアクセス2(RA2)など,2機能の操作が必要なものを追加部品なしで製作する場合は,次項の「ジャック」と使い分けます(↓次項参照)。 |
タクトスイッチと
併用する場合 | 外部スイッチを接続して使いたい時に使用します。端子は,向かい合った2つを使用(写真参照)。タクトスイッチの端子(四角で囲んである2つの穴)からコードを引き出して接続します。 タクトスイッチと併用する場合は,下の写真のように,基板の端にあるタクトスイッチの端子からコードを引き出して接続すると加工し易いです。 この部品は基板上に設置するものではなく,ケースにネジ止めして使います(穴径 6.5mm)。ですから,まずジャックを設置したいケースの位置を,基板設置の邪魔にならないにように注意して決め,接続するコードの長さは,基板の該当の穴の位置から設置したいケースの位置まで,どのように線を引き回すかを考えて決めます。 また,オートリワインド(AW)や手動リスタート(MS),ランダムアクセス2(RA2)など,2機能の操作が必要なものを追加部品なしで製作する場合は,前項の「タクトスイッチ」と使い分けます。ジャックは「再生スイッチ」の接続に使い,タクトスイッチは「リセット」あるいは「NEXT」スイッチとして使うのが一般的と思われます。 |
電池スナップ |
スピーカ |
特に説明することもないと思いますが,「どな〜る」使用の際は,単3乾電池を4本,極性に気をつけて入れて,スナップに接続して使用してください。
ケースに入れる時は,フタ側に両面テープなどで固定してください。フタが柔らかいので,クッション付きの両面テープが適当と思われます。また,中央に「横1本だけ固定」した方が,はがれにくいと思われます。
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ケース底面の加工例は以下の通り。これは,タクトスイッチを裏(ハンダ・パターン)面に設置した場合のものです。タクトスイッチを表面に設置した場合は,組み立てるとケース内部にくるので,右下の 4φ の穴は不要です。また,赤い部分は「応用製作」の例で,標準的な製作では不要です。
なお,「ジャック」の穴は側面に設置します。乾電池やスピーカを設置するのに邪魔にならないような位置を選んで,6.5φ の穴をあけて設置してください。
赤で示した「応用製作」の例では,タクトスイッチを3つ追加して「4音声」で製作した場合と,録再切替えスイッチを裏面に設置する場合の穴の位置を示しています。もし「8音声」で製作する場合は,7.62mm ごとに 4mm の穴を8つあけることになります。
また,録再切替えスイッチを裏面に設置した場合は,マイクも外部から録音できるように工夫する必要があります。マイクは基板に設置せずにリード線を伸ばして接続し,ケースの適当な位置に穴をあけて,そこにマイクを内側から接着する……といった加工をするといいと思います。
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ここでは,実現したい機能別に,使い方と加工の仕方を記載します。
機能・操作 | 仕様-1(標準) | 仕様-2(オプション) | |
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共通 | 使い方 | ||
再生方式 | テープモード(TM) | ランダムアクセス(RA) | |
TM | シナリオリーダー(SR) | オートリワインド(AW) | |
オートリスタート(AS) | 手動リスタート(MS) | ||
中断 | 中断抑制(AD) | 中断可能(AE) | |
音量調節 | なし | 音量調節(VR) |
基板に設置したタクトスイッチ,あるいは「ジャック」を設置した場合は,そこに接続したスイッチをオンにすると,録音した音声が再生されます。
もし再生中にスイッチがオンになった場合の動作は以下の通り。
AD(標準仕様) | 無視されます | |
---|---|---|
AE | SR | 再生が中断し,次に押した時は次の音声が再生されます |
AW | 再生が中断し,次に押した時は同じ音声が再生されます | |
RA | 再生中の音声と同じスイッチがオンになった場合は,再生が中断します。別のスイッチがオンになった場合は,「ピッ」と音がしたあとに,そのスイッチに該当する音声が再生されます |
全体で 40〜50 秒程度録音可能。TM(SR,AW)モードでは,録音音声の合計の時間,RA モードでは,使用する音声の数で等分した時間が,1音声あたりの録音可能時間となります。
なお,標準仕様では,切替スイッチとマイクはケース内部にくるので,録音操作はフタを外して行います。
シナリオリーダー(SR)とオートリワインド(AW)の機能は,テープモードで動作します。複数の音声を録音することができます。録音可能時間は,合計が 40〜50 秒程度です。
録音時に,「無音」になる現象が頻繁に起こる場合,テープモードで続けて録音すると,たいへん煩わしくなることがあります。その場合は,1音声ごとに「再生」して,確認しながら録音するといいと思われます。
テープモードでは,録音した一連の音声の途中から録音し直すことができます。
テープモード(TM)で,再生スイッチを押す度に,録音した音声が順次再生されます。(⇔オートリワインド(AW))
最後に録音した音声が再生された後にスイッチが押されると「無音(実際は『ピッ』と小さい音が出る)」です。もしオートリスタート仕様だった場合は,その次に再生スイッチが押された時に最初の音声から再生されますが,手動リスタート仕様の場合は何度押しても無音なので,「リセット操作」をする必要があります。
1. 機能を決めるジャンパの配線は,左写真の通り,J1,J2 共に中央と左側の穴とをジャンパで接続します(テープモード)。ジャンパ線は「部品」としては含まれていませんので,他の部品のリード線の切れ端などを使います。 2. 基板右下の 100KΩ 抵抗を設置。
テープモード(TM)で,再生スイッチを押す度に,同じ音声が再生されます。NEXT(SW2)スイッチを一旦オンにすると,それ以降に再生スイッチを押した時は次に録音した音声が再生されるようになります。複数の音声から,どれか1つを選んで繰り返し再生したい時などに便利です。(⇔シナリオリーダー(SR))
キットに付属した部品のみでこの機能を使う場合は,SW2 にタクトスイッチを設置し,SW1 にジャックを設置するといいでしょう。
1. 機能を決めるジャンパの配線は,左写真の通り,J1,J2 共に中央と左側の穴とをジャンパで接続します(テープモード)。ジャンパ線は「部品」としては含まれていませんので,他の部品のリード線の切れ端などを使います。 2. 基板右下の 100KΩ 抵抗は省略し,下の穴とひとつ上にあいている穴を短絡します。短絡の線は「部品」としては含まれていませんので,リード線の切れ端などを使います。 3. SW2 にスイッチを設置し,NEXT スイッチとします。
テープモード(TM)(SR または AW)で,最後の録音音声の次に,「無音(EMPTY 信号。実際は『ピッ』と小さい音が出る)」があった後,最初の音声に戻す機能。再生スイッチひとつの操作で,何度でも繰り返して再生できます。
1. IC 下の 0.1μF コンデンサと,その横の長いジャンパ線を設置します。
テープモード(TM)(SR または AW)で,最後の録音音声の次に,「無音(EMPTY 信号。実際は『ピッ』と小さい音が出る)」があった後,自動的には最初の音声に戻らず,「リセット」操作が必要となる仕様。再生スイッチを何度も押してしまい,必要以上にうるさくなる場合は,この仕様にすると「無音」にすることができます。
1. IC 下の 0.1μF コンデンサと,その横の長いジャンパ線を省略します。
2. 基板左上,切替えスイッチ下の “−RST−” と書かれている両端の2つの穴からリード線を引き出し,スイッチを設置して「リセットスイッチ」とします。
以下は,付属のタクトスイッチを「リセットスイッチ」として基板上に設置する場合3. 基板パターンで,ちょうど SW7 の裏面に当たる部分に,パターンが細い部分が2箇所あるので,ここを2箇所ともカッターナイフなどで切断します。 4. SW7 の穴の上にある2つの穴(ひとつは,省略した 0.1μF コンデンサの右側の穴。ジャンパの穴ではないので注意)と,上記 2. の “−RST−” の2つの穴を片側ずつリード線で接続します。5. SW7 にタクトスイッチを設置し,「リセットスイッチ」とします。
再生中に再生スイッチがオンになっても,無視する仕様です。意に反して何度も押してしまうような場合に,再生が中断するのをふせぐことができます。ただ,長い音声を録音した時,止めたくてもその再生が終わるまで待つ必要があります。待っているのが面倒な場合は,電池を一旦抜いた方が早いかもしれません。
1. IC 下の基板右下端の 47KΩ と 10KΩ の2つの抵抗と,基板左上のダイオードを設置します(通常通りです)。
再生中に再生スイッチがオンになると中断する仕様です。RA モードで,再生中に別のスイッチがオンになると,「ピッ」と音がした後,そちらの音声の再生に移ります。
1. IC 下の基板右下端の 47KΩ と 10KΩ の2つの抵抗を省略し,それぞれの下側の穴をリード線の切れ端などで短絡します。(基板左上のダイオードも省略できますが,あっても差し支えありません)
音声と同じ数(2/4/8)のスイッチで録音再生を使い分ける仕様です。全体で 40〜50 秒の音声が録音できるので,1音声あたりの録音可能時間は,それぞれ2/4/8等分されます。
機能を決めるジャンパの接続の仕方によって,使い分けられる音声の数が決まります。
音声数 2音声 4音声 8音声 写真 J1 ●−● ● 中央と左● ●−● 中央と右● ●−● 中央と右J2 ● ●−● 中央と右●−● ● 中央と左● ●−● 中央と右使用する
スイッチSW1,SW2 SW1〜SW4
(位置がひとつおき
なので注意)SW1〜SW8 共通 基板右下の 100KΩ 抵抗,IC 下の 0.1μF コンデンサ,
長いジャンパは省略します。
1. IC 386 の裏面,3番ピンの近くのパターンが細くなっている部分を1箇所,カッターナイフなどで切断します。直ぐ近くに細いパターンが通っているので,一緒に切ってしまわないように注意。 2. 2つの IC の間にある2つの 0.1μF コンデンサのうち,上側 を省略し,右の2つの穴( “┌VR┐” で示された場所)を,リード線の切れ端などで短絡します。3. 基板右端の VR で示した3つの穴に,10KΩ ほどの可変抵抗器を設置します。基板にある中央の穴と,抵抗器の中央の端子を合わせます。写真の例では,右に回した時に音量が大きくなります。
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