2001年3月17日(土)「小説家を見つけたら」

FINDING FORRESTER・2000・米・2時間16分

日本語字幕翻訳:戸田奈津子/シネスコ・サイズ(レンズ)/dts・ドルビーデジタル・SDDS


ニューヨークのハーレムに住む16歳の黒人少年ジャマール・ウォレス(ロバート・ブラウン)はひょんなことから、ほとんど外出もしないでボロ・アパートに住む伝説の小説家ウィリアム・フォレスターと知り合う。すっかり厭世家となっていたフォレスターの心を開いたジャマールは、やがてライターとしての天賦の才能を見いだされ、物書きとしてのテクニックを教わるのだが……。

78点

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 「バカー・ヴァンスの伝説(The Legend of Bagger Vance・2000・米)」のようにたくさんの示唆に富むセリフの数々。そのままストレートに物書きのヒントとしてもいいだろうし、人生一般の秘訣の暗喩としてとらえても良いと思う。珠玉の言葉はかならずや見る人の心に浸透し、なにか自分にヒントを与えてくれるはず。

 監督が「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(Good Will Hunting・1997・米)」というより酷い出来だったリメイク版「サイコ(PSYCHO・1999・米)」のガス・ヴァン・サントということで、ちょっと賭けではあったのだが、結論から言えば素晴らしい映画に仕上がっていたのではないだろうか。

 素晴らしいが、印象は「グッド・ウィル……」と全く同じ。天才的な少年が才能を見いだされ、悪意のある誤解を経て大きく成長していく物語。そして16歳と世捨て人となった71歳老人(演じるショーン・コネリーの年齢と同じととすれば)の友情の物語。アレリカはよくこういった年齢を超えた友情というのをよく描く。日本ではたぶん無理だろう。年功序列の縦社会ではこんなに年齢の離れた友達づきあいは成立しない。むしろ師弟関係のようになってしまうはずだ。

 本作は出演もしているショーン・コネリーが惚れ込んで、自ら出演とプロデューサーも務めている。


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 2週目の初回、銀座の劇場は45分前で0人。あらら……。アメリカでの評価も高く、前評判もいいというのに。しかも公開後1週間はたっているというのに。ちょっと地味なのかも。

 それを証明するかのように、40分前になって並び始めた人は6人とも初老といった感じの人ばかり。男性4人の女性2人。30分前になってようやく10〜12人になった。しかし20代の若い人は0。待っている人で一番若い人は、せいぜい30代後半。なるほどねえ。

 30分前に開場。初回のみ全席自由。12席×6列の指定席にも堂々と座ることができる。人が増えだしたのは15分前になってから。最終的には20代の若い人たちもちらほら現れて、756席の3割ほどがどうにか埋まっただけ。人気ないなあ。地味ながらいい映画なんだけどなあ。


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