2001年4月1日(日)「ダブル・デセプション ―共犯者―」

DOUBLE DECEPTION・2001・米/日・1時間24分

日本語字幕翻訳:杉山 緑/ビスタ・サイズ/モノラル?(クレジットなし)


アメリカ・ロサンゼルス。ボディーガード兼運転手のルーク(ルイス・マンデーラ)の目の前から、マリア(星野マヤ)が誘拐された。しかしマリアは、娘の誘拐を恐れる日系企業の社長、尾崎(中田浩二)に雇われた替え玉だった。そのため尾崎は、殺すと脅す誘拐犯からの要求に全く応じようとしない。そこで責任を感じたルークは、本物の社長の娘、梨沙(菊川 怜)を誘拐し、人質交換を申し出ようとするが……。

(ごめんなさい4月6日まで。なんと1週間上映)

71点

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 日米合作のハリウッド映画。一見ありふれたアクションものかと思うと、だまし、だまされ、ストーリーは二転三転。なるほどそうなっていたのか。誘拐がビジネスになっているという部分は、つい最近「プルーフ・オブ・ライフ(Proof of Life・2000・米)」でも描かれたばかりのネタ。なかなかホットです。

 主演は、東大出身のアイドル、菊川 玲。美人というよりはぽっちゃり系のかわいいタイプ。彼女を想定して書かれた脚本家もしれないが、まさにお嬢様という役柄にピッタリ。それでいて銃の撃ち方はウマイ。実弾射撃の練習をしたのだろうか。結構手になじんでいる。

 しかし、ちょっとしか出ていないが、強い印象を残すのは替え玉を演じた星野マヤ。あやしい魅力がなかなかグッド。リムジンの中でシャンペンか何かを飲む姿は艶やかでドキッとした。

 アメリカ側の出演者は、主役にオーストラリア出身のルイス・マンデーラという人。知らないので調べたら、テレビやB級出演の多い人だったが、いい味を出している。敵役に「ビバリー・ヒルズ・コップ(Beverly Hills Cop・1984・米)」で、エディー・マーフィーの友人役で最初に殺されたジェームズ・ルッソ。そして、あの怪優、いるだけで不気味な怖さを醸し出すウド・キア。本作でも不気味な役で、怖い。しかもカウボーイのカッコがミスマッチというか、逆に凄みになっているところが、ウド・キアたるゆえん。すぐに殺されてしまう警備員というちょい役だが、あのマーチン・シーンの兄弟であるジョー・エステベス。最近エミリオ・エステベスの姿を見かけないが、どうしたのだろう。

 気になったのは、主人公たちが乗るオンボロ車が運転席側のドアに銃弾を受けたのに(穴が開くカットもある)、その後出てくるとずっと弾痕が無くて、ラストのジャンクヤードでの銃撃戦になると復活すること。そして、主役のルークが持っている銃が、M92になったりガバメントになったりと変わってしまうこと。残念だ。どちっちの銃もシルバーの塗装がはげかかったボロで、いかにも警察を追い出されて警備などの仕事をやっているしがないフーテン(死語?)ですといった風情なのがよかったのに。

 公開初日は大川監督と菊川怜の舞台挨拶があるというのでパスして、翌日行った。40分前オバサンが2人いたが、時間があるからお茶でもとか言ってどこかへ行ってしまった。

 それで開場時間の開演20分前になったら、当日券の列にオヤジが3人。やっぱりここでもオヤジか。菊川怜狙いの若い男はいないのか。そういう人たちはもう昨日来てしまったということか。ということは、今日来ているのはかなりディープなファン層か。

 プログラムは作られていなかったが、菊川怜のサイン入りメイキング写真集というのが先行販売で2,500円で売っていた。この客層で買う人がいるのかなあと思っていたら、ちゃんとオヤジが買っていて、ちょっとビッリクリ。

 最終的に、355席に50人ほどの入り。20代の若い男性が5人ほどと、オバサンを含む女性が3〜4人。あとはすべて35以上とおぼしきオヤジたち(自分もそうだが)。オヤジは映画界の雑草か。どこにでもいる。ただ、はじめからオヤジを狙ったような映画にはオヤジはいかないだろうなあ。オヤジのひとりとしてそう思う今日この頃である。



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