2001年4月8日(日)「タップ・ドッグス」

BOOTSMEN・2000・豪・1時間35分

日本語字幕翻訳:松浦美奈/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル

アメリカではR指定(成人映画)

オグデン兄弟は小さい頃からタップ・ダンスに親しんで、2人で賞など取ったこともあった。そして大人になった現在も、製鋼所に勤める弟のショーン(アダム・ガルシア)はダンスが人生の中心にあったが、兄のミッチェル(サム・ワーティングトン)は車の窃盗に手を出し、パーツを売った金で自分のトラックを買おうとしていた。そんなとき、2人は美しい美容師のリンダ(ソフィー・リー)と出会う。彼女はショーンを選ぶが……。

77点

1つ前へ一覧へ次へ
 ノレる。体が動き出す。カッコいい。でも、ちょっと悲惨な話ではあって、こういうミュージカル系の話にはよくあること。ひとことで言ってしまえば、オーストラリアを舞台にした、青年版「リトル・ダンサー(Billy Elliot・2000・英)」だ。

 舞台が寂れた鉄鋼の街(炭坑の街)で一家の男は全員ここで働いている。主人公たちはダンスが人生の転機となるのに、父の強硬な反対に遭う。男がやるのはラグビーで(ボクシング)、父によって強制的にやらされている。

 通常であれば、メイン・ストーリーの流れである若者の立身出世物語というのが常道。しかし、それに兄と弟の三角関係、裏切り、鉄工所の閉鎖という最大の試験、挫折、妊娠……といったわりとドロドロした、いわばミュージカル映画に良くあるようなドラマを追加して、単なるタップ・ダンス映画に終わるところを、身近な問題として青年の成長の過程を付け加えた。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】



 ちなみに「タップ・ドッグス」とは監督のデイン・ペリーが主宰する型破りなスタイルのタップ・チームの名前で、この映画とは直接関係ない。デイン・ペリーは2年連続でローレンス・オリヴィエ賞最優秀振付賞を受賞しているという。詳しくは公式サイトをお読みいただきたい。原題は、ワークブーツに鉄板を貼り付けてタップを踊るところから付けられたのだろう「ブーツメン」だ。邦題はボクにはよくわからない。

 公開2日目の初回、45分前に着いたらひとりだけ。あれれ、やっぱりTV-CMとか打たないと来場者は少ないのか。シャンテという3つのミニ・シアターがある中、一番最悪の「3」での上映。ガッカリ。ここは客席の床がフラットでスクリーンも低いために、前の席に人が座ると頭がジャマになるのだ。できるだけ左右の端に座るしかない。混まなければどうにかなねが……。ちなみに経験から言うと、この劇場で前席の人の頭をよけられるのは、左右端から4列まで。それより中にはいると、字幕が下に出るなら読めなくなるのを覚悟しなければならない。

 開演30分前に開場したときは、オヤジ3人、オバサン1人という感じ。しかし、徐々に人が増えてきて、20分前には若いカップルが2組の、中年以上が6人の10人へ。男女比は4:6で女性が多い。特にオバサンが目立つ。でも、この映画こそ若い女性向きなんじゃないかなあ。主役のアダム・ガルシアは「コヨーテ・アグリー(Coyote Ugly・2000・米)」でもセクシーでハンサムな二枚目を演じていたけれど、美形でダンスがうまいのだから見て置いて損はないと思うんだけど。要注目でしょ。

 最終的に192席に40人くらいの入り。よかった、字幕が下でも読めた。ファミリーで来ていたところもあったが、内容は浮気と妊娠など大人向きなので、子供連れというのはいかがなものか。アメリカでは成人映画のR指定だ。親の責任が問われると思う。日本ではなぜかレイティングされていない。これまたいかがなものか。裸だけをチェックしていればいいというものではないだろう。暴力、不適切な言葉などでも、ちゃんとレイティングすべきなのではないだろうか。ボク自信は規制というのは大嫌いなんだけど。


1つ前へ一覧へ次へ