2001年11月17日(土)「リベラ・メ」

LIBERA ME・2000・韓・1時59分

日本語字幕翻訳:根本理恵/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル


刑務所から1人の男(チャ・スンウォン)が仮釈放で出所してきた。その直後、刑務所内のボイラー室が爆発、炎上した。6カ月後、プサン市のあるビルが放火と思われる爆発によって炎上した。クムジョン消防署の84分隊は、逃げ遅れた人たちを救うため炎の中に飛び込んでいった。

72点

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 「シュリ」から始まった韓国映画のニュー・ウェーブ(フランス語で言えばヌーベル・バーグか)。本作も過去の韓国映画とは一線を画す。作風が国際的。言い換えると、雰囲気はハリウッド風、スピリッツは日本的(ウェット)+韓国風という感じか。

 一言で言ってしまえば、これはやはり韓国版「バック・ドラフト」でしょ。異常者の放火とそれを止めようとするヒーローの闘いという側面はあるにしても、火をここまで生物のようにリアルに描いたのはやっぱり「バック・ドラフト」とイメージがダブる。

 とにかくスゴイのは、町中のビルが本当に炎を上げて燃えていること。ヘリからの俯瞰ショットはどう見てもCGには見えない。煙の感じ、飛び散る破片、熱気がどう見ても本物。

 チラシを見たら、本当に建物を燃やして撮影したらしい。使用したLPガスが6トン。6トンですよ、6トン。今回新たに釜山市に設立されたフィルム・コミッションの全面支援を得て実現したのだという。そういえば、冒頭のビルの火災も凄かったが、ガソリン・スタンドの炎上も凄かったもんなあ。セットかと思ったら前を大きな道路が走っているし、遠景が本物だもの。韓国映画がスゴイわけだ。東京にもようやくフィルム・コミッションができて撮影しやすくなったらしいが。なんでもフィルム・コミッションができて最初の大作作品がリュック・ベッソンの「WASABI」らしい。

 それに、ほとんどスタンマンを使わず、危険なシーンも俳優自身が演じているのだから、これもまたリアル。その意気込み、体当たり演技の迫力が伝わってくる。

 ただ、ストーリーとしては凡庸で、あまり感動もしない。ラストはなんだか「ブレード・ランナー」のハリソン・フォードとルトガー・ハウアーの闘いのようだったし。

 それにしても、こういう映画が撮れる韓国がうらやましい。

 公開初日の2日目、35分前に付いたらロビーにはすでに30人くらいの人。ほとんどが30代以上という感じだ。男女比は6:4でちょっと男性が多い。まあアクションだし。

 指定席は10席×5列。結局、中年カップルが2組だけ座った。

 最終的に552席に3割弱の入りはちょっと寂しい。ほとんどはオヤジで、20代以下の若い人は1割いただろうか。しかもその若い人は女性の方が多かった。


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