2002年2月16日(土)「無問題2」

無問題2・2001・香/日・1時56分

日本語字幕:写植、下/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル

http://www.moumantai2.com/
空想癖のあるケン(岡村隆史)はパチンコ屋の1万人目の入場者になり、賞品として香港旅行を手に入れる。ところが香港についてホテルに向かうと、とんでもないボロ・ホテルで、怪しい人物が宿泊している。人違いで仇と間違われ、殺し屋と間違われ社長令嬢由美子(酒井若菜)に接近するが逆に一目惚れしてしまう。

70点

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 うーん、うなってしまう。はたしてこれは面白いのか、つまらないのか。素晴らしい出来だった前作に比べれば月とスッポン、それほど違う。といって、つまらないというのではない。次から次へと事件が起こる大冒険談。別世界へ紛れ込んでしまった感じもある。ただ、一言でいえば子供向き。喜んでいたのは1人だけいた小学生のみだった。

 3時間くらいあるような印象があるのは、面白いからなのか、その逆なのか判然としない。そういう映画。やっぱりプロデューサーが同じだけで監督が違うと、おなじような作品には仕上がらない。チン・ガーロウ監督はスタントマンから役者になった人で、ブリジット・リンのハード・アクション「スウォーズマン 女神伝説の章(東方不敗・1992・香)」にも出ているらしい。98年に初めて監督を務めたのだとか。うーん。よくわからん。

 ただ、異世界に入り込んだ冒険談という雰囲気はあって、それを楽しむというのであればよくできた映画だと思う。つまり「無問題2」でないのならば。

 いいのは、岡村隆史は当然として、やはり永遠の青年も歳を取ったなあのユン・ピョー(この人も監督の経験あり)と、その妹を演じた歌手でもあるキャンディ・ロー。何とツイ・ハーク監督の「ドリフト(順流逆流・2000・香)」に出ていたとは。どっかで見たとは思ったけど。付け歯をしてブス役を熱演してます。まっ、サム。リーはいつも通り、ひょうひょうとしてギャグをやってるって感じ。特に悪くも良くもない。一番日本語がうまいかも。

 一番の悪役、ベンを演じている台湾生まれのコリン・チョウも良かった。彼はいるだけで剣呑な感じがして、スゴイ存在感。この憎らしさは貴重。ツイ・ハーク監督の激しいアクション活劇「ブレード/刀(The Blade・1995・香)」にも出演していたらしい。見たような記憶はあるが……。

 フィルムの画質は日本映画よりいい。ハリウッドに近い画質になっている。どうして日本ではこれが出せないのか。香港も韓国も、多くの映画人がアメリカで学んでいる。日本人より英語の壁をたやすく超えられるらしく、どんどん留学している。おそらくそのおかげなのだろう。良くも悪しくもハリウッド調の絵になるわけだ。ボクは好きだが。

 パロディ……というより有名映画の「真似」があちこちに散りばめられている。わかりやすいので探すまでもないが、楽しみの1つではあるだろう。

 ラストのスタッフ・ロールで香港アクション映画お約束のNG集付き。残念なのは、そのNG集があまりおもしろくないこと。これだと、あんまり入れる意味がないと思うんだけど。

 公開2週目の2回目、1時間前に着いたらさすがにロビーには誰もいない。入口で時間がありますがいいですかと、念を押されてしまった。外出できませんよって。そりゃ脅しかい。

 30分前くらいから20代の男性など現れて、人が徐々に増えだした。20分前で若い男性を中心に8人ほど。15分前にようやく若い女性も2人ほど。5分前、せまいロビーは20人ほどの人で息苦しくなってきた。しかもタバコをすっているヤツが多く、煙い。

 最終的に209席の6割半ほどが埋まった。オヤジの比率と若い女の子の比率がほぼ同じくらいで、ちょっと意外な感じはした。オヤジは「2」だけに前作の雰囲気を期待したのかもしれない(ボクもその口だが)。残念でした。別物と思えば、まあね。

 タイトル・バックのアニメと、ラップのテーマ・ソングは良かった。


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