日本語字幕:手書き、下/関 冬美/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル
(米R指定、日本指定なし)
前途有望な新進女優のベティ(ナオミ・ワッツ)は、女優の叔母がカナダ・ロケで家を空ける間、借りることになるが、着いてみると誰もいないはずの家に怪我をした記憶喪失の女(ローラ・エレナ・ハリング)がいる。同情したベティは彼女の記憶を取り戻すため、手がかりを辿っていくが……。
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デイヴッド・リンチ・ワールド炸裂。再び「ツイン・ピークス(Twin Reaks・1990・米)」のあの不気味でミステリアスな世界が現出する。「メメント(Memento・2000・米)」で驚いた人はこれを見よ、デイヴッド・リンチを見よ。ただし、「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間(Twin Peaks : Fire Walk Wth Me・1992・仏/米)」が受け入れられなかった人は、本作もダメかもしれない。独特の世界観、最後の大どんでん返し。幾通りにも解釈可能な複雑な物語構成と映画文法。散りばめられた謎のキー。ボクは完全にはまってしまった。デイヴッド・リンチは天才だ。 そして何より、ボクお気に入りの「タンク・ガール(Tank Girl・1995・米)」でジェット・ガールを演じていた絶世の美女、ナオミ・ワッツが出ているというだけでボクは0K。あれはブルネットだったが、今回はブロンド。ホントはどっちなの? しかも今回はオール・ヌードで激しいベッド・シーンまであるのだから、これはお金を払わなければ。 ストーリーについて書き出すとおもしろさが半減してしまうので、詳しくは書けないが、全く関係なくバラバラに思えたいくつものエピソードが、最後の最後で1つになる快感。解釈はいくとおりにもできるが、自分の納得できる解釈ならそれで良いと思う。 公式サイトによれば、この作品は「ツイン……」のように連続ものTV番組として考えていて、そのパイロット版だけが制作されたということだ。ところがそれを見たABCの重役が凍結を決定、オクラになるかと思えた時、親交のあったフランスのプロデューサーが映画としてリメイクすることを申し出てくれて、こうして形になったという。この時点でデイヴッド・リンチは結末まで考えていなかったらしい。ここまで複雑怪奇な展開を、快刀乱麻を断つごとくキチッと解決してみせるのは天才の証だろう。うーん、そうくるかあ。ちょっと「ユージュアル・サスペクツ」を思い出してしまった。おっとっと、これ以上はダメ、ダメ。 最後の最後、スタッフ・ロールが終わった後に、パスワードが出る。これを公式サイトにアクセスして入力すれば、1つの解釈のページが見られるようになっている。わけがわからなかったという人や、自分の解釈との違いをみてみたいという人はアクセスすることをお勧めする。しかし、絶対に人からパスワードを聞いて、映画を見る前にここを見るようなことはしないように。 公開2週目の初回、新宿の劇場は日曜のみ9時40分からの回があり、この回は当日券なら1,000円均一。でも、これってなんだかなあ。普通は割引は最終回じゃないの。前売り券を持っていても、いい席を確保するには朝一に行かなくてはならず、それが混むととっても辛いんだけど。 40分ほど前に着いたら、下のシャッターも開いておらず、20代から30代前半10人ほどが寒空の下に並ばされた。35分前くらいにシャッターが開き、上の階へ移ったが、入場はできず15人ほどはさらに待たされることに。 ようやく20分前ほどに開場し、この時点で50人ほどに。10分前で、224席の7割ほどが埋まった。オヤジも増え出す。最終的に指定席なしの224席ほぼ全席が埋まってしまった。なかなか人気があるようだ。男女比はだいたい半々で、年齢層的にも若中高とほぼまんべんなくいた。 |