2002年2月24日(日)「マリー・アントワネットの首飾り」

THE AFFAIR OF THE NECKLACE・2001・米・2時間00分

日本語字幕:手書き、下/古田由紀子/シネスコ・サイズ(ARRIのマスク)/ドルビーデジタル
(米R指定、日本指定なし)

http://www.necklace.jp/
(いきなり音楽が出るので要注意)
18世紀フランス。王家の名門ヴァロア家に生まれたジャンヌ(ヒラリー・スワンク)は、父が王の方針に反対したため家財を没収され、その父まで殺害されてしまう。やがて母も後を追うように亡くなると、ジャンヌはヴァロア家を復興するため、ニコラ伯爵(エイドリアン・プロディー)の妻となる。そして、自分の家ばかりかプライドも将来も奪った王家に復讐するため、あらゆる手段を使って王妃マリー・アントワネット(ジョエリー・リチャードソン)に取り入ろうと画策する。実際にあった事件を映画化。

69点

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 うーん、フランスの物語をどうどうと英語で語りきってしまうあたり、何の工夫もなく、おごっていると取られてもしようがないだろう。日本人キャストで中国ロケして中国の歴史を描くようなもの。違和感の固まり。唯一の見所は豪華な衣装だろうか。

 監督兼プロデューサーはチャールズ・シャイアという人で、これまでに「花嫁のパパ(Father of the Bride・1991・米)」や「アイ・ラブ・トラブル(I Love Trouble・1994・米)」を監督し、脚本家としても活躍しているという人。だいたいロマンチック・コメディが多いので、本作のようなシリアスな歴史物を手がけるとは意外だった。もし、コメディだったらフランスのお話に英語でもOKだったとは思うけど。

 主演のヒラリー・スワンクは、つい最近「ギフト(The Gift・2000・米)」に出ていたが、さかのぼれば「ボーイズ・ドント・クライ(Boys don't Cry・1999・米)」でいくつもの女優賞を総なめにしたひと。やっぱり王妃というよりは、どこか影があって日影の身っていうのが似合う。「ギフト」でも、家庭内暴力を受ける妻の役だったし。「ベスト・キッド4(The Next Karate Kid・1994・米)」でも心を閉ざした少女役だったし。

 驚いたのは、007「トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies・1997・英/米)」のジョナサン・プライスが、小悪党の枢機卿として出演していること。大作とは思えないのに、すごいキャスティング。

 怪しい占い師、カリオストロ伯爵を演じるのは、「ディア・ハンター(The Deer Hunter・1978・米)」の名優、クリストファー・ウォーケン。

 好色貴族レトーを演じるのが、傑作「楽園をください(Ride With The Devil・1999・米)」や火星探査映画「レッド・プラネット(Red Planet・2000・米)」のサイモン・ベイカー。

 被害者的に描かれているマリー・アントワネットには、アメリカ建国映画「パトリオット」でメル・ギブを陰で支える女性を演じたジョエリー・リチャードソン。101でも、一方のダルメシアンの飼い主を演じていた、どちらかといえばおとなしい感じの女優さん。

 まあ、結局、衣装が豪華で、出演者が豪華でも、できあがった映画は必ずしも豪華にならないということだろうか。

 公開2週目(8日目)の2回目、さすがに日がたったせいか1時間ちょっと前についたら自分1人だけ。数が少なくなってきたアナログ館ではしようがないか。30分前くらいから高校生カップルなどボチボチ人が来だして、それでも10人くらい。

 人が少なかったせいか、整列もさせられなかった。15分前、前回が終了して場内に入るときで15人ほど。最終的に指定席なしの360席の4割ほどが埋まっただけ。

 男女比は4対6で若い女性が多く、ほとんどは中年か若い観客のみ。ハイティーンから大学生くらいが多めで、中高年は1/3といった感じ。若い人たちに受ける要素が何かあるんだろうか。「ベルバラ」が流行っていた頃ならわかるが……。

 前売り券を買うと、「ベルサイ湯」という入浴剤が1袋もらえたんだけど、これって単なるウケ狙い? 中高年の観客向け? かえって印象を悪くしているかも。


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