2002年8月4日(日)「アイス・エイジ」

ICE AGE・2002・米・1時間22分

日本語字幕:写植下、石田泰子/ビスタ・サイズ/ドルビー・dts
(米PG指定)

http://www.foxjapan.com/movies/iceage/
http://www.compaq.co.jp/products/alphasystems/iceage/

地球が氷河期になろうとしていた太古、ほとんどの生き物が冬になると南へ移住する送っていた。しかし、傷心のマンモスのマンフレッド(レイ・ロマノ)と、家族に置いてきぼりにされたナマケモノのシド(ジョン・レグイザモ)はひょんなことから一緒に北へ向かうことになる。そして途中で人間の女性から赤ん坊を預かるはめになる。ところがその赤ん坊を狙うサーパント・タイガーの一味が跡を追跡していた。

84点

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 やっぱり飛行機内のビデオ上映より、遙かに美しく、音も高品位で、感動もでかい。ギャグは似たようなものだったけど(つまらないわけじゃない。もちろんおもしろい)。

 これまた映画の王道のようなロード・ムービーで、映画誕生の頃からの定番中の定番。「スチュアート・リトル2(Stuart Little 2・2002・米)」のようにミイラ取りがミイラになるというお話で。とにかくすばらしいのは、個性的なキャラクターが実によく描かれていて、どのキャラクターも魅力的なこと。だから感情移入がしやすく、ファミリー映画とはいえ、何カ所か涙がこぼれてしまう。涙もろいボクだけではなく、まわりでもたくさんの人たちがグシュグシュやっていた。

 すでに飛行機の中で見ていたにもかかわらず、劇場で見直すと感動の大きさが違う。劇場ではのめり込んでみるからなのだろう、展開がわかっていても素直に感動できて、涙が出てしまう。笑わされるところがとても多いのも効いている。だからキツイのは泣かせのシーンの直後のギャグ(主に)。観客は泣いていいのやら笑えばいいのやら、困ってしまう。なんだか泣き笑い状態になるわけで。

 もちろん技術はすばらしい。毛皮が風になびく様子とかとてもリアル。色遣いも美しいし、透明な氷の表現や水などずば抜けている。これはレイ・トレーシングでもなく、ラジヤシティでもない、モンテカルロ・レイ・トレーシングという、現時点では究極のレンダリング手法だそうで、Compaqの64ビットCPUを搭載したAlphaServerを512台、3テラバイトのストレージを使って、18カ月かけて実現したそうだ。

 この辺の話はCompaqのホームページに詳しい。やたら動きまくるフォックス・ジャパンのホームページより情報量が多いくらい。うーむ。

 リスとネズミをかけ合わせて創造されたスクラットがとにかくおかしい。セリフがないので低級な生物という設定なのだと思うが、この1匹だけでも映画ができそうなくらい。なんでも、設定では1日の半分はどんぐりを探していて、のこり半分を隠したどんぐりを探すのにあてているそうだ。

 監督はチラシなどではクリス・ウェッジだけになっているが、IMDbではカルロス・サルダナいう人との共同監督になっている。クリス・ウェッジはCGアニメの先駆となった「トロン」に参加し、「エイリアン4(Alien: Resurrection ・1997・米 )」に参加し、「Bunny・1998・米(未)」で認められ、本作に至っている。一方のカルロス・サルダナは「Bunny(未)」のモデラー&ア二メーター、「ファイト・クラブ(Fight Club・1999・米)」のアニメーション・スーパーバイザーを経てきた人。

 ナマケモノのシドの声が、白人ではなく、黒人ともちょっと違うなあと調べたら、「スポーン(Spawn・1997・米)」や「ボディ・カウント(Body Count・1996・米)」などのジョン・レグイザモ。彼はコロンビア生まれのヒスパニック。そうか、あの味はまもなくアメリカにおける黒人の人口を超えるだろうと言われているヒスパニックゆえだったのか。独特の雰囲気で、憎めなくって、いいです。

 公開2日目の3回目(字幕版初回)、45分前についたらロビーには中高年が6〜7人。そのうち女性は1〜2人だけ。30分前になって12〜13人に増え、若いカップルが目立ち始めた。20分前に前回が終了し中へはいるころ、さらに若いカップルが増えた感じ。全体では50人ほどになっていただろうか。

 最終的には406席に2割程度の入り。うーん、こんなものでいい映画だとは思えないけどなあ。もっともっと人が入ってもいい映画なのに。泣けるし、笑えるし、きれいな映画なのに。すばらしい3Dの技術を見るためだけだって価値のああ留映画だと思うけどなあ。まちがいなく大人も楽しめるんだから。


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