日本語字幕:写植下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)
ジョージ(ケビン・クライン)は離婚して1人暮らし。別れた妻(クリスティン・スコット=トーマス)は子連れ再婚しているが、16歳になった息子(ヘイデン・クリステンセン)は反抗期で非行の道をたどろうとしていた。そんな時、コンピューター化を理由に、建築事務所での模型作り職を失ない、さらにガンで余命3ヶ月と診断される。ジョージは手をつけづにいた長年の夢、自分の家を自分で建てることを決心し、息子を無理矢理連れてきて手伝わせるが……。
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父親がガンでなくなるという話は、自分の父親を思い出させるので見るのがずっとためらわれてきた。しかし、結局見ることにした。アメリカ映画なので、邦画や欧州作品と違ってウェットなものではないだろうと、とうとう決心したのだ。 予想通り、カラッとしたドラマだった。設定はこれほどないという最悪のものなのに、ギャグも散りばめられ、美しい風景と美しい曲、そして過剰すぎない役者の感情表現や演出が、奇妙なさわやかさまで生み出している。 それは「アメリカン・ビューティ(American Beauty・1999・米)」を彷彿とさせるようなひどい状況。離婚、非行、だまし、裏切り、SEX、不倫、ドラッグ、男の売春、失業、死へと至る病……なんせアメリカでは成人指定(R指定)。しかし、「アメリカン……」と決定的に違うのは、それを実にあっけらかんと描いていること。決して肯定しているのではないが、必要以上に否定的にもとらえていない。ということはつまり、アメリカではよくあることの寄せ集め状態なのだろうか。 明るい音楽と、海辺の美しい風景。まるで絵のような夕焼けは、信じられないほどだ。登場人物は、いずれも大きな問題を抱えながらも、根っから陽気なアメリカ人という感じ。普通はこれだったらコメディになるところ。そして、のっけから小さなギャグが散りばめられ、コメディになりかけている。 「スター・ウォーズ エピソード2(Star Wars Episode 2・2002・米)」ではダイコンにしか見えないヘイデン・クリステンセンが、実にいい。各賞を総なめにしたのがわかる気がする。もちろん、主演のケビン・クラインもいい。ちょっと胸毛から腹毛にかけてが濃すぎる気はするが。 別れた妻を演じる「イングリッシュ・ペイシェント(The English Patient・1996・米)」のクリスティン・スコット=トーマスも、どこか優柔不断な感じが良く出ていて良かった。ただ、彼女は「イングリ……」いらい、いつも不倫的薄幸の女という役のイメージで固定されてしまった感はあるけれど。 公開3週目の2回目、45分前のついたら新宿の劇場のロビーには若い女が3人にオヤジが1人。30分前になって15〜16人になったが、それでもやはり男性は1/3ほど。残りはほとんど20代の女性たち。若い男性も、どちらかというと女性に連れてこられたという感じ。 前回終了の5分前に列を作らされた。しかしすでにロビーはいっぱいになりつつあり、遅すぎた感あり。もっと早く整列させないと。入場すると、以外に母娘が多いのに気づいた。この時点ですでに305席の5割が埋まった。 |