2002年10月19日(土)「9デイズ」

BAD COMPANY・2002・米・1時57分

日本語字幕翻訳:手書き下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

〈アメリカPG13指定〉
http://www.movies.co.jp/9days/index.html

チェコ共和国のプラハで、携帯型核爆弾の商談が進められようとしていた。マイケル・ターナーことCIAのケヴィン・ポープ(クリス・ロック)と同じくCIAのゲイロード・オークス(アンソニー・ホプキンス)は、トラブルから銃撃戦に巻き込まれ、ケヴィンが死亡してしまう。武器密売人のロシアン・マフィア、ヴァス(ピーター・ストーメア)と連絡が取れるのはケヴィンだけだったことから、ケヴィンの双子の弟ジャック・ヘイズ(クリス・ロック、二役)に白羽の矢が立てられた。

72点

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 実際にソ連の崩壊により40数個の携帯型核爆弾が消失したと言われている。軍事ジャーナリストの人に聞いた話では、ロシアに取材に行ったとき、ホテルの部屋のドアがノックされ、アタッシュケースを見せながら「プルトニウム買わないか」などと言ってきたという。そんなものに入れて持ち歩いて、放射能が漏れているかもしれないので早々にお引き取りいただいたそうだ。

 そういう話を下敷きに、核の恐怖を描いたのが本作、ということにはなるのだろう。ただ「アルマゲドン(Armageddon・1998・米)」と「パール・ハーバー(Pearl Harbor・2001・米)」のプロデューサー(どちらも監督はあのマイケル・ベイ)、ジェリー・ブラッカイマー作品だから、想像はつくだろう。もちろん手がけたすべての作品が先の2作品のようなものばかりというわけではないけど。

 監督は、「縮みゆく女(The Incredible Shriking Woman・1981・米)」「セント・エルモス・ファイアー(St. Elmo's Fire・1985・米)」「ロストボーイ(The Lost Boys・1987・米)」「フラットライナーズ(Flatliners・1990・米)」「フォーリング・ダウン(Falling Down・1993・米)」「依頼人(Rhe Client・1994・米)」「評決のとき(The Time to Kill・1996・米)」「8mm」といろんなジャンルで話題作の多いジョエル・シューマカー。つまり、そんな感じの作品だ。

 一番気になったのが、クリス・ロックのジャー・ジャー・ビンクスなみに勘に障る声と話し方。カン高くて、まるでヒステリーのよう。何かしゃべるたびにイラついてしまう。日本人の耳と西洋人の耳とでは聞き取りやすい周波数に違いがあるというから、そのせいかもしれないが。

 もちろんアンソニー・ホプキンスはうまいし、出ているだけで存在感があって映画が締まる。もしこの相手役がクリス・ロックではなくウィル・スミスとかだったら(「エネミー・オブ・アメリカ(Enemy of the State・1998・米)」と似た感じになってしまうかもしれないが)もっと楽しめたと思う。逆になぜクリス・ロックだったのか。

 9デイズというタイトルもあまりいただけない。日数のタイトルは過去に比較的ヒットしているものの(「北京の55日」)、最近はあまり芳しくない。「シックス・デイ(The 6th Day・2000・米)」「6デイズ/7ナイツ(Six Days Seven Nights・1998・米)」など……「13デイズ(Thirteen Days・2000・米)」はおもしろかったけど。

 チェコのプラハが舞台ということで、ヨーロッパの銃が登場する。アンソニー・ホプキンスが使うSIGザウエルP226、第二次世界大戦を引きずるクラッシックなワルサーP38、ドラグノフ・スナイパー・ライフル、SIGザウエルのSSG3000らしきスナイパー・ライフル、一瞬なのでよくわからないが、Vz26サブマシンガン(チェコ製)に、これまた未確認ながらカールグスタフm/45サブマシンガン(スウェーデン製)かスペクトラM4サブマシンガン(イタリア製)という珍な銃チラリ・オン・パレード!!

 公開初日の初回、新宿の大劇場には50分前で5人。45分前になったら15人に増えた。40分前ころから増えだして50人くらいに。30分前に開場したときには100人以上になっていた。

 男女比は半々で、20代の若い人は1割程度。中高年が目立って多い。女性の方がやはりやや若い。

 初回のみ10席×3列×2(左右)と10席×2のぴあ席もすべて自由席。最終的に1,288席の6割程度しか埋まらなかった。 


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