Red Cliff: Part II


2009年4月12日(日)「レッドクレフ Part II ―未来への最終決戦―」

RED CLIFF: PART II・2009・米/中/日/台/韓・2時間24分

日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/監修:鈴木真理/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35)/ドルビーデジタル

(香IIB指定)(日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://redcliff.jp/index.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

曹操(そうそう、チャン・フォンイー)軍80万に追いつめられた連合軍5万は赤壁で最後の戦いに挑む。孫権(そんけん、チャン・チェン)の妹・尚香(しょうこう、ヴィッキー・チャオ)は男装し曹操軍にまぎれハトを使って情報を送り続ける。そして蹴鞠で曹操の目に留まり隊長に取り立てられた孫叔材(そんしゅくざい、トン・ダーウェイ)と知り合い友人となる。やがて曹操軍に疫病が蔓延、曹操は兵士たちの死体を火葬にせず、わざと船に乗せて対岸へ流す。それと知らない連合軍の兵士たちはその船から武器を奪い、村人たちは衣服などをはぎ取ったことから、連合軍内にも疫病が起こってしまう。それを理由に、決戦を前だというのに劉備(りゅうび、ユウ・ヨン)軍2万は兵を一旦引いて立て直すと言って去ってしまう。残ったのは孔明(こうめい、金城武)ただひとり。そこで、孔明は決戦に備えて10万本の矢をそろえてみせると豪語する。それに対して周瑜(しゅうゆ、トニー・レオン)は水軍を指揮する蔡瑁(さいぼう)と帳允(ちょういん)の2人の首を取ってみせると宣言。2人の策はうまくいくが、怒り狂った曹操は総攻撃に出ようとする。風水に長けた孔明は、夜半になれば風向きが変わると予言。曹操の攻撃を遅らせれば勝機はあるという。それを聞いた周瑜の妻、小喬(しょうきょう、リン・チーリン)は、単身曹操のもとを訪れる。

73点

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 うーん、スゴイ。一言でいえば、前振りは長いが、戦争映画。もの凄い戦闘シーンの連続がメイン。さすが後編。音響も映像もスゴイ迫力。手も切断されて落ち、血が飛び散るなどバイオレンスもそれなり。そしてキッチリと完結させてみせる。しかも、この後、劉備軍と孫権軍が敵同士として戦うことを予期させて終わる。

 それでいて、ちゃんとそれぞれにドラマを入れ、感動的な話に仕上げている。たいていは戦闘シーンとストーリーを追うのに精一杯となり、人間が描かれなくなるものだが、さすがにジョン・ウーはそんなことはしない。

 ただ、いかんせん、展開に無理がある部分が多い。それは原作に忠実なためなのかもしれないが、明らかに怪しい尚香を弟分のように思う叔材が助けてくれたりするのはどうなんだろう。男女関係ならば納得もしやすいが、友達だからなあ。文章表現では成立しても、映像になると成立しなくなることは多い。見ている最中に気になると、どうにもノリ切れない。そこが惜しい。あるいは字幕では対応しきれないために、説明不足となって不自然さを感じるのかもしれない。内容を深く理解するには吹き替え版の方が良いだろう。

 日本版だけなのか、パート1同様、冒頭に日本語による同時の情勢・状況、主要な登場人物の説明がある。これには違和感がないわけではない。より理解しやすいようにという配慮なのだろうが、こういうのはDVDなどの家庭向け販売品におまけとして付けてくれると嬉しい。あえて劇場公開版にはなくてもいい気もする。

 登場人物はほとんどパート1と同じ。ちょっとか出てこなかったのでパーツ2で活躍するのかと思った曹操の愛人、驪姫(れいき)は、ほぼ出番なし。期待していたのに……。新しい人物は孫叔材を演じたトン・ダーウェイかと思ったら、パート1にも出ていたらしい。

 曹操の前で演じられる舞の面が、目が4つあるような怖いもので、すごく印象に残ったが、これも出てきたのはその一瞬のみ。残念。そして小喬役のリン・チーリンがめちゃくちゃ美しいこと。美人だよなあ。

 公開3日目の初回、前日に座席を確保しておいて、20分前くらいに着いたら新宿の劇場は開場済み。スクリーンはビスタで開いていて、10分前くらいから案内を上映。予告が始まっても続々と人が入ってきて、6.5割くらいだったのが本編が始まってからも入ってきて最終的には607席の8割暗いが埋まった。

 下は母に連れられた小学生くらいからいたが、メインは中高年。若い人は少々。男女比はほぼ半々くらい。歴女はいたんだろうか。歴女って日本史のみ?

 半暗で始まった予告で気になったのは……織田裕二主演のなかなかタイトルが出ないフジテレビ映画は上下マスク「アマルフィ 女神の報酬」は、イタリアで発生する日本人少女誘拐事件らしい。全編イタリア・ロケなんだとか。ちょっと期待。

 上下マスクの「パニッシャー:ウォーゾーン」は新予告に。なかなかのアクション。ひょっとしたら面白いかも。「鴨川ホルモー」は人気漫画の実写化で単なるナンセンス・ギャグものかと思ったら、意外とCGは本域で、しかもホントにおもしろそう。

 スクリーンが左右に広がって、これまた最後までタイトルがでなくて覚えられない「消されたヘッドライン」は、ラッセル・クロウ、ベン・アフレック、ヘレン・ミレンらが出演するミステリー・アクションのよう。陰謀と報道という構図らしい。おもしろそう。ニコラス・ケイジの「ノウイング」も、内容は全くわからないが突然旅客機が墜落してきたりして、何が起こっているのかと興味をそそられる。

『レッドクレフ Part I』はこちら


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