Kaiji 2


2010年11月6日(日)「カイジ2 人生奪回ゲーム」

2011・日本テレビ放送網/ホリプロ/東宝/読売テレビ放送/バップ/D.N.ドリームパートナーズ/講談社/ヒント/STV/ MMT/SDT/CTV/HTV/FBS・2時間13分

シネスコ・サイズ( Sony、デジタル)/ドルビー・デジタル


公式サイト
http://www.kaiji-movie.jp/index.html
(全国の劇場リストもあり)

前作ですべての借金を返し自由の身になったはずの伊藤カイジ(藤原竜也)は、なぜか再び借金まみれとなり、「帝愛」の地下で強制労働させられていた。しかし、地下の仲間全員のお金を託され、2週間だけ地上に出る権利を得る。カイジはこの2週間で預かった109万円を2億円にし、仲間たちの借金を帳消しにするつもりだった。そしてカイジとの戦いに敗れ地下に落ちたはずの利根川(香川照之)と出会い、掛け将棋で勝ったら109万を2億にする方法を教えてやるといわれ勝負するするが、5万円をまんまと取られてしまう。その代わりに利根川は「帝愛」が経営する裏カジノの場所を教えてくる。そこには1発4,000円の「沼」と呼ばれる難攻不落のパチンコ台があり、一番下の最後の穴に玉を入れれば、それまでに溜まった約11億円分の玉が出てくるという。その時、大手ゼネコンをリストラされて「沼」攻略をめざす坂崎(生瀬勝久)が声を掛けてくる。坂崎はスパイを裏カジノに送り込んでいるという。それが石田裕美(吉高由里子)で、3人で「沼」に挑むための資金3,000万円を手に入れるため、新ブレーブ・ロードに挑むことに。

73点

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 なかなか面白い。原作通りなのかはわからないが、ほぼ100%玉が出ないパチンコ台を、いかに攻略するのか。仲間さえも信じられない状況で、一発逆転を掛けるスリル。そしてラストのカタルシス。

 攻略する仕掛けも見事だし、「沼」のセットもすばらしい。音響だってクリアで、サラウンドがリアルすぎて、思わず横を見てしまうほど。絵も、一部ビデオのように低コントラストで白っぽいところがあったが、ほかはやや暗めながら細部まできちんと捉えられており、コントラストも高く力強かった。

 若干、展開に疑問がないではなかったが、信じられなくなるほどではなかったのでOKか。1つ気になったとすれば、一般人が体験できないいろんな経験を積んできたはずのカイジが、ちょっとしたことで大げさに驚くことか。こんな性格(気質)ではギャンブルには向かないのでは。ポーカー・フェイスができないではないか。

 完全にすっきり出来ないのは、たぶんこの話のベースが「ギャンブル」だということ。犯罪者というわけではないが、ギャンブルで借金を作り、周りの人たちに迷惑を掛けた人たち。基本、地道に働こうというような人は1人として出てこない。一獲千金を狙う人たちばかり。そこかな。

 主演の藤原竜也は前作「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009・日)に引き続いての出演。この前に「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」(2010・日)に出ていて、ハード・アクションの「カメレオン」(2008・日)や、同じく漫画が原作の「DEATH NOTEデスノート」(2006・日)にも出ている。注目されたのは「バトル・ロワイヤル」(2000・日)からだろうか。

 今回の直接の敵となるのは伊勢谷友介。NHK大河ドラマの「龍馬伝」で高杉晋作を演じていた。映画では漫画原作の「あしたのジョー」(2010・日)の力石であったり、日本の西部劇「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(2007・日)などちょっとエキセントリックな役が多いような。ボク的には「伝染歌」(2007・日)が強烈だった。フェルナンド・メイレレス監督の「ブラインドネス」(Blindness・2008・加/ブラジル/日)にも木村佳乃とともに出ていた。

 前作の敵、利根川は香川照之。TVも映画も出まくりという印象。「龍馬伝」「あしたのジョー」「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」も出ている。最近だと話題作の「アンフェアthe answer」(2011・日)も「SP革命編」(2011・日)も出ている。コミカルや役から悪党まで何でも演じられる人。父が市川猿之助で母が浜木綿子で、離婚があったものの東大卒というエリートだったとは。

 原作・脚本は漫画家の福本伸行。「カイジ」シリーズは累計1,800万部にのぼるのだとか。ほかに脚本は山崎淳也と大口幸子の2人。山崎淳也は日テレの「高校生レストラン」(2011・日)や日テレの「金田一少年の事件簿」(2001・日)などを手掛けており、大口幸子はテレ朝の「コールセンターの恋人」(2009・日)を手掛けている。最新作はこれから公開される「逆転裁判」(2011・日)。

 監督は佐藤東弥。聞き覚えのある名前だなあと思ったら、映画監督、佐藤純彌の息子だとか。なるほど。日テレの「金田一少年の事件簿」(1995〜)や「ごくせん」(2002〜)を手掛け、映画は「ごくせんTHE MOVIE」(2009・日)から。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で金曜に確保。15分前くらいに開場になって、場内へ。小学校高学年くらいが非常に多く驚いた。最終的には6割くらいが小学生という感じ。残りが中高年。ヤングマガジンって小学生が読むんだろうか。男女比は6対4くらいで男性が多め。ここでもケータイは迷惑。ライト代わりに使うな。

 気になった予告編は……「はやぶさ」の映画って3本くらいあるの? もう混乱しまくり。画面が左右に広がってシネスコ・サイズになってから、ゲームが原作の「逆転裁判」が実写映画化されるらしい。


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