下谷教会のステンドグラスについて。

 下谷教会礼拝堂の左右にある大きな窓について、新会堂建築の計画段階からステンドグラスを入れたいとの希望がありました。しかし、先に会堂建築会計の返済、パイプオルガンの奉献があり、その計画は先延ばしされてきました。そして会堂建築10年目、2011年12月に礼拝堂側面のステンドグラスが与えられました。私たちは下谷教会礼拝堂にステンドグラスを奉献することによって、礼拝堂が深く静かに祈りを捧げる場となることを願います。なにより神への感謝と喜びを讃える豊かな礼拝を捧げたいと願います。さらには、ステンドグラスに描かれた聖書の物語を通して、次の世代への信仰の継承が行われる事を私たちは願っています。何よりすべての人に開かれた教会となることを証ししていきたいと考えます。神の恵みに感謝します。

2010年11月24日

バロック訪問、ステンドグラスをどのように制作するかについて、見学をした。
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2010年12月5日

臨時総会にてステンドグラスの設置が決議され、直後の役員会にてステンドグラス設置委員会が発足され、委員として辻秀治牧師、黒沢正人、吉田純一の3名が任命された。

2010年12月23日

下谷教会で打ち合せ開催(バロック臼井社長、辻秀治牧師、黒沢、吉田) ステンドグラスの設置を決議した事、それに至るまでの経緯を説明し正式に発注することを報告。黒沢兄が下谷教会の基本構想を説明し、お互いの意思統一を行った。2010年9月30日行った辻両牧師とバロックとの打ち合わせに基づき、今後のデザインのたたき台となるサンプルデザインを確認。方向性としてプロテスタント教会のモチーフを使ったデザインで進める事にし、モチーフは下谷教会から提案する事にした。取材に関しての進捗にかかわらず、製作は2011年内に行うことを確認。
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2011年1月22日

バロック訪問、ステンドグラス製作の環境や工程を確認。(黒沢、吉田)

2011年4月3日

役員会で東日本大震災に伴いステンドグラス設置に対し、地震が続き不安定な状況が続いている事、震災の年にステンドグラスを設置する事の対外的な心象を考慮し、中止または延期すべきではという意見があり、バロックの状況確認と意見を聞くことにした。

2011年4月9日

バロック訪問 震災による被害状況の確認と下谷教会の意思を説明(吉田) 工房の直接的な被害はなかったが、施工予定の建物が被災し、設置の予定が立たず製作が中断している状況であるとの報告があった。下谷教会の役員会で出された意見に対しては、下谷教会の判断に委ねるとの回答があった。その上で、もし製作が可能であれば工房としては震災の思いを込めて製作をしたい、ステンドグラスは100年単位で伝わるものなので、今回の震災を忘れないように、後世 まで伝えていけるようなものを製作したいとの考えを伝えられた。

2011年4月10日

役員会でバロックでの打ち合わせ内容を報告。被災直後と言うことで混乱はしているが、設置は年末であり、その頃には落ち着いているだろうという予測と、バロックの工房は被災していないが、震災によって予定されていた製作がストップしていると言う意味では間接的には損害を被っている事を考慮し、予定どおり製作をお願いする事を決定した。

2011年6月7日

下谷教会礼拝堂の設置するサッシの寸法確認のため、バロックの臼井社長が来会正式に契約書の取り交しを行なった

2011年7月28日

下谷教会にてバロック臼井社長と打ち合せ。設置委員会で選定押したモチーフ(旧約聖書から7案、新約聖書から6案)を提示し、ステンドグラスとしてのデザイン性や色のバランスなどを考慮し12のモチーフをデザイン案としてバロックに提出した。
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2011年9月16日

下谷教会にて打ち合せ(バロック臼井社長、辻秀治牧師、黒沢、吉田) デザイン案のカンプがバロックより提示され、確認した。そのうちパンと魚・虹・いちじくの葉のデザインについて修正をお願いした。

2011年10月9日

役員会にステンドグラスのデザイン案を上程し協議を行なった。羊・波・十戒の石版に対して意見があり、十戒の石版のデザインのみ再検討することにし、それ以外のデザインは承認された。

2011年10月27日

設置委員で十戒の石版に代わるデザインを協議し、オリーブの葉を代案として役員会に上程する事にした。

2011年11月19日

バロックに訪問し、ステンドグラスの現物確認を行い承認した(辻秀治牧師、木村多恵子姉、黒沢、吉田)実際の作業状況を確認し、ビデオ撮影を行なった。製作が予定通り進捗していることを確認した。
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2011年11月26日

ステンドグラス設置の為の足場に関する打ち合わせを下谷教会で行い、12月19日に足場の組立、12月20日 にステンドグラスの設置工事、12月22日に足場の撤去を行うことを決めた。

2011年12月11日

役員会にて19日の訪問および26日に決定した施工スケジュールの報告を行なった。

2011年12月19日

足場工事
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2011年12月20日

ステンドグラス設置工事完了
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2011年12月22日

足場撤去

2011年12月25日

クリスマス礼拝で辻秀治牧師より、ステンドグラスのデザイン説明をしていただき、感謝の祈りを捧げた。その後の祝会でバロック臼井社長を紹介し、感謝の意を表した。
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ステンドグラス解説

 礼拝堂の講壇を正面に、右手に三つの窓があり、左手に三つの窓があり、それぞれに十二枚のステンドグラスが取り付けられた。そこに、それぞれ六つのモチーフが描かれている。
 まず右手には旧約聖書の物語を想起するデザインが六枚描かれている。上段右から、雲間に刺す天からの一筋の光、オリーブをくわえた鳩、虹である。そして下段の右から、オリーブの実、燃える芝、そしていちじくの実である。
 左手には新約聖書の物語を想起するデザインが六枚描かれている。上段右から、星、子羊を抱く羊飼い、麦の穂である。下段には三つ尾パンと二匹の魚、荒れ狂う波、ブドウの実である。

旧約聖書のモチーフの解説。

1)
「雲間に刺す天からの一筋の光」

雲間から刺す一筋の光は、神がこの世を創造された出来事を表す。神は最初に「光あれ」と話された、するとこの世の混沌に光が生じた。光は混沌に秩序を生み出し、秩序はこの世界を作った。神は自分と同じように生きる存在として人を創造された。

2)
オリーブをくわえた鳩

オリーブをくわえた鳩は、ノアの物語を描いている。神はこの世の人々の堕落に心を痛め、ノアとその家族、ひとつがいづつの動物を箱船に乗せ、この世を洪水の水で覆った。彼らだけが生き残った。洪水の水が引き始めた時、ノアは鳩を天に飛ばした。そして鳩はオリーブの枝をくわえて戻ってくる。ノアはその枝を見て、水が引いたことを確認した。

3)

虹も、ノアの物語に由来する。神はノアにもう二度とこの世を洪水の水で満たし、この世を滅ぼさないと契約する。その契約の証拠として、雨が上がった後に、空に、天と地を結ぶ美しい虹を架けると話される。

4)
オリーブの実

オリーブの実は、イスラエルの民の実りの象徴である。オリーブの実から取った油は、非常時に純度が高く、祭司や王がその職に就くときに、預言者は彼らの頭にオリーブの油を注いだ。」そして「メシア」救世主とは、「油注がれた者」と言う意味の言葉である。

5)
燃える芝

モーセはエジプトからミディアンの地に逃れる、そこで羊飼いとして生活する。彼は迷い出た羊を探すために、シナイ山に入ったとき、そこに燃える芝を見つける。モーセは不思議に思い、その芝に近づくと、神の声がモーセに望み、履き物を脱ぐようにと求め、自らが神であると語る。そして、モーセに、エジプトに捕らわれている自分の民を解放するように求めるのである。

6)
いちじくの実

いちじくはイスラエルを祝福する七つの産物の内の一つとなっていて、繁栄と平和のシンボルとなっている。まやアダムとエバはその葉を綴り合わせて腰を覆うものとした。もう一つ。旧約聖書には病を癒す薬として役割も描かれている。ユダヤ王ヒゼキアが死の病にかかったとき、イザヤは「干したいちじくを取ってくるように」と部下に命じ、それを患部に当てると、ヒゼキア王は回復する。

新約聖書のモチーフの解説。

1)

羊飼いは毎晩羊の番をしながら星を見ていた。星は瞬き、動き、物語を語る。そして主イエスキリストの誕生を三人の博士に知らせたのも星である。その星は、新しい世界の始まり、希望、神がこの世を救われる事を表した。

2)
子羊を抱く羊飼い

羊飼いは100匹の羊の内、たとえその一匹が迷い出たとしても、その迷い出た羊を必死になって探す。そして見つけたときに喜ぶのである。神の恵みも私たちにの一人も疎かにすることなく与えられている。私たちは主イエスの胸に抱かれたとき、平安の内に置かれるのである。

3)
麦の穂

麦は、神の恵みの象徴である。しかし、同時に死と復活の象徴でもある。主イエスは「一粒の麦が地に蒔かれ、死ねば、多くの実を結ぶ」と話された、その様に、主イエスの十字架のしによって、そして復活によって、私たちは真理に生きる者へと変えられるのである。

4)
三つ尾パンと二匹の魚

主イエスは五千人の人々の空腹を三つのパンと二匹の魚で満たされた。私たちは、食べものに依ってのみ生きるのではなく、神の話される言葉、その一言一言によって生かされるのである。私たちが本当に満足し、満たされるのはこの世の何ものかに依ってではなく、ただ神からの聖霊によって心を満たされた時だけなのである。

5)
荒れ狂う波

この絵には舟は描かれていない。なぜなら私たちのいる礼拝堂が舟であり、そこから見た外が嵐の湖なのである。私たちは荒れ狂う嵐の湖の上に浮かぶ舟として、この礼拝堂を与えられているのである。主イエスは恐れる弟子たちを叱った様に、私たちもこの世の荒波に恐れることなく、主イエスに信頼し、委ね、生きるのである。

6)
ブドウの実

「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。わたしにつながっている枝で実を結ばないものは、父がすべてこれをとりのぞき、実を結ぶものは、もっと豊かに実らせるために、手入れしてこれをきれいになさるのである。」の言葉の通り、私たちは主イエスに繋がり、そこから養分をいただき、水をいただき生きる者である。私たちが主イエスに繋がっているなら、私たちは実を結ぶことが出来る。神は私たちがその枝に繋がっている限り、私たちを大切に手入れして下さるのである。