RuneQuest Companion紹介

3. 妖術

妖術(Sorcery)

妖術はルーンや神々から力を得るのではなく世界の法則と自らの知識に基いて 魔術を行使します。基礎的な能力だけではその力は微々たるもので、上達す るには非常に時間がかかりますが、技術を極めると妖術は恐るべき力となります。

博士: ということでマングース版RuneQuestにもRQ3と同じく妖術(Sorcery)が 存在します。

ゆき: Sorcery の訳語は「魔道」となっていませんでしたか。

博士: そうなんだが、HeroWars では西方の魔法は教会の魔法使いである Wizard と はぐれ術士の Sorcerer とが区分されているんだけど訳語が魔術師と魔道師で 少し混乱していたので「魔道(Wizardly)」、「妖術(Sorcery)」と使いわけると いいかなと。

妖術呪文の学習

妖術師(sorcerer)になるためには師匠や書物から呪文を学ぶ必要があります。 妖術(Sorcery)の呪文はそれぞれ個別の高等技能(Advanced Skill)として修得 する必要があります。通常の高等技能と同じように成長ロール2回分を消費して 初期値[INT+POW]で獲得でき、その後は 練習(practise)や研究(research)によって上達させることができます。

博士: 特に師匠と《師弟の契り》を結ぶ必要はないみたいだ。

誠二: 呪文ごとに学習が必要なところはRQ3と同じですね。 師匠がいなくても魔道書があれば呪文を学べるのかな。

ゆき: 最初は魔道書の読み方を誰かから学ばないと。

覚えることのできる呪文の数は能力値INTの値が上限になります。

博士: MRQだと操作の上限にFree INTは関係なくなったのでINTいっぱいまで 呪文を覚えても問題はないかな。

ゆき: 技能を上達させるのが困難になったからそんなに覚えるのは大変です。

妖術呪文の投射

妖術呪文を投射するには両手で動作ができなければならず、 呪文を詠唱する必要があります。呪文を投射する場合は個別の呪文技能を ロールします。妖術呪文の投射には原則としてマジック・ポイントは必要ありません。

呪文にクリティカル成功した場合は呪文に対する解呪(Dispel)やカウンター (Counter)に-10%ペナルティがつきます。呪文にファンブルした場合は1D6ポイ ントのマジック・ポイントを失います。

誠二: おお、ファンブルしない限り呪文にMPが必要ないんだ。

博士: 後述の呪文の操作をするためには別途MPが必要になるけど、 それにしてもコストパフォーマンスは抜群過ぎで、ちょっと問題有りだ。

妖術呪文の投射時間(Casting Time)

呪文の投射には呪文ごとの投射時間(Casting Time)分の戦闘行動が必要になり ます。呪文を投射している間は移動力(Movement)の半分の速さでゆっくりと移 動する以外は何も行えません。

ゆき: 強力な呪文ほど投射時間が長いと。この辺はルーン魔法と同じですね。

また敵に隣接されている時に呪文を投射しようとした場合は毎ラウンドフリー 攻撃(Free Attack)を受けます。このフリー攻撃でダメージを受けたら精神 抵抗(Persistence)に成功しなければ呪文に失敗します。中傷(Serious Wound)や 重傷(Major Wound)を負った場合には呪文は自動的に失敗します。

誠二: これもルーン魔法と同じですね。

妖術呪文の特性

妖術呪文は後述の操作により特性が大きく変化しますが、操作のない状態だと 全ての呪文は強度(Magnitude)1、持続時間は術者のPOW分間、 到達距離は術者のPOWメートルになります。

博士: RQ3の場合は10分、10mで固定だったのがPOW依存に変更になっているけ どそれほど大きな変更はないよ。

呪文の消去(Dismiss)

自分の投射した持続(Duration)や永続(Permanent)の呪文は1戦闘行動を使用し て消去するこができます。持続時間が集中(Concentration)の呪文は戦闘行動 を消費しなくても集中を解くだけで消去できます。

ゆき: これもルーン魔法や神性魔法と同じですね。呪文の扱いは整理されて 綺麗になっていますね。

呪文を過充填(Overcharging)する

呪文に追加でMPを費やすことにより以下のように呪文を増強することができます。

  • 呪文に対して抵抗(Resist)する場合1MPの増強ごとに-10%のペナルティ がつきます。

一方で投射は困難になり1MP増強するごとに投射の際の呪文技能と投射中にダメージ を受けた場合の精神抵抗(Persistence)に-5%のペナルティを受けます。呪文の投射 に失敗した場合にも増強に使用したMPは全て消費されます。

博士: 妖術も神性魔法やルーン魔法と同じ扱いで増強できる。

誠二: でも効果は抵抗対策だけで持続時間や強度は増えないんですね。

博士: 妖術の持続時間や強度は操作技能で簡単に増やせるので 増強は必要ないからじゃないかな。

操作(Manipulation)技能[INT+POW]

妖術呪文は操作(Manipulation)と呼ばれる個別の魔法技能でその特性を変化さ せることがでます。これらの技能は通常の高等技能と同じように修得でき、 練習(practise)や研究(research)によって上達させることができます。 呪文の操作の上限は技能の高さで決まります。

誠二: 待っていました。これがないと妖術(Sorcery)とは言えませんね。

博士: 相変らずというか、どっちかというとRQ3以上にルールが壊れているけど。

ゆき: FreeINTやMPではなく技能で上限が決まるようになったんなら、かなり マシじゃないですか?

博士: その点はそうなんだけどMPコストの問題がね...。

操作を行う場合には操作1種類ごとに1MPが必要になります。また呪文と操作技 能は同時に1回のロールで判定します。成功した操作のみが効果を現します。

ゆき: これって呪文の投射に成功したけれでも操作には失敗したということ もありえるのかな。

博士: そうだね。RQ3だと操作に失敗すると呪文ごと失敗だったんだがMRQだと 原則として操作していない状態で投射される。

強度(Magnitude)操作[INT+POW]

操作(強度)技能で呪文の強度を変化させることができます。呪文の投射と 同時に操作(強度)技能に成功すれば、操作(強度)技能の10%ごとに強度を 1まで操作することができます。この操作には最終的な強度によらず追加 で1MPが必要にな ります。

誠二: FreeINTが関係なくなったから技能を上げれば上げるだけ操作が できるようになったわけか。

ゆき: 個々の呪文の技能が高くなくても操作(強度)技能さえ高ければ 強力な呪文を唱えることができるのか。かなり危険ですね。

博士: それよりもMPが関係なくなったこと、つまり、どんなに操作して も1MPしか必要ないというのが問題なんだ。強度5で投射しようが強度10で 投射しようが1MPしか必要ないから。

誠二: そうか、操作(強度)が100%あればDamage Boosting 10が1MPで投射できたり、 大抵の呪文が1MPで中和(Neutralise)できたりするのか。すご過ぎる。

持続時間(Duration)操作[INT+POW]

操作(持続時間)技能で呪文の持続時間を変化させることができます。呪文の 投射と同時に操作(持続時間)技能に成功すれば、操作(持続時間)技能の10%ごと に持続時間がPOW分間まで延長できます。延長時間によらず追加で1MPが必要に なります。

ゆき: RQ3では倍々に増えて爆発していたことを考えると、ずいぶん控え目 になりましたね。

博士: それでも100%まで鍛えれば2〜3時間持続させられるので、他の魔法 系統と比べるとかなりアドバンテージがあるよ。

誠二: 妖術は持続時間を1週間とかにできたのが魅力だったんだけど。 ここは残念だなぁ。

距離(Range)操作[INT+POW]

操作(距離)技能で呪文の到達距離を変化させることができます。呪文の 投射と同時に操作(距離)技能に成功すれば、操作(距離)技能の10%ごと に到達距離をPOWメートルまで延長できます。到達距離によらず追加で1MPが 必要になります。

ゆき: こっちもRQ3では倍々に増えていたので、かなりの弱体化です。

博士: たった1MPしか必要ないことを考えると、こんなもんじゃないかな。

誠二: 操作(距離)を100%まで鍛えてやっと数百メートルということは、 逆に鍛えておかないと呪文が届かなくて困ることになりそうだ。

目標(Target)操作[INT+POW]

操作(目標)技能で呪文の目標の数を増すことができます。呪文の 投射と同時に操作(目標)技能に成功すれば、操作(目標)技能の10%ごとに 呪文の目標の数を1人または1つまで増やすことができます。目標の数によらず によらず追加で1MPが必要になります。

また別の方法として操作(目標)技能50%ごとに呪文の目標を半径5メートル の範囲内の全員に拡大できます。

ゆき: なるほど操作(目標)が十分に高ければ1MP追加するだけでパーティ全員 に1度に呪文を投射できるということですね。

博士: そういうこと。妖術は鍛えるのは大変だけど成長すれば手をつけられ ない強さになるという点では前作以上だ。

誠二: というか戦士とかもで予備の武器を覚えるかわりに得意な妖術呪文を 1つか2つ(と強度操作)を持っておくと強いかもしれない。

合成(Combine)操作[INT+POW]

操作(合成)技能を使用すると同じ目標に対して異る種類の呪文を同時に 投射することができます。呪文の投射時間は投射する呪文の中で最も 遅いものになります。同時に投射する呪文の数によらず追加で1MPが必要 になります。

個々の呪文の成功率が高い場合でも全ての呪文の成功率は操作(合成)技能までが 上限になります。さらに同時に投射する呪文の数ごとに呪文技能と全ての操作技 能に-10%のペナルティを受けます。投射は1回のロールで判定し成功した呪文だけ が効果をあらわします。

誠二: 合成は他の操作に比べて少し大変だな。

博士: たくさんの呪文を同時に唱えようとすると成功率が下がる仕組だ。 他の操作にも同じような制限があった方が良いと思うんだけど。

alley cats © 2006-2007. update: 2007-09-09 14:49:58+0900