RuneQuest Companion紹介

5. 精霊

精霊(Spirit)

精霊(Spirit)は肉体を持たず目に見えない存在で、通常は 精霊界(the Spirit World)に住んでいます。強力な呪文で物質界に 召喚されますが、なかにはゴーストやレイスのように物質界の特定 の場所に呪縛されているものもいます。

誠二: その前に聞きたいんですが精霊魔法ってなくなったんですか。

博士: ルーン魔法がRQ3の精霊魔法相当だから、精霊専用の魔法種別はないみたいだ。

ゆき: 呪術師(shaman)のルールも見当りませんね。呪術師好きなのに。

博士: Cult of Glorantha volume 2に精霊系のカルトが載る予定があるので、 そこで紹介されるかもね。ところでなぜ祈祷師でなくて呪術師なんだい。

ゆき: 「祷」の旧字体が出ないからというのは冗談で、何となくですが 呪術師の方がニュアンス的に正しい気がします。

誠二: あいかわらず変な所にこだわるな。カタカナで「シャーマン」でいいじゃん。

普通の精霊は基本的に肉体を持つ者の目に見えず音も立てませんが、精霊に 攻撃された場合は攻撃が失敗したとしてもその存在に気付くことができます。 精霊どうしの場合は互いを見ることができます。

博士: 当然といえば当然だけど精霊は目に見えない。

誠二: で、 目に見えない状態のまま攻撃をしかけることができのか。 かなりの脅威ですね。

精霊(Spirit)の能力値

精霊は肉体を持たないのでSTR, DEX, CON, SIZの能力値を持っておら ず、POW, INT, CHAのみを持っています。それで精霊は通常の呪文の対象 になりませんが精霊を特別に目標とした呪文や、POW, INT, CHAを対象と した呪文の影響を受けます。

博士: 精霊の能力値の種類が統一されて、全ての精霊が INT, POW, CHA能 力値を持つようになった。

ゆき: むう。病の精霊とかでもINTやCHAを持っているんですか。

博士: そうみたいだね。まあゴープでさえINT 1とCHA 1を持っているのだから 問題はないと思うけど。

精霊(Spirit)の属性値

精霊には一つの身体部位しかなくヒット・ポイント(HP)はマジック・ポイント(MP)と 同じくPOWと同じ値になります。精霊のダメージ修正値(Damage Modifier)はSTR+SIZの かわりにCHA+POWで決まります。

ゆき: 今回は精霊にもヒット・ポイントやダメージ修正値があるんですね。

精霊の戦闘行動数(Combat Actions)はDEXではなくINTで決まります。ストライク・ ランクはINT+CHAになります。精霊の移動速度(Movement)はPOWメートルです。

誠二: ストラインク・ランクは平均ではなくて合計なのか。ほとんど場合は 精霊が先手を取ることになるなぁ。移動速度もすごく速い。

精霊(Spirit)の技能

精霊は鑑定(Evaluate)、説得(Influence)、知識(Lore)、知覚(Perception)、 歌唱(Sing)の技能を持ちます。回避(Dodge)と隠密(Stealth)を初期 値[20+INT]で、精神抵抗(Persistence)を 初期値[20+INT]で持ちます。 さらに素手(Unarmed)[CHA]、 近接武器(close combat weapon)[CHA+INT]、 遠距離武器(ranged weapon)[INT]を持っています。

博士: 精霊も多くの技能を持つようになった。肉体がないので基本的に 精神系の技能ばかりだけど。

ゆき: 基本的にって、精霊って武器持てませんよね。どうして武器技能なんか 持ってるんですか?

博士: 次の精霊戦闘で説明があると思うけど擬似的な精霊の武器を使うんだ。

精霊戦闘(Spirit Combat)

精霊は他の精霊や肉体を持つものの魂に直接攻撃をしかけることができます。 精霊は通常と同じように武器による攻撃(attack)、回避(Dodge)、受け(parry)を 使って戦闘を行います。

精霊の使う武器は視覚上のもので本物の武器ではなく精霊の能力の 一部です。それで武器の種類のよらずダメージ修正(Damage Modifier)分だけの ダメージ(最低1)を与えます。また精霊が視覚的に鎧を着ていたとしても鎧も 精霊の一部なのでダメージを減少させることはできません。

誠二: 精霊戦闘が通常の戦闘ルールと同じ解決方法になったんですね。それで 精霊が武器技能を持っているのか。

ゆき: だけど精霊なので武器のダメージや鎧による減少はなくて ダメージ修正だけで戦うということですね。

精霊から肉体を持つものへの攻撃

精霊が精霊戦闘で肉体を持つ者を攻撃した場合、精霊の能力で肉体を持つ者の 魂を攻撃したことになり、武器や盾で受け(Parry)をすることができず、鎧も 効果がありません。

魂への傷は肉体に影響を与え、命中した部位に本物の傷ができ実際にヒット・ ポイント(HP)が減少します。

博士: ここはRQ3とかと比べて大きく変更になった点で精霊に攻撃を受けると 実際にHPが減るようになった。

ゆき: これは大問題です。前はPOWが高ければ精霊戦闘は何とかなったけれども、 受けも鎧も無効で実ダメージを受けるなんて危険過ぎです。

博士: 一応、精霊の攻撃も回避(Dodge)はできるの、がんばって回避するしかないね。

肉体を持つものから精霊への攻撃

精霊は魔法的なダメージや精霊界からダメージを除いてはダメージを受ける ことがありません。このため通常の武器で精霊を攻撃したとしても効果があり ません。精霊を攻撃するためには魔法のかかった武器が必要で、その魔法の 分だけダメージを与えます。

博士: 鋭刃(Bladesharp)2がかかっている剣で攻撃した場合には、命中ごとに 2ポイントだけダメージを与えるられるということだ。

精霊は目に見えないので、何らかの魔法的な手段で精霊を視覚できなければ、 攻撃に-40%のペナルティを受けます。またダメージを与える呪文は精霊にも 効果がありますが投射するためには目標が見えている必要があります。

博士: RQ3までは精霊戦闘で攻撃を受ければ取りあえず反撃はできたんだけ ど、MRQでは精霊を見るための魔法と攻撃するための魔法が必須なので注意 が必要だ。

誠二: ぐう..。魔法なしだと精霊の攻撃に反撃すらできないということだよね。 ついにマリア様の時代ということか。

ゆき: 違う!。いや違わないかもしれないけど、それは嫌ぁあ!。

ダメージ回復と消散(Dissipated)

ダメージを受けて減少した精霊のヒット・ポイント(HP)はマジック・ポイント(MP)と 同じペースで自然回復します。

ダメージにより精霊のヒットポイントがゼロになった場合には精霊は 消散(dissipate)させられます。精霊の種類によっては永久的に消散されますが、 ゴーストのように再生(Recurring)能力を持つ精霊の場合にはPOW時間後 にHP 1で復活します。

誠二: 精霊にもHPができてたけれども回復速度は今までと同じということか。 いんちきだ。

ゆき: その上、再生能力まで持っているなんて。 再生能力を持ったゴーストとかを倒すことはできないんですか?

博士: そういうのは何らかの特殊な条件を満たさないと破壊できないんだ。

憑依(Possession)

精霊は1戦闘行動を費して肉体を持つものに対して憑依(Possession)を試み ることができます。判定は精神抵抗(Persistence)の対抗ロールで行います。 双方ともMPを1ポイント費すことで成功率を+5%上昇させることができます。

精霊側が勝利した場合には憑依に成功します。精霊が敗北した場合には憑依 に失敗し、相手は精霊が見えていなくても何らかの攻撃を受けたことに気付 きます。

ゆき: MPやPOWの残量とかに関係なく対抗判定に1回敗北しただけで憑依され てしまうのか。何というか精霊強力過ぎませんか。

誠二: というか毎ラウンド憑依攻撃されると、いつかは対抗判定に 負けて憑依されてしまう気がする。

博士: 憑依攻撃の実行回数には何らかの制限が必要かもしれないな。

支配憑依(Dominant Possession)

憑依には支配憑依(Dominat Possession)と潜伏憑依(Covert Possession)の 2種類があります。支配憑依の場合には精霊が肉体を完全に支配し、 憑依されたものは何が起こっているか気付いていますが、何もでき ません。

INT, POW, CHAの能力値は精霊のもので置き換えられ、精霊は憑依した相手 の技能や魔術を使うことはできません。憑依されていることは簡単(+20%)に 魔法的に知覚できます。

誠二: いわゆる精霊に乗っ取られた状態。自力ではどうしようもないのが 困りものだ。

潜伏憑依(Covert Possession)

精霊に憑依されていますが精霊は隠れており表に出てきていないために、 魔法的に知覚することも困難(-40%)です。憑依された者自身も気付いて いないこともあります。

憑依した精霊は肉体を支配することはありませんが自分のPOWを 技能テストのボーナスやペナルティとして影響させることができます。 また精霊によっては病に感染させるなどの悪影響を及ぼします。

ゆき: いわゆる精霊に棲みつかれている状態ですね。このルールだと友好的 な精霊に憑依してもらってボーナスがもらえたりできるかな。

博士: 面白い解釈だね。ルール的にそのような示唆はないみたいだけど、 ローカルルールとして採用かな。

憑依の解除

一般に憑依している精霊を取り除くことは非常に困難で、たいていは 神性呪文の霊払い(Exorcism)などの強力な魔術が必要になります。

誠二: この霊払いの呪文って、失敗すると逆に術者が 憑依されてしまったりして使うの結構大変ですね。

ゴーストなどの場所に呪縛された精霊ならば、その場所を離れることに よって自動的に憑依が解除されます。憑依した精霊によっては目的を達 成すれば自発的に離れることもあります。

博士: 精霊にも知性があるので、目的があって憑依している精霊ならば うまく交渉すれば離れてもらうことができるかもしれない。

alley cats © 2006. update: 2006-10-07 15:03:59+0900