日本語字幕:手書き、縦・根本理恵/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル
太古の昔、神山の麓でファサン族とメ族が覇権を争っていた。その結果、メ族は破れ神山の呪いにより荒れ果てた地に追放されてしまう。メ族は復活を掛けて1,000人の血と骨で作られた天剣によって神山の呪いを解こうとする。しかし、天剣を完成させるには、ファサン族とメ族の両方の血を引く者の生け贄が必要だった。メ族のス(イ・ミスク)はファサン族の族長ハン(チョ・ウォニ)を誘惑し、娘のピ(チェ・ジンシル)を生むが、計画を知ったハンはピを連れ去る。ピはファサン族として育てられることになるが……。 |
なんたる壮大な物語。韓国版「ロード・オブ・ザ・リング(THE LORD OF THE RINGS・2001・ニュージーランド/米)」かっていうくらい。ただ、話の雰囲気としては、むしろ「聖石傳説(聖石傳説・1999・台)」に似ているが。上質というのとは違うものの、ラストはかなり感動的で、涙を誘う作りになっている。設定で泣かせるという感じもあるけれど。 それにしても、こういう史劇的ファンタジーをB級テイストとは言え、思いっきり作れるところに韓国映画界の快調さというか、懐の深さを感じさせる。と同時に、映画好きが作った映画という印象も強く受けた。たとえば「インディー・ジョーンズ」風のシーンもあるし、「ロード・オブ・ザ・リング」風のシーンもある。キャメロンの「アビス(The Abyss・1989・米)」風もある。 首が飛んだり、血が噴き出したり、かなり残酷シーン・暴力シーンもあり、何もレイティングされていないというのはちょっと気になる。気になると言えば、500年にも渡るような壮大な物語のために、シリーズ2作目(1作目は「銀杏のベッド(The Gingko Bed・1996・韓)」)となる本作でも1人の人物を子供から20代くらいまで描くことになるのだが、本作ではそれがわかりにくい。字幕で見ているせいもあるのだろうが、子供時代と、ハイティーン時代と、現在と、あまり似てないので別人かと思ってしまったほど。 しかも現在のピや、彼女と三角関係になるジョクやタン、そして幼なじみの女の子ヨンそれぞれが有名な俳優が演じているにもかかわらず、ハイティーン時代の若手の役者の方が印象に残る気がした。もちろん、それぞれに美男美女ばかりが選ばれているわけだけれど。 監督は、シリーズ1作目を撮り、日本でも大ヒットした「シュリ(Shuri・1999・韓)」を撮ったカン・ジェギュかと思ったら、彼は本作では企画とプロデューサーで、今回の監督は「シュリ」で助監督を務めたパク・チェヒョンという1968年生まれの34歳。 感動的なラストでは、多くの人がぐしゅぐしゅやっていた。ボクもちょっと来た。でも、なあ……。 公開初日の初回、50分前に着いたら、銀座の劇場には11人ほどの人が並んでいた。20代後半くらいの若い人が多く、あとはオヤジと女性が1人。そのご若い女性が増えていき、30分前に開場した時には、行列は30人くらいに。 老若比は半々くらいだったが、下は小学生低学年くらいから、上は白髪の老人まで。男女比もほぼ半々。 最終的に306席の9割が埋まった。ただ、席が空いているのに、後ろで立っていた人が20人くらいいたので(どの席もスクリーンが見えにくいから?)、ほぼ満席といってもいいのかもしれない。 初日プレゼントがあって、あの韓国の辛いラーメン「辛」の袋に入った「シュリ」のプロモーション・ビデオとポスト・カードをもらった。実際のところプレゼントは3種類あったようで、この他にポスターとポストカード、パンフのようなものとポストカードというのもあったようだ。正直なところボクは「辛」のカップ麺か袋麺が欲しかったなあ。 |