日本語字幕:写植、下・菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク、パナビジョン)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG-13指定)
ピラミッドがエジプトにできる前のこと、強大な力を持つメムノーン(スティーブン・ブランド)が一帯を征服しようとしていた。伝説的な暗殺者の種族の生き残りマサイアス(ザ・ロック)ら3人は、メムノーンに敵対する一族に雇われメムノーンを暗殺すべくキャンプ地に潜入する。しかし裏切り者によって兄弟を殺され、自身も囚われの身となってしまう。 |
もし、映画がほぼ2時間の間、別世界に連れて行ってくれるものであるとするならば、本作は間違いなく観客を別世界に連れて行き、勧善懲悪のカッコいい大冒険を見せてくれる。よくできたおとぎ話。まさに娯楽映画の王道。これはたぶん製作に回ったスティーブン・ソマーズ監督の「ハムナプトラ(The Mummy・1999・米)」と同様のオールド・スタイルの映画だろう。もともとユニバーサルってこういう映画をたくさん作っていたんじゃなかったっけ? やはり本作も、おとぎ話を受け入れられるかどうかが評価の分かれ目になるだろう。しかも笑いを廃して徹底したカッコ良さのてんこ盛り。「ハムナプトラ」より面白さが濃縮されたのではないだろうか。ボクはのれた。昔のハリウッドらしい、逆に言うといかにも作り物らしいお芝居映画。 本作の監督は、アクションならお手の物のチャック・ラッセル。近作は、ボクは好きだが今ひとつだったという評価もある「(Bless The Child・2000・米)」を撮った人。ほかにも「イレイザー(Eraser・1996・米)」「マスク(Mask・1994・米)」「ブロブ(The Blob・1988・米)」「エルム街の悪夢3(A Nightmare on Elm Street 3・1987・米)」と蒼々たる作品が並ぶ。ボク的には「マスク」の評価が低いが、やっぱりアクションの方が向いているのでは。 主役はもちろん人気プロレスラーのザ・ロック。ハンサムでありながら素晴らしく強靱な肉体を持つヒーロー。彼も良いが、注目は美しいヒロイン。スッポンポンでがんばっている。演じているのはケリー・ヒューという人。豊川悦司とラッセル・クロウが出たアクション映画で日米合作の「No Way Back/逃走遊戯(No Way Back・1995・米日)」に日本人ケイコ役で出ていたらしい。「13日の金曜日パート8(Friday The 13th Part 8・1989・米)」にも出ていたとか。1967年ハワイ生まれのアメリカ、中国、ハワイ、イギリスの混血。TVが多いようだが、今後注目かも。 面白いのは、日本の剣道の竹刀が出てくること。この格闘戦はどうみても剣道がベースになっているとしか思えない。ひょっとしてチャック・ラッセル監督って、日本好き? なにか「ジェヴォーダンの獣(Le Pacte Des Loups・2001・仏)」のクリストフ・ガンズ監督と通じるものがあるような。 あえて言わせてもらうと、「スター・ウォーズ(Star Wars Epsode 1 The Phantom Menace・1999・米)」ってこういう映画を目指していたんじゃなかったっけ? 最初の1作目(今言うところのエピソード3)の時は少なくともそうだったでしょ。黒澤明の「隠し砦の三悪人」を下地にした冒険談。大ヒットしていろいろなプレッシャーが掛かると、そしてクリエイターが高年齢化すると、だんだん変質してくるものなんだろうなあ。 公開2日目の初回、40分前に着いたら並んでいたのは13人。ほとんどが中高年で若者は2〜3人しかいない。女性は0人。あの「ハムナプトラ」に群がった人たちはどうしてしまったんだろう。マスコミに踊らされていただけなのか。それとも主役の差か。プロレスラーだと女性受けが悪いのかも。 30分前に開場した時で30人くらい。次第に若い人も増えだし、下は中学生くらいから、上は老人まで結構幅広い。老若比はほぼ半々になった。男女比はというと、女性が2割ほど。それも若い女性だけ。 最終的に指定席なしの406席に6割の入りはまあまあでしょう。新宿のこの劇場はデジタル対応館で音は悪くない。サラウンド感も良好。ただし、リア・スピーカーはなくサイド(サラウンド)スピーカーのみ。これだと5.1chに対応できるが、6.1chのドルビーEXには対応できない。うーむ。 |